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酔人日月抄

東京下町に暮らす写真とPENTAXとスキーと時代小説とお酒とプジョーを愛するある男の日常

首里城 〜 玉陵 〜 金城石畳道 〜 識名園 〜 栄町市場:沖縄の世界遺産を巡る旅 2017(3日目)

旅行 百名城 PENTAX K-1 DFA24-70mmF2.8ED SDM WR

 沖縄の旅 2日目からの続きです。長距離の移動が続いた2日間に続き、この日は少しスケジュールに余裕を持って那覇市内のみを回ることにしました。沖縄旅行の王道を行く「首里城跡」を含め「琉球王国のグスクおよび関連遺産群」に登録された9カ所の遺跡のうち4カ所が那覇市内にあります。これらは比較的狭いエリアに集中しているので、半日あれば全て回ることが出来ます。

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 那覇市内の移動なので、ゆいレールとかバスなどの公共交通機関を使うかどうか悩んだのですが、結局いろいろ時間的に自由が効くレンタカーを使うことにしました。首里城付近の交通状況と駐車場がやや心配ですが、何とかなるでしょう。

3日目に回った場所

 最初にこの日の目的地を地図でまとめておきます。移動経路は特に意味がないので今回は書き込んでいません。


 ホテルから首里城までは車で移動し、首里城周辺の5カ所は徒歩で移動。その後で識名園へ車で移動して見学の後、一度ホテルに戻って昼寝した後は国際通りを散歩しつつ栄町市場へ夕飯を食べに行きました。

世界遺産(その5, 6):首里城と園比屋武御嶽石門

 言わずと知れた沖縄で一番有名な観光地です。私も過去2回沖縄へやってきたときに首里城は必ず見に行っています。ということで今回で3回目。しかしここはやはり外せません。それに今回は百名城スタンプも押さなくてはなりませんし。

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 到着したのは午前9時半。この日は朝から雲一つない快晴でした。でも気持ちいい空気で暑くはありません。午前中は空いてるかと思ったら、さすがに首里城とあって既にたくさんの人がいました。

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 まずは首里城の入り口の守礼門の手前にひっそりあるのが「園比屋武御嶽石門」です。門とは言っても人が通るものではありません。この門の奥には琉球土着の信仰と結びついた聖域(=御嶽)があり、特にここは首里城近くとあって国王が拝礼した場所だそうです。

 実はこれが首里城とは別に単体で世界遺産の一つとして登録されています。元々は国宝だったそうですが、戦争で被害に遭い、一部は復元されたものだとか。世界遺産にも登録され国の重要文化財にもなっていますが、現在は国宝指定は解除されています。

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 さてその次はかの有名な守礼門です。午前中はこの通りド逆光でまともな写真は撮れませんが、記念写真ですからまぁ良いでしょう。ちなみにこの日3月4日は「三線の日」と言うこともあって、守礼門の前には三線演者のかたがたくさん集まって何かイベントをやっていました。聴いてくる時間はなかったので、演奏前の準備中の様子を見ただけですけど。

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 どんどんと中へ入っていきましょう。守礼門は木造ですが、それより奥はこうした石積みの門に変わります。これらもほとんどが修復または復元です。でも、曲線を描いた石垣とアーチ状の石門はいかにも沖縄のグスクらしい姿で格好良いですね。

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 首里城も他の城跡と同じように高い山の上にあるので、眺めが良いのは当然。那覇の市街北部の街並みが一望でき、もちろん遠くには真っ青な海が見えます。

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 首里城は正殿前の広場へ入る広福門の手前までは無料で見学できますが、その先は有料です。これまた午前中は逆光なのですが、かの有名な首里城正殿とその前の広場です。沖縄の城跡では唯一の復元建造物ではないかと思います。明らかに日本国内他の地域にある城、特に天守を持つような城とは違い、独特の風貌を持った建築物で、本丸でも天守でもなく「正殿」と呼ばれています。

 首里城も他の城跡と同様に明治期に取り壊しの危機に遭い、その後なんとか残った建物も戦争で失われてしまいました。しかし沖縄では空襲ではなく地上戦が行われたため、首里城は単に焼失しただけではなく、破壊されたと言った方が正しいのでしょう。特に首里城は日本軍が本拠地にしていたわけで、その破壊はすさまじかっただろうと想像できます。

 再建建造物だから価値がないというのではなく、そういった歴史も含めて見るべき城跡であり世界遺産なのだろうと、3度目にしてだんだん分かってきました。

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 正殿は内部が博物館となっており、見学することが出来ます。玉座(御差床)もこうして再現されています。ここを見ると完全に中国風ですが、他には床の間をしつらえた和室もあったりして、いろいろ文化的に混在しているところが面白いです。

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 再び広場出てきました。正殿を背中にしての広福門の方向を眺めてみます。中央の通路は正殿に対して真っ直ぐではなく少し角度がついているのは、風水的な何かで、悪い「気」が正殿に流れ込まないようにするためでしたっけ。

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 石積みの規模もひときわ大きくて見事な首里城ですが、よく見るとこうして新旧の石が混ざっていることが分かります。古い時代の石積みは角が丸まって風化していますが、そうではない上部の石は復元したもの。こうした境目があちこちに見られます。石垣マニアにも十分楽しめる城跡だと思います。

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 のんびり見物しているとあっという間に時間が経ってしまいました。朽ちかかっている大木はカジュマルでしょうか? 異国の雰囲気が漂うこの城は3度目でもまったく飽きが来ません。

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 百名城は北から順番に番号が振られているので、最南端の首里城は100番目です。これで沖縄県内の3つの百名城スタンプをゲットすることが出来ました。やった!

世界遺産(その7):玉陵

 首里城のお隣に初期の琉球国王達が葬られた墳墓があります。前回初めて訪れたのですが、その静かで荘厳な雰囲気は、まるでラピュタの世界のようだと感じた場所です。

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 分厚い石積みの壁の向こうへの入り口は、ひとを寄せ付けないかのように小さく作られています。高さも低く、自然と頭を下げた状態で入っていくことになります。

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 そして目の前には複雑な形をした石の建造物が。墓室への入り口が3つ並んでいて、それぞれの時代の国王とその家族が眠っているのでしょう。天辺にはそれぞれシーサーの親玉みたいな獅子像が3体並んでいて、それぞれ異なったポーズを取っています。いろいろ彫り物もあって、石が良い感じに風化していて、まさにThe 遺跡といった感じ。

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 周囲はカジュマルの林に囲まれていて、とても静かで良いところです。時間帯にも寄るかも知れませんが、首里城と違って訪れる人も少ないため、いっそう静かで雰囲気があります。

首里の古い街並みが残る金城石畳道と大アカギ

 さて、首里城へ来たら玉陵に続いて見ておきたいのが金城石畳道です。百名城ならぬ「日本の道百選」に選ばれている場所で、首里城がある山に上る歩行者専用の坂道となっています。

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 こういった感じの曲がりくねった細い路地で、石畳と石積みの壁で囲まれています。生活道路でもあるので電柱が立っているのもむしろリアルで面白いですね。

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 沖縄の道ではそこら中で見かける石敢當。道に落ちている悪い「気」を歩行者が蹴り込んでしまうのを避けるおまじないで、角地に置かれています。

 この石敢當とそれに続く瓦屋根の石壁の景色は金城石畳道の代表的な風景としてとても有名。

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 周囲にあるのは普通の民家ですので、こうして郵便配達もやってきます。郵便屋さんのバイクはこの坂道というか階段をお構いなしに、ガシガシ登って行ってしまいました。

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 この石畳道の中腹から少しそれたところに「首里金城町の大アカギ」と呼ばれる大木があります。首里城のあるこの山は赤木がたくさん生えていたそうですが、これらも戦争でほとんど焼かれてしまった中で、それを生き残った樹齢約300年の赤木の大木です。

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 周囲はひっそりとした森になっており、こうした御嶽もありました。やはり信仰の場となっているようです。

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 さて、気がついたらお腹が空いてきたので、金城石畳道の中腹にあるカフェに堪らず駆け込み、お昼御飯を食べました。頂いたのは「沖縄焼きそば」です。見ての通り、沖縄そばのあの麺を使って作った焼きそばです。いわゆるケチャップ入りではなくて、塩味ベースのうっすらソース風味の上品な焼きそばです。

 実は普段私は紅ショウガが嫌いで、焼きそばや丼ものなどについてくる紅ショウガは丁寧によけて食べるのですが、不思議と沖縄そばと沖縄焼きそばは、紅ショウガが必須だと感じてしまい、美味しく一緒に食べてしまいました。

世界遺産(その8):識名園

 首里城近辺はこのくらいにして次は車で10分ほど移動し、識名園という庭園にやってきました。沖縄(那覇)3度目にして識名園へやってきたのは初めてです。ここももちろん世界遺産の一つです。というか、今回「世界遺産」をテーマにしたことで、この観光地の存在を初めて認識しました...。

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 ここは琉球王朝の王様が作った庭園。首里城はあんなにエキゾチックなのに、この庭園はまるで日本庭園のよう。錦鯉も泳いでいますし。

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 池の水源はこの地に沸く自然の湧水。城跡でも水源地や井戸は御嶽のような信仰の対象にもなっていて、とても荘厳な雰囲気があったのですが、ここはまた格別です。日差しが差し込んだせいかもしれませんが、ここで祈りたくなる気持ちが良く分かります。「パワースポット」という安っぽい言葉しか浮かんでこない語彙力の無さがなんとももどかしいです。

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 御殿と六角堂。御殿ではちょうど結婚式が行われていました。さすがに御殿は赤い瓦屋根で沖縄風です。六角堂とそこに渡る一枚岩から切り出された石橋なんかも、どことなく中国風ですね。でも六角堂は大正時代に造られたもので、それ以前は四角い建物が建っていたとそうです。

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 結婚式が始まる前は御殿の中も自由に上がって見学できました。琉球の王様達はこんな風景を見ていたんですかね。

細い路地が複雑に絡み合う怪しげな不夜城:栄町市場

 さて、移動が少なかった割りに歩き回って疲れたので、一度ホテルに戻り休憩しました。そして日暮れのころに再び那覇の街に繰り出し、夕飯を食べることにします。この日は国際通りから15分くらい歩いたところにある栄町市場へ行ってみました。

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 その一角にある「ぱやお」というお店に入ってみます。本島南部の知念漁港にある海産物問屋が経営しているお店のようで、食材は全てそこから仕入れたものを使っています。かなり上級者向けのお店が多い栄町市場にあって、比較的初心者向きのお店で安心して入れます。ここで沖縄特産海産物を集中的に食べてみることにしました。

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 まずは「ぐるくんの唐揚げ」です。見た目から想像する以上に身がたっぷり。白身のさっぱり味で、カリカリに揚がった端っこの方をボリボリと食べていくのも美味しくて、隅々まで食べ尽くしてしまいました。

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 それから鋭い歯を持ったこいつは「タマン」というお魚。初日の夜にはこの魚をお刺身で頂きましたが、ここではバター焼きで出てきました。これで半身なのですが、ぐるくんと比べると一回りは大きいです。これもさっぱりな白身で、ほんのり香るバターの風味が良く合います。

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 お次はスクガラス豆腐。アイゴという小さな魚で作った塩辛だそうで、強烈なしょっぱさと鼻にツンとくる魚臭さがすごいです。いやいや、これはすごい! もちろん気に入りましたが、たくさん食べられるものではありません。

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 お酒はもちろん泡盛で。名前で選んだ「守禮」という銘柄を飲んでみました。味、香りともに強烈なスクガラスに負けて、ガブガブと逝けてしまいます。

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 そして最後の〆はお寿司で。この美しい白身は鯛... ではなくて「赤仁ミーバイ」です。身の白さからは想像つかない真っ赤な魚だそうで、沖縄産の海産物の中でも高級魚だとか。いや、さすがにお寿司になるだけあって、さっぱり系が多かった沖縄産の白身魚とはちょっと違って旨味がしっとりな味わい。鯛と言っても通じる美味しさでした。

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 さて、お腹いっぱいになった後は栄町市場を散策してみます。お店によっては午後10時にならないと開かないという大人の中の大人向けの世界。実際に危険はないそうですが、細くてくらくて雑然とした入り組んだ路地には、かなり妖しい雰囲気に溢れています。

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 ほら、こんな感じ。少し酔っ払った勢いで飛び込めばなんとかなりそうですが、けっこう混んでいるんですよね。しかも地元民らしい人々と観光客がごちゃ混ぜな感じがまた一層カオスな雰囲気を醸し出しています。そして「久米仙 ¥200」とか信じられないメニューが並んでいます。

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 しかし見物だけでは勿体ないし何事も経験ということで、比較的入りやすそうな立ち飲み屋さんで一杯飲んでいきました。お店の人もお客さんも超優しかったです。グラスは残波ですが中身は久米仙。

 ほろ酔いで来た道を帰っていきます。なんとか正気を保ったまま栄町を脱出できました。

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 ホテルの帰りがけに国際通りで見かけた猫さん。置物かと思ったら本物でした。目線いただきました(^^)

残りあと1日

 さて3日目もこうして無事終了。明日は最終日です。帰りの飛行機は夕方遅い便ですので、日中は一日観光できます。残り一つとなった世界遺産を見に行かなくては!(続く)

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