酔人日月抄

東京下町に暮らす写真とPENTAXとスキーと時代小説とお酒とプジョーを愛するある男の日常

まもなく5周年を迎える東京スカイツリーを荒川河川敷から撮る

 東京スカイツリーはまもなく開業から5年を迎えようとしています。私の生活圏内からは大抵その姿が目に入ることもあって、もはやそこにあるのが当たり前となってきています。逆に東京スカイツリーがなかった時代が思い出せないくらい。その頃この一帯の風景はなんと殺風景だったことだろう?...なんて。

 さて東京スカイツリーは遠くから見ても近くら見ても(もちろん展望台に上っても)朝でも昼でも夜でも格好良いのですが、特に良いのは夜のライトアップされた姿です。LEDの明かりで控えめに照らされた巨大な鉄塔は、口の悪い人に言わせれば「薄らぼんやりしている」と言われたりしますが、その奥ゆかしさが良いのです。

 東京スカイツリーライトアップは当初「粋」と「雅」の2種類が日替わりで行われていましたが、その後いろいろなイベントに合わせたスペシャルライトアップがやたらに多くなり、かえってレギュラーの姿を見かけなくなったりしていました。

 そんな中、先月から新しいレギュラーライトアップが追加されました。その名も「幟(のぼり)」です。これからしばらくは「粋」「雅」「幟」の3種類のローテーションとなるようです。

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 そんなニュースを聞いて久しぶりに東京スカイツリーの夜景を撮りに行ってみたくなりました。これまでスカイツリーのすぐ近くまで行って撮ったことは何度もありますが、今回は少し目先を変えて、その姿が綺麗に見通せる、少し離れた場所から撮ってみることにしました。

四ツ木の木根川橋近辺は東京スカイツリーの絶景ポイント

 向かった撮影場所は四ツ木付近の荒川河川敷です。東京スカイツリーにそこそこ近いのに、遮るものがほとんどなくツリーの根本付近まで綺麗に見える場所は他にはなかなかありません。


 地図でいうとこの辺りです。木根川橋の少し下流で、綾瀬川東岸の葛飾区側から荒川放水路河川敷に出るための歩道橋「東四ツ木避難橋」を渡ったあたりです。この土手はずっと遊歩道になっていて、自転車やジョギングや野球、サッカーなどなど、いろいろな遊びが出来る公園になっています。

 最寄り駅は京成線の四ツ木駅で徒歩10分ほど。河川敷には駐車場もありますが夕方には閉まってしまいます。車なら周辺のコインパーキングを使うという手もあります。

 この場所は東京スカイツリーのに東側なので、朝は順光、夕方は逆光となりますが、ここからは夕暮れの景色を眺めるのが定番となっています。

日没待ち


 この日の日没時刻は午後6時50分ごろ。ずいぶん日が長くなったものです。そういえば夏至まであと一月ほどです。

 夕方になってからゆっくり出かけたつもりなのですが、現場に着いたのは日没の1時間ほど前。まだ太陽は出ているし空は明るいです。ここでゆっくり日没を待ちましょう。

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 空には良い感じの雲が出ていました。今日は空が焼けるでしょうか? 完全な快晴よりも少し雲があった方が夕焼けは綺麗になりそうです。

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 土手の上からは川を挟んで向こう側は墨田区の下町が続いていてあまり高い建物がなく、東京スカイツリーがいきなりニョキッと生えているような景色になっています。

 この時期の日没位置はかなり北西よりになります。なので、夕日と東京スカイツリーは絡みません。冬至前後の冬の方がより絶景が見られそうです。寒くなったらまた訪れてみたいところです。

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 午後6時半になりました。夕日は地平線付近の雲にかかってきました。そろそろ日没です。

マジックアワー


 日没からしばらくはみるみるうちに空の色が変わっていきます。

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 空に残る薄い雲がうっすらと焼けてきました。それが川面にも反射しています。うん、超きれい!

 でも実際のところちょっと色を強調しています。肉眼ではもう少し淡く見えていました。

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 カメラを日が沈んでいった北西方向に少し向けてみました。上空は風が吹いているのでしょうか? 細長い雲が幾重にも流れていてよりきれいに焼けています。そして画面右上の方にうっすら写っていますが、非常に細い三日月が出ています。

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 初夏のこの時期でも日没は釣瓶落としの如くあっという間に暗くなっていきます。上空の色はだんだん濃くなってきました。夕焼けの残る雲と光を失いつつある青空の微妙な色は写真で表現するのは非常に難しいです。

開始1時間はLEDを最大輝度で点灯


 さて、空にばかり気を取られていたら、いつの間にか東京スカイツリーのイルミネーションは点灯されていました。

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 以前は日没後しばらく経ってそれなりに暗くなってから初めて点灯されていた東京スカイツリーのイルミネーションは、最近は日没の少し前から点灯され、辺りが暗くなってくるとともに浮かび上がってくるようになりました。しかし点灯直後はまだ「幟」ではありません。うっすら色が付いているように見えますが、LEDを最大限に光らせて白く輝いています。

 それに、この時間になってようやく目立つようになってきましたが、左下の遠くの方に東京タワーも見えていますね。

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 先ほど同様に引いて撮ってみると、確かに東京スカイツリーは周囲の夜景と比べてかなり明るいです。LEDを最大限に光らせているだけのことはあります。細くて頼りなかった月も明るく輝きはじめました。

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 さて、ここでちょっとした思いつきでやってみたのは多重露光です。1枚は普通に撮影し、カメラは固定したまま2枚目はわざとピントを外して少し暗めの露出で撮影。合成方法は「平均」を選びました。もっとホンワカするかと思ったら、なかなかそうならなくて意外に難しいです。

 露出のバランスや2枚目の絞り、ピントのずらし量を調整しながら何枚も撮ってみましたが、このカットが一番イメージに近い気がします。

いよいよ「幟」点灯


 そしてライトアップ点灯から1時間後、最大パワーの白色からいよいよ「幟」に切り替わります。

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 その過程で半分だけ点灯した瞬間を撮ったのがこのカット。一気に点灯せずにこうやって順番に灯していくのは、わざと(演出)なのかシステム上の都合なのか...?

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 再点灯完了した姿はこうなりました。中心付近はやや黄色く下の方に行くに従って色は淡くなっています。これが新レギュラー色の「幟」です。またまた渋いデザインというか色使いにしたものです。いやいや、奥ゆかしくて東京スカイツリーらしいです。

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 ちなみにこの写真、ホワイトバランスをかなり弄って色温度を下げています。見た目の印象ってこんな感じかな?ということで。しかし表示環境によっては空の部分にバンディングが出ているかもしれません。ブルーに色が偏りすぎてJPEGの8bit/chでは階調表現に不足があるようです。RAWファイルはもちろんまったく問題なく、Lightroom上の表示と書き出し結果もスムースなグラデーションです。

 JPEG圧縮率はかなり低くして書き出しているつもりですが、Flickrはオリジナル意外に複数サイズのファイルを生成するので、その段階の再圧縮はコントロール不能ですから仕方ありません。それを見越してうまく現像しないといけないところなのでしょうか。

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 さて閑話休題。「幟」で多重露光に再び挑戦。スカイツリー全体がフワッとなると言うより、展望台部分が玉ボケ化してしまいました。やっぱり難しいです。レンズによっても写り方環変わるんでしょうかね。先ほどは24-70mmでこれは70-200mmです。

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 超広角ズームのワイド端、15mmも使ってみました。空の高いところに星が写っていますが、位置的に言って木星かも知れません。東京でもこれだけ明るく見えます。

 広いが角を持て余して、とにかく空を入れてしまうから、画面下両端に写った構造物は全て傾いてしまいます。どうにかしたけどどうにもならない。まぁいいか。

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 なお、さっきから画面の隅に写り込んでいたトラス橋が木根川橋で、そのすぐ向こうに京成線の鉄橋があります。カメラを空に向けずほぼ水平にすると自分の影が土手の斜面に長く伸びていました。光源は遊歩道の街灯です。肉眼ではほとんど見えないのですが、草むらの緑色も含めて、写真にはわりとハッキリ写ります。

おまけ:葛飾ハープ橋


 背後に目を向けると首都高速中央環状線が走っています。緩くS字を描く葛飾ハープ橋はその珍しい姿でわりと有名です。上を走ったことは何回もあるのですが、カメラを向けるのは初めてかも。
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 2連の斜張橋で、上に書いた通り直線ではなくS字を描いているのが特徴です。これで8秒露出したので、高速道路上を走る車のヘッドライトもそれなりに線を描きました。もう少し絞って倍くらい露光時間を延ばせば完璧だったかも。

 実はこの葛飾ハープ橋含め小菅JCTあたりの首都高速中央環状線上は、隠れた東京スカイツリーの絶景ポイントです。私個人的には一押しにしても良いくらい。しかし高速道路上ですから車を停めてゆっくり見物することも叶わず、ましてや写真を撮るなんてもってのほか。目に焼き付けるだけで満足するしかありません。

使用したカメラとレンズ

 カメラはいつものPENTAX K-1です。三脚に乗せてケーブルレリーズを使い、じっくりと撮ってみました。近いし今回も車で移動したので、荷物は持ち放題。車から土手への移動くらいならたいしたことはありません。なので、レンズはF2.8トリオを全て持ち出してしまいました。

PENTAX ズームレンズ HD PENTAX-D FA24-70mm F2.8ED SDM WR 21310

PENTAX ズームレンズ HD PENTAX-D FA24-70mm F2.8ED SDM WR 21310

 あと、カメラ本体だけでなく望遠レンズの三脚座につけておくためのプレートを用意しなくては。現場でいちいち付け替えるのは非常に面倒です。それにPeak Designのプレートに合わせて、雲台側のアルカスイス化も放置したままだった...。色々小物は検討の余地がありますね。

Manfrotto 長方形プレート 200PL

Manfrotto 長方形プレート 200PL