いまさらWindows 7 RC版を本格試用

投稿者: | 2009年8月12日

 来る10月末に正式に発売になるというWindows 7ですが、今年の初め頃にRC版がテスト目的で一般配布されました。私も興味本位でダウンロードしてVirtualBox上にインストールして遊んでいたのですが、まもなく正式版が発売ということで、いろいろとWindows7に慣れておかなくてはなりませんし、使いこなしの勘所を勉強しておこうと思い、仮想環境ではなくPC2号機にインストールして本格的にテスト運用してみることにしました。

—PC2号機
 PC2号機はこれまではWindows XP SP3を入れて、地デジTVキャプチャカードによるテレビ視聴&録画に使っていたのですが、ちょっとトラブルが起きてOSを再インストールをしないといけない状態でしたので、ちょうど良いタイミングです。2号機にはメモリーは4GBしか積んでいませんし、TVキャプチャのこともあるので、64bit版ではなく32bit版のWindows 7 RCを改めてダウンロードしました。

 ちなみにPC2号機のスペックですが、CPUはクアッドコアのPhenom X4 9350e、マザーボードはAMD780Gを搭載したGigabyte GA-MA78GM-S2Hです。ビデオはオンボードのRADEON HD3200、その他もオンボードのまま。メモリーはDDR2-1066が2GBx2pcsで合計4GBです。HDDはSeagate ST3500320ASとWestern Digital WD10EADS(333GBプラッタ)です。

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PC2号機にインストールしたWindows 7 RC 32bit版のデスクトップ。

—セットアップ
 セットアップはWindows Vistaとほぼ同じ感じで順調に完了しました。クリーンインストール状態でもモニターの解像度が的確に判別され、Aeroも有効になっていました。RealtekのGigabitイーサやHD Audioコーデックも認識されていて、このまま何もしなくても使い出せそうです。そうは言っても、もちろんそれぞれ最新のドライバーをインストールしましたが。AMDもRealtekもすでにWindows 7をサポートしたドライバが配布されています。

 次に地デジTVキャプチャです。使用しているカードはBUFFALOのDT-H50/PCIEという製品。公式にはWindows 7はサポートされていません。しかし恐らくVista用のドライバでそのまま動くはず、ということでインストール。あっさりと動きました。録画予約などの動作にも特に問題ないようです。

 ウィルス対策ソフトはOSのカーネルに深く依存しているのでVista用では動かないかもしれません。調べたところ、フリーも含めすでにいくつかWindows 7対応のウィルス対策ソフトが出ています。これまで製品版を使っていることもあって、カスペルスキーのテクニカル・プレビュー for Windows 7版を入れてみました。メッセージ類は全て英語ですが、これも特に問題なく動きます。

 いくつか簡単なソフト類を入れてみたり、WEBブラウジングしてみたりして一通り触ってみた感想ですが、動作は軽快でVirtual Boxで感じたような未完成感もほとんどなく、かなり快適です。それに、意外にWindows Vistaとの使い勝手の差は少ないな、とも感じました。Windows XPからだとやや戸惑うかもしれませんが。いずれにせよ、これなら正式版が出た暁にはそのまま安心してPC1号機にも使えそうです。

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リフレッシュレートの選択肢に60Hzはあるのですが反映されません。勝手に59Hzに戻ってしまいます。

—問題点
 マイナーな問題点として、当初はスタンバイしても数分から数十分で勝手に起き上がってしまったりしたのですが、イベントログを調べたらネットワークから起動していることが判明。デバイスマネージャからネットワークのプロパティを開き、電源管理タブで「ジャンボフレーム以外では電源状態を変更しない」にチェックを入れることで。これは即解決しました。

 もう一つの問題ですが、現状かなり深刻な状況です。とはいえこれはWindows 7だけの問題というわけではなく、いわゆるH/Wおよびドライバー類との相性問題というやつかと思います。というのは、ディスプレイのリフレッシュレートが59Hzに固定されてしまうのです。モニター自身は最大解像度の1680x1050pixelで60Hzまで対応していますし、実際設定画面にも60Hzの選択が可能なように表示されます。しかし何をどうしても59Hzにしか設定されません。おなじH/W環境でも、Windows XPやVistaを使っていたときにはなかった現象です。

 で、59Hzの何が問題なのかといえば、具体的に影響があるのはTV視聴です。TV放送は約60Hz(正確には59.94Hz)のフィールド周波数で送られてきますので、これを59Hzのディスプレイに映すと、頻繁にフレームスキップが発生し、妙にカクカクした動きになってしまうのです。見ていて非常に気持ち悪いです。これ、TRVに限らず、DVD等の動画再生には軒並み影響があるはず。このまま直らないようだったらちょっと考えてしまいます。大人しくVistaまたはXPに戻すか、ディスプレイを変えてみるか、あるいはビデオカード(マザーボード)を変えてみる(追加するという手もあり)か…。引き続き要検討です。

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Windows XP ModeでPhotoshop Elements 4.0を起動したところ。

—Windows XP Mode
 Windows 7の新機能として話題になっているWindows XP Modeもダウンロードしてインストールしてみました。この機能、さんざん言われているように中身はVirtual PC上の仮想WindowsXPです。ただし、仮想Windows XPがついてくる(別途ライセンスのあるWindows XPを用意しなくて良い)ことと、仮想環境の設定やホストとの連携がより密になっています。ソフトのセットアップさえしてしまえば、仮想XP上で動いていることを意識しなくて済むくらいとのこと。

 ということで、試してみたのですが、仮想環境上では色数がなぜか16bit以上に設定できません(私の環境特有の問題かもしれませんが)。試しに古いPhotoshop Elements 4.0(VISTAにも対応していない)を入れてみましたが、この手のグラフィックソフトには全く使えません。また、このWindows XP Mode上にもウィルス対策ソフトを入れるなどして、セキュリティ対策をしないといけません。素のままだとセキュリティ警告がうるさいくらいに出てきます。

 仕方がないことではありますが、ウィルス対策ソフトを2つ用意しないといけないとしたら、仮想XPが動いていることを意識しなくてすむ、とはなりません。たまにしか使わないソフトをWindows XP Modeで動かすとすれば、セキュリティ警告を毎回目にすることにもなりかねません(ウィルス定義の自動アップデートが終われば消えるわけですが)
MicrosoftはWindows XPのサポートを今後打ち切る方針のようですが、このWindows XP Modeについてはどうするのでしょうか?

 仮想環境なだけにかなり動作も重いですし、マウスカーソルが消えたりするなど、細かい動作上の問題も残っています。相当にパワフルなPCじゃないと使い物にならないのではないかと思います。ビジネスユーザーをWindows 7へ誘導するための切り札ともいわれていますが、何となく中途半端というか、今ひとつな気がします。少なくとも個人ユースではほとんど必要ありません。仮想環境で遊ぶなら他の方法がありますし。

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Direct 3Dは有効になったのですがAeroは有効になりませんでした。ちなみに32bit版のWindows 7も試しましたが同様にAeroは使えませんでした。

—おまけ:VirtualBox 3.0 + Windows 7 RC
 ところで、VirtualBoxはその後メジャーバージョンアップをして3.0(現時点の最新は3.0.4)になりました。大きな変更点はWindowsゲストでDirecrt 3Dによる3Dアクセラレーションが効くようになったことです。ゲーマーではない私が真っ先に思いついたのは、Windows VistaゲストやWindows 7ゲストでAeroが使え、グラフィックが速くなったのでは?という点です。

 早速試してみたのですが… 残念ながらダメでした。Dxdiagで見ても確かにDirect 3Dは有効になり、APIテストなども通るのですが、Aeroは有効になりませんでした。もちろん、ドライバーのインストールはセーフモード上でやりましたし、ゲストに割り当てるビデオメモリも最大の32MBにしました。何かがまだ足りないのでしょう。まぁ、もともとダメもとだったので良いのですが(A^^;

カテゴリー: PC