iPhoneでカーナビ(NAVITIME編)

投稿者: | 2011年9月7日

 10年使ったDVDナビが壊れてしまった我が306ですが、次のナビをどうするか検討中です。運転中は必ずルート案内を利用するわけではないですが、すぐに現在地を確認できる地図がないと精神的に落ち着きません。

IMGP1656.jpg

 そこでまず、最小限の費用で手に入る代替ナビとして、iPhoneの活用を検討することにしました。私が使っているiPhone4はGPSを内蔵しており、同時にWi-Fi、携帯基地局も利用した測位機能をもっています。さらにはデジタルコンパスも内蔵しているので方角も知ることができます。これに地図とナビゲーションアプリを入れれば、PNDの要件は十分に満たしています。

設置

 まず、車載方法といいますか車内への設置方法ですが、以前より第一世代iPod touchをカーオーディオとして使用するために、ホルダーと電源ケーブル兼AUXオーディオケーブルを使っていたので、そこにiPhoneを設置するだけ。上の写真のとおり、運転席右のエアコン吹き出し口につけたホルダーはそのまま流用。
 しかし、電源&AUXケーブルとして使用していたBelkin Auto Kit for iPodは電源の仕様がiPhoneには対応しておらず、そのまま流用はできませんでした。(iPhoneに「対応してないACアダプタです」と警告が表示される)

lhcrci01_31
 そこでiPhone4対応の同等品としてロジテックのLHC-RCi01を買ってきました。上の写真のとおり、iPhoneとの接続はDocコネクタのみ、そのケーブルの先がオーディオ・ユニットのAUX入力へつなぐRCAジャックのステレオケーブルと、車のシガーソケットへ差し込む電源プラグへと分かれています。つまり、これ1本で電源供給&オーディオ出力ができてしまいます。
 オーディオユニットはナカミチのMD-45zpという製品で、AUX入力は背面についています。従来同様に延長ケーブルを使ってダッシュボード裏から配線を引き出し、LHC-RCi01のオーディオケーブルと接続しました。
 ちなみにこのケーブル、オーディオだけでなくビデオ出力も取り出せるですが、ビデオは使わないのでそのまま(絶縁処理だけして)オープンで放置です。

ナビアプリ

 次に肝心のナビアプリです。Googleマップを表示させておくだけでも、精神安定には効果あるのですが、もう少し高機能なナビアプリがほしいところ。iTunesのAppストアで探してみると、さすがに多くのアプリケーションが見つかります。
 iPhoneによるナビアプリには、大きく分けて2つの種類があります。一つはオンライン前提のアプリ。つまり地図データは必要に応じて通信回線からその都度ダウンロードされてくるもの。もう一つはオフライン型。地図データをあらかじめiPhoneにダウンロードしておき、ナビ使用時には基本的に通信を行わないもの。
 前者はiPhoneの内蔵ストレージ容量を占有しないし、いつでも最新の地図であるという安心感があります。その代わり電波のないところではナビとしてまったく機能しなくなります。後者の特徴と欠点はその逆。

photo IMG_1925

 Softbank回線は都内でも信用できず、非常に心許ないのですが、まずはオンラインタイプを試してみることにしました。といっても、すべてのナビアプリを試す気力も時間も財力もありません。
 そこでまずは、渋滞情報が加味され、コストもリーズナブルで、縦位置画面に対応していることを条件として、人気もそこそこのNAVITAIMEのカーナビアプリ、ドライブサポーターを試用してみることにしました。

 このアプリ、ダウンロードするだけなら無料ですが、カーナビとして実際に使用するには料金がかかります。期間ごとの定額制で、7日間で170円、30日で350円、90日で900円、180日で1500円のチケットをまず購入する必要があります。

 このコストをどう考えるか?がポイントになるのですが、アプリやサービス、地図の更新などのアップデートもすべて含まれており、毎日使用するわけではない、私のようなサンデードライバーにはこういう料金システムは、それなりにお得なのではないかと思います。
 ただしアプリによって提供されるサービスと期間、それらに対する料金は様々ですので、自分の使い方、必要な機能に応じて料金の高い/安いは見極める必要があります。私にとってはこのNAVITIMEが一番安く運用できそうです。

 以下、NAVITIMEドライブサポーターによるiPhoneナビの使い心地についてのレポートです。

地図表示

 さて、インストールしてチケットを購入したらさっそく起動してみます。初期設定項目はそれほど多くなく、自宅位置の登録と車種登録くらいです。車種は燃費計算の目安に使われるだけで、設定しなくてもナビ性能には特に影響はありません。
 起動するとまず現在地が表示されるわけですが、iPhoneの位置補足はGPSだけでなく3G回線情報等も使用しているので、かなり早いのが特徴。据え付けの専用ナビにもそれほど劣りません。

photo photo

 通常の表示だとこんな感じ。見通しはいいですが、運転するにはもう少し詳細表示の方がいいかも。地図データはGoogleマップではなくてオリジナルのようです。地図表示は昼間と夜ではデザインが変わります。左のスクリーンショットは昼間用、右が夜用です。もちろん時間によって自動で切り替わります(明るさセンサーによる切り替えはありません)。

IMG_1921 IMG_1923

 地図の縮尺はもちろん可変です。左が目一杯拡大した場合、右は最小まで縮小した場合。画面上に+/-ボタンが常に表示されていますし、ピンチ操作も可能。運転中はボタンを指先でつつく方が簡単です。

 ただし、やはりiPhoneは車内でリアルタイム案内用のナビとして使うには、ちょっと画面が小さすぎるのが気になります。解像度は高いので情報量は十分あるのですが。取り付け位置に工夫が必要かも。やはりセンターコンソールにあった方が良いかと思うので、移設も検討したいところです。306のダッシュボードは形状が特殊なので、上手い手があるかどうか分かりませんが。

ルート検索

 次にルートの設定です。画面左下の検索ボタンを押すだけで、地点検索、ルート設定のメニューが開きます。この辺の機能と操作は非常によく考えてまとめられており、理解してしまえば非常に簡単です。

IMG_1914 photo
 左は検索メニューを開いたところ。出発地、経由地、目的地のボックスをタップしてそれぞれ設定していきます。経由地の設定はもちろんオプションです。
 右は地点検索画面。目的地でも経由地でもこのインターフェースは同じです。あらかじめ登録した地点を設定しても良いし、未知の場所なら住所、名称、電話番号、郵便番号などで検索することももちろん可能。そしてカーナビらしくジャンル検索もあります。

photo photo
 左はジャンル一覧の画面。こんな感じで、まさに普通のナビ専用機とほとんど同じです。でも、これってなかなか目的の場所が見つからなかったりしてあまり使わないですよね。
 右はガソリンスタンド検索の例。実際に使用してはいないのですが、このあたりはしっかりとしたデータベースを持ったNAVITIMEお得の分野かも。最新かつ詳細なデータが使用できるのは、オンライン型ならではのサービスではないかと思います。

IMG_1915

 地点を決めてルート検索すると、こんな感じで複数候補が出てきます。ルート検索はローカルではなく、もしかしたらオンラインでサーバー側でやってるのかな? いずれにしろ、待たされる感じはあまりなく、とても快適です。ルート検索では渋滞情報も加味されます。

IMG_1916 IMG_1917
 提示されたルート候補から一つを選ぶと、ルート詳細が表示されます。距離、所要時間、到着予想時刻、有料道路料金はもちろん、ガソリン消費量などなど。最初に設定した車種情報はここで利用されるだけと思われます。

ルート案内

 さて、ルートが決まったら案内開始。どんなもんでしょうか?

IMG_1898 IMG_1883
 上の2枚のスクリーンショットは、ルート案内中の画面表示例です。これが感心するくらい良く出来ているのでビックリしてしまいました。
 この例では自車進行方向を上にしてますが、コンパスマークをタップすると、北固定にもできます。しかしiPhoneの縦長画面だと、自車進行方向固定の方が見通しがいいです。右左折ポイントなどでは交差点の拡大マップも出るし、車線の案内もしてくれます。これはもうほとんど普通のナビ専用機と変わりません。

 ルートを外れた場合のオートリルートも素早いし的確でした。また、ナビしながらiPodアプリで音楽も普通にかけられますし、激しい渋滞時などには別アプリで渋滞情報を詳細に見ることもできます。
 iPhoneで音楽をかけているなら(オーディオユニット側でAUXを選択しておけば)案内の音声は車のスピーカーから流れます(AUX接続していなければ本体スピーカーが鳴ります)。しかも音楽とのミックス&フェード処理もしっかりしています。ただしこの音声案内はちょっと頻繁すぎます。直進する交差点でもいちいち「〜を直進です」と言うので、都内では煩わしいことこの上ありません。

 GPS衛生からの電波のマルチパスが発生しやすい都心のビル街でも、自車位置の表示は非常に精度が高く、まったく問題ありません。マップマッチングをけっこう強めにしているのでしょうか。その副作用なのではないかと思っているのですが、交差点を曲がる場合など、別の道路へ入って行くときの追従性はあまり良くありません。

まとめ

 ということで、元々あまり期待値が高くなかったこともあって、iPhoneとNAVITIMEの組み合わせは十分に使えるな、というのが今のところの感想です。他を試すまでもなく、もうこのままで良いかも?と思ってるくらいです。
 とはいえ、今後ずっとこれで良いかというとそれはまた別の話で、もし将来新しく車を買うことがあったら、PNDにしろ据え置き型にしろ、ナビ専用機は搭載したいと思います。が、いずれにしても306にはもうこれで良いかな、と(A^^;

 年に数回はSoftbankの回線が全くないところに出かけることもあるので、何かもう一つオフラインタイプのナビソフトを買っておこうかなと考えています。それも含め、また他のアプリを試してみたらレポートを書きたいと思います。