酔人日月抄

東京下町に暮らす写真とPENTAXとスキーと時代小説とお酒とプジョーを愛するある男の日常

新小岩の「鮨 二代目 太郎」で旬の寿司を食べて夏の訪れを感じる

 東京地方は梅雨に入ってもさっぱり雨が降らず、真夏のように暑くなったり、春のように涼しくなったりを繰り返しつつ、それでもじわじわと湿気を感じるようになりつつあります。夏至の前後は日も長く、個人的には一番嫌いな季節。暑い夏をあと2ヶ月以上過ごさないといけないかと思うと、色々思いやられます。

 旬のものを楽しめる料理と言えば色々ありますが、私の大好きな焼肉はあまりそういう「季節を感じる」的な趣はありません。しかしお寿司ならまさに旬を感じるにはうってつけです。便利になったこの時代、多くの食材は年中手に入るようになりましたが、そうはいかないものも依然として残っています。

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 例えばコレ。新子です。新子のお寿司は初夏のこの時期にしか食べられません。希少だからと言うだけでなく、小さな光りもののコハダが8枚付けされた姿は本当に神々しいです。

 梅雨とその後やってくる夏を乗り切るために、新香でも食べて元気をつけなくては!ということで、お寿司を食べに行ってきました。

 お店は新小岩駅南口からルミエール商店街をずっと進んだ先、少し西側に入った路地にあるお寿司屋さん「二代目 太郎」です。これまでに何度か紹介したお店ですが、久しぶりの訪問となりました。そしてここで新子をいただくのは今夏が初めてです。

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 最初はとりあえずの生ビール。泡のきめが細かくて美しいです。スーパードライはきちり注ぐと本当に美味しいですよね。

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 最初から夏らしくもずく酢。今回もおまかせコース¥6,000です。しかしそんな値段で本当に良いのか?と思えるほど素晴らしい質と量の料理と寿司が出てきます。全部紹介しきれないので今回はダイジェスト版です。

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 さてこれはほとんどおまけで出てきたものなのですが、なんだか分かるでしょうか? なんとこれはトウモロコシのヒゲの部分を揚げたものだそうです。サクサクした食感は想像通り、見た目通りなのですが、味が何とも不思議です。むかし駄菓子屋でこういうスナック菓子を食べたことがあるような、そんな懐かしい味わいでした。

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 お刺身の最初はタコ。本当にタコのお刺身って美味しいですよね。お刺身の中で一番好きかも知れません。歯ごたえと味わいも最高です。

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 さらにお刺身が続きます。大振りの甘海老には鮮やかなブルーの卵付き、スダチの上に鎮座するのはイシガレイで、中心にはエンガワが巻かれています。そして大粒のホタテに乗り煎餅みたいなのはタイラガイ。どれもコレも素晴らしい美味しさ。

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 そして出ましたマグロです。脂がたっぷりで山葵が全く効きません。しかもただ刺身でいただくだけでなく、周辺を燻ってタタキ風にしたものは、肉だと言われたら信じてしまいそうなジューシーさでした。右下の薄っぺらいのはマグロの皮です。鮭の皮は美味しく食べたりしますが、マグロの皮というのははじめて食べたかも。分厚くて脂たっぷりで、これもまた山葵を安心して乗せられます。

 こうした定番以外に、他では見たことも食べたこともないような、ちょっと変わった料理が食べられるのもこのお店の特徴です。

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 そしてトウモロコシが出てきました。先ほど補の部分をいただいたやつですね。鮮やかな薄い黄色が美しくて、そこにピントを合わせてしまいましたが、このお皿の主役は2種類の魚です。細長くて見切れてしまっているのは、なんと穴子の西京焼きです。穴子も西京焼きも和食の定番ですが、穴子の西京焼きとなると食べた記憶はありません。これがどうして今までなかったの?と思えるほど完璧な取り合わせです。

 奥にボケて移ってるのはいわゆる西京焼きでよく出てくる銀ダラなのですが、タラよりも穴子の方が美味しいと思えてしまいます。

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 そして茶碗蒸し。暑い夏に食べる茶碗蒸しもまた絶品。冷たいものばかり口にしがちで胃はかえって疲れ気味になりやすいですが、熱々の茶碗蒸しは喉の奥に染みいります。

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 その他にも、生しらす(右上)とか、ホヤ(左下)とか、薩摩揚げ(右下)などをいただきます。左上のケーキみたいなのは水ナスです。手でちぎっただけで何の味付けもしていない完全生。これが瑞々しくて美味い!茄子は野菜の王様かもしれません。

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 こうなると日本酒が進みます。もっきりでたっぷり。この日飲んだのは南部美人の雄三スペシャルという薄にごり風で結構パンチがあるやつと、司牡丹の「裏」というお酒で、こっちは逆にスルスルいけるさっぱり系でした。

 いやいや、日本酒とお刺身というか寿司屋の料理はとても良く合います。しっかり自分を保ってないと、以前のように際限なく飲んでしまいそうで、かなりセーブしました。でも、このくらいのペーズで飲む方が、料理もお酒も最後まで美味しく頂ける気がします。いや、泥酔する気持ちよさを忘れたわけではないのですが...(^^;

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 さていよいよ握りの始まり。トロが美しすぎてもはやどんな味だか思い出せません。口に入れた瞬間溶けてしまうかのようでした。

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 その他赤貝とか、トリガイとか、エビとか。エビは生と茹でが選べました。王道は茹でだそうですが、敢えて生を選んでみました。透き通った姿はエビと言うより何か白身魚みたいです。金箔がかかってるのはタコ(だったかな?)。贅沢です。

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 エビはこうしてちゃんと頭の部分もいただきました。サクサクパリパリでこれもスナック菓子みたい。

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 そして美しいウニの軍艦。やっぱりお寿司はウニが一番ですね。これに勝るものはありません。

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 と、思っていたら何か出てきました。そうです夏の旬のもの、この季節にしか食べられない幻の魚、新子です。希少度と一貫握るまでの手間のかかり具合(と、それに見合ったお値段)で言えば、新子に勝るものはありません。うん、ウニも良いですが、新子も捨てがたいです。

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 もうちょっと寄ってみましょう。銀色の肌つやのグラデーションが美しいです。小さな新子も育ったあとのコハダも下ごしらえの手間は変わりません。いえ、新子は小さいだけにより面倒なのかも。大将は泣きながらこれだけ準備した、と言っていました。

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 どん! きました!新子の8枚付け。これは贅沢です。これは参った。

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 滅多にやらない箸上げ写真を取ってみましたが、お寿司は別に箸で食べるものでもないですね。それにしても背景をボカして飛ばした新子のポートレートは可愛いです。

 あまり写真を撮りまくっていると、美味しいところを逃してしまうので、適度なところでエイやッと口の中に放り込んで、じっくり噛みしめました。これで今年の夏も乗り切れそうです。

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 ということで、新子がトリでした。が、もう少しお腹に入りそうなので、巻物を追加でいただきました。改めて写真を見直してみると、いろいろ凝ってます。が、新子の余韻に浸ってしまい、その場ではちゃんと見て、ちゃんと味わっていませんでした。

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 巻物にもいくらのトッピングのサービスをしてもらったり。これはよく覚えています。超美味かったです。

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 この日は神戸から客人が来ていたのですが、彼のたっての希望で前回頂いた、マグロの目玉煮をさらに追加。うむ、何度見てもスゴイビジュアルですが、ホジホジしながら食べる身の部分は、さすが魚の王様マグロだけあって、食べ応えと味のバランスは素晴らしいです。


 ということで、本格的な梅雨を前に、体調を整えるためにも美味しい旬のお寿司は欠かせません。このお店は相変わらず量と質に対してお値段がお得すぎて心配になるほど。またきっと今年も夏バテするに違いないので、そうしたら元気を出すためにまた美味しいお寿司を食べに行きたいと思います。


鮨二代目 太郎 / 03-6873-7703 / 東京都江戸川区松島3-12-11 / 12:00〜14:00, 17:00〜23:00 / 不定休

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