ジンギスカンからメキシカンまで:海外化が進むニセコで食べてきたもの

投稿者: | 2018年2月12日

 スキーをすると猛烈にお腹が空きます。日頃ろくな運動をしていないのに、一日中身体を動かして遊びまくるわけですから、当たり前のことなのですが、とにかくスキーを楽しむにはしっかりと栄養補給することが重要です。

 スキー場での食事は揶揄を込めて「ゲレ食」と呼ばれ、味よりも量とカロリー、そして割高というイメージがありますが、世界的スノーリゾートとなって海外からもたくさんの観光客が押し寄せるニセコの食事事情はどんなものなのでしょうか?

 と言ってしまうとかなり大きな話になってしまいますが、スキーを楽しむためとは言え同時に旅行でもあるわけで、旅と食事は切っても切れない関係にありますから、毎日の食事も楽しみの一つです。

 毎年ニセコに通っていると、年々変わっていくその姿に驚かされると同時に、変わっていないところもあったりして、そんなニセコで今年食べてきたものをざっとまとめておきたいと思います。

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 トップ画像は、北海道グルメと言えばお決まりのウニイクラ丼です。ニセコではなく千歳空港で食べたヤツですけど、まーイメージ画像ということで(A^^;

福゜福゜亭(ぷくぷくてい)

 北海道と言えばジンギスカンです(さっきはウニイクラ丼と書いたばかりですが)。初日は1月29日と言うことで、今年最初の「ニクの日」でした。なのでやはり肉を食べないといけないだろうと言うことで、ジンギスカンに決定です。

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 ヒラフのメイン通りにある比較的新しいこのお店には、開店以来毎年必ず1回は通っているお店です。店内は広くて清潔感もあって、さらには上着に匂いがつかないようにクローゼットがあって、なかなか気が利いています。

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 メニューはシンプルで、お肉は「上生ラム肩ロース」と「上生ラムショルダー」の2種類。ハッキリ言ってどっちがどっちだかよく分からないので、適当に頼んでしまいましょう。

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 野菜は別盛りなので肉との比率は調整可能です。結構山盛りです。

 隣の席の外人さん達はどうもモヤシが苦手なのか、まるまる残していました。ジンギスカンなのにモヤシがないなんて!

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 いやいや、ジンギスカンは自由です。一応このお店にも焼き方の指南書があるのですが、そんなの関係ありません。好きなように焼いてしまいましょう。

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 お肉は白米と一緒に食べるのが一番美味しいです。超幸せな気分になれます。

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 他にも北海道らしいおつまみもあります。さらに実はジンギスカンでお勧めなのは鶏肉。ニセコのジンギスカンで食べる鶏はとても美味しくて、生ラムより好きかも?と思える瞬間があります。


 カジュアルでお値段もそんなに高くないし、ヒラフ界隈ではオススメのお店です。セルフクックはあまり外国人に受けないのか、ニセコにしては日本人率が高いお店でしたが、今年はさすがに半々くらいになっていました。じわじわと外国人にも「北海道といえばジンギスカン」は浸透しつつあるようです。

食彩比羅夫

 今回の宿泊先はヒラフゲレンデ直結の「ホテル ニセコ アルペン」でした。ヒラフエリアでは古くからあって超有名ホテルと言って差し支えないでしょう。もともとヒラフのスキー場は東急グループが経営しているもので、このアルペンも東急系。ということでヒラフのメインホテルと言えます。

 で、その中にあるレストランがここで紹介する「食彩比羅夫」です。せっかくアルペンに宿泊するのだから一度食べておかなくてはということで行ってみることにしました。

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 外から見ていると「寿司屋」に見えるこのお店、実際にメニューはコテコテの和食です。ただ寿司屋と言うよりはもうちょっと守備範囲の広い和食居酒屋的な感じです。

 なのでまずはお造りからは注してみました。二人前頼むとまったく同じお皿が二つくる辺りは愛嬌でしょうか。

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 ザンギも頂きましょう。鶏唐揚とどう違うのかよく分かっていませんが、アツアツで美味しいです。

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 そして天ぷらなんかも頂きました。これも揚げたてらしくアツアツサクサクで美味しかったです。

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 最後はメインのお寿司。ちゃんと寿司職人さんがいてカウンター席もあるくらいですから、ちゃんとした本物のお寿司でした。


 アルペンの中にありますがもちろん宿泊者以外も利用できます。立地のせいかお値段はかなり高い方だと思います。鰻丼は¥5,000となっていました。もちろん食べていませんが、全体的にそんな感じです。

 ニセコの寿司屋と言えば、HIRAFU188の地下に「ちはる寿司」という名店があったのですが、残念ながら無くなっていました。日本食としては寿司は鉄板で外国人にも人気あると思うのですが、寿司屋とラーメン屋はスノーリゾートでは相性悪いんでしょうかね。

ニセコピザ

 次に訪れたのはニセコピザ。名前の通りピザ屋さんというかイタリアンレストランです。ヒラフではなかなか人気があるお店で、私たちも毎回訪れていますし、コンドミニアムに泊まったときはデリバリーを頼んだこともあります。

 色々と予約のハードルが高いお店の一つですが、今回はYelp経由であっさり予約することが出来ました。

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 店構えは以前と変わらず。写真では右下に見切れている手書きの看板は、日本語で書かれていますが、店内はまったく日本語が通じないというのも今まで通り。看板は飾りなのでしょうかね?

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 薄暗い店内に入るとワインセラーが壁一面にあったりして、なかなか良い雰囲気です。

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 ギネス! イタリアンとはまったく関係ないけど、異国のような空間で飲むギネスは最高です。それからワインももちろん飲みました。

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 でもってメインのピザはこんな感じ。いろいろ入りのクアトロですが、素朴な感じで超美味いです。

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 さらにステーキとかイカとエビの素揚げみたいなヤツとか、他にも色々食べました。疲れ切った身体のエネルギー補給としてはなかなか良い感じです。


 ヒラフのスキー場へ続く坂道を下った交差点、セイコーマートのはす向かい辺りにあります。この一角はもしかしたらヒラフで一番賑やかと言えるかも知れません。お店も色々並んでいて散歩も楽しめると思います。

The Mexican Mule Restaurant and Cantina

 次の日はヒラフからビレッジに遠征してみました。目指すはFreeride Lodgeという宿泊施設に併設されたメキシカンのレストラン。ビレッジのヒルトンホテルに向かう坂道を上っていった途中にあります。ヒラフ−ビレッジ間は巡回バスでも移動できますが、時間が微妙な感じなのと、時間帯によっては激しく混むので今回はタクシーを使いました。

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 到着したFreeride Rodgeです。ほぼ外国人しか泊まっていないような感じで、ここも日本語はまったく通じません。予約の電話も英語のみでした。完全に海外旅行状態です。

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 注文もしてないのにいきなり出てきたテキーラ!と思ったら、中身はただの水でした。良かった…
 右はとりあえずのビールと言うことでベタにコロナビールです。

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 おつまみには超美味しいトルティーヤチップス。やめられない、止まらない状態です。

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 そしてこのスパイシーなチキンも美味しかった! 

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 メインはブリトー! もっちりしていて中身はたっぷり。中のメイン食材は4種類くらいから選べますが、私はビーフにしてみました。

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 それからタコス。エビとかビーフとかチキンとか、3種類セットになっていました。盛り付けが凝っています。

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 お代わりのビールはサッポロ黒ラベル。あまりこのサイズの瓶は見かけないですね。でも、周囲の外国人達はみんなコロナじゃなくてこっちのサッポロを飲んでいました。せっかく日本の北海道まで来たのだから、彼ら彼女らにとってはこっちの方がそれらしいのでしょうね。ということで、周囲の空気に溶け込むべくサッポロを頂きます。うん、美味い!


 なお、レストランの地下にはバーもあります。行かなかったですけど。

 帰りもタクシーを呼んでもらったのですが、運転手さんは日本人がいるはずないと思っていたらしく、最初話がなかなか合いませんでした。ヒラフ界隈でタクシーを利用するお客さんは90%以上海外の人だそうです。山田温泉ホテルとか高原ホテルとか、今はなき宿泊施設の話を私たちが知ってる範囲でしたらとても懐かしがっていました。

かかし

 今時のヒラフでは珍しいくらいの古き良き昔ながらの素朴な居酒屋さんです。メインの通りから外れ、周囲に何もないなかにぽつんとあるその姿はまさに、雪深い秘境にある隠れ屋的ですらあります。

 ネットにもほとんど情報がなかったのですが、最近ポツポツ口コミが上がるようになってきて、その存在が知られるようになってきました。

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 昔から気になっていたものの、なかなか入る勇気が出ずに、前回初めて訪れたお店です。開発が急ピッチで進むヒラフにあって、もしかしたら今年はなくなってるかも?と少し心配していましたが、ちゃんとありました。変わらず雪に埋もれた平屋のたてものにのれんが掛かっています。

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 ここではホッケとか…

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 ブリカマとか… わりとベタな居酒屋メニューを頂きます。でもひとつひとつちゃんとしていてとても美味しいです。

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 他にもコーンバターとかザンギとか…

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 ししゃもとかアスパラバターみたいな、ジャンクなものも安心して頼める、まさに典型的な居酒屋さん。

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 〆はこんな素朴なチャーハン。でもこれが見た目通りの美味しさ! まるで海外みたいなお店が続いた中で、こういうところに来ると本当にホッとします。


 店内はカウンター席とテーブルが二つ、あとはお座敷という感じでほどよい大きさ。お値段もかなりリーズナブルです。

 店員さんは素朴で愛想がない感じですが、それがむしろお店の雰囲気に良く合っています。とは言えお客さんはやはり外国人客中心。このローカル感は他のニセコのお店では失われつつあるもので、なかなか貴重なお店だと思います。

HANAZONO 308

 さて、ここまでは夕食ばかり紹介してきましたが、冒頭でも触れたゲレ食といえばゲレンデ内で食べる昼食です。ニセコのスキー場は広大なのでお昼が食べられるレストランもたくさんありますが、私たちはほとんど毎日花園ゲレンデのベースにあるHANAZONO 308というレストハウスに通い詰めています。ここが一番居心地良いんですよね。

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 ”308″の由来は標高だそうです。この花園ゲレンデベースがちょうど標高308mで、アンヌプリのピークと比べて標高差が1000mなんだとか。308は私にとっても馴染みのある数字なので親しみが持てます。

 ここで食べたものと言えば…
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 豚角煮の味噌ラーメンみたいな、いかにもゲレ食でお値段もそれなりに高いのですが、HANAZONO 308のそれはちょっとひと味違います。なんというか、量と味と雰囲気が海外風味なんですよね。そして重要なことは、そこそこ美味しいのです。

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 他にもピザとかラザニアも食べました。見た目は普通ですが、これなんと注文を受けてから目の前で作り始めるんです。冷凍パックを焼くんじゃなくて、ピザの場合だとキジを捕りだしてきてトマトソースを塗り、チーズを載せて… と、目の前でやり始めるんです。おかげで時間がかかるのですが、それなりに行けてるんだからすごいです。

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 そしてここまで何度も何度も書きましたが、ここもほぼ外国です。ウィスラーを思い出します(^^;


 花園ゲレンデはスキーブーム&バブルの終焉時に開発された偽、ニセコのスキー場中では比較的新しいゲレンデで、今は香港資本に買収されて運営されていますが、ヒラフやビレッジ、アンヌプリと違っていたのは、ゲレンデベース周辺に宿泊施設がないことでした。

 しかし、ついにというかとうとうと言うべきか、今年行ってみたらHANAZONO308のすぐ横で海外資本の大型ホテルの建設が始まっていました。ニセコのバブルはどこまで続くのか? ゲレンデの様相が一変してしまうのは心配ですが、全国的にはスキー場不況が言われる中、ニセコだけでも好況なのは持続性という意味では良いことなのだろうと思います。

その他

 最後にそれ以外に食べてきたものを貼っておきます。

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 まずは千歳空港とニセコを結ぶバスが、途中で必ず立ち寄る「大滝きのこ王国」です。わずか15分のトイレ休憩なのですが、ここが実は魅惑のパラダイス。美味しそうなものがいっぱいあるのですが、時間的に一杯108円の「きのこ汁」だけ掻き込むのが恒例行事となっています。

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 宿泊したホテル アルペンの朝食はバイキング形式。メニューはかなり豊富で5泊しても全てを食べきるのは無理なくらいでした。というか、私は朝食はいつもこんな感じでウィンナーとシリアルとヨーグルトがあればOK満足です。目玉焼きはなぜか2個セットだったので仕方なく2個食べました。

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 そして帰りの千歳空港ではいつも通風どんぶりを食べることにしています。空港ですのでそれなりに高いのですが、わりと毎年楽しみにしています。一度いくらのみもしくはウニのみのシンプルなどんぶりを食べてみたいと思うのですが、どうしてもどっちかに決められず、今年もウニイクラ丼にしてしまいました。見た目通り美味かったですよ(^^;

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 そして今回の旅でもっとも「美味しい!」と感じたのが「サッポロクラシック」。北海道限定のビールです。ホテルの部屋で缶を何本も開けてしまいました。最近は酒量が減って缶で500ml飲めるなんてことはほとんど無いのですが、これはグイグイいけてしまいました。翌日があるので自制しましたけど。

サッポロ サッポロクラシック 350ml×24缶

サッポロ サッポロクラシック 350ml×24缶

 北海道限定とは言え、今は便利な時代なので買おうと思えば家に居ながらにして買えてしまうんですけどね。でもあの美味しさはあの寒さの中でこそなのかも。

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 ということで、今年のニセコの旅関連のエントリーは以上です。また来年!

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