久々の読書感想文です。今回取り上げた本は三冊ですが、全てに共通するのは、暇つぶしでうろついていたインターネット上でたまたま目にした記事で紹介されていた本であるという点です。というか、それらの記事は全てその本を紹介するため、著者自身が登場するの半ば広告のような記事だったのですが、いずれも読ませる内容となっていて、つい記事の末尾にあるアマゾンのリンクを踏んでしまうと言う、とてもよく出来たものでした。
いずれも7月から8月にかけて読んでいたもので、本当は読み終わってからすでに1ヶ月近く経っているのですが... このエントリーを書くのにすごく時間がかかってしまいました。言いたいことはあるはずなのに、上手くまとめられそうになくてしばらく放置していたものです。
特に最初に紹介する「はじめての沖縄」は難しいテーマでとても複雑な感想をもたらした本です。そして是非紹介したいという気持ちは強いのに、その伝えたいこと正確に文章に落とし込むのは非常に難しいことだと思います。そして結局上手くまとまったとは思いません。
でも、せっかく書いた下書きものを捨ててしまうのももったいないので、誤読される可能性はそのまま飲み込んで、ここらで公開してしまうことにしました。
ウチナーンチュとナイチャーの間にある境界線と非対称性:はじめての沖縄/岸政彦

- 作者: 岸政彦
- 出版社/メーカー: 新曜社
- 発売日: 2018/05/08
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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はじめて沖縄に出会い沖縄病になって、勝手なイメージを沖縄に当てはめ、押しつけていた20代。本書はそんな著者の、やむにやまれぬ思考が出発点になって書かれた、切実な「沖縄論」です。この本には、初めて沖縄に行く人のための基本的な情報、その歴史や文化、そして観光名所の解説はありません。社会学者として沖縄をテーマにし、沖縄の人びとの話を聞き取りながらも、「ナイチャー」である自身が「沖縄」について語りうる言葉を探し続けて右往左往するのはなぜなのでしょうか。芥川賞・三島賞候補になった著者が描く、個人的かつ普遍的な、沖縄への終わることのない旅。著者による写真も多数収録。