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酔人日月抄

東京下町に暮らす写真とPENTAXとスキーと時代小説とお酒とプジョーを愛するある男の日常

錦糸町の中華料理店「李湘潭 湘菜館」で四川よりも辛い湖南料理に挑戦する

 珍しく中華料理を食べに行ってきました。地元の錦糸町で働く友人がランチでよく行くというお店です。中華料理と言っても広い中国のこと、地方によっていろいろ特色があり、ひとくくりにすることは出来ません。一般的に中華料理は八大菜系に分類されるそうで、四川料理や広東料理は日本でも有名です。湖南料理もその八大菜系の一つで、中国西部地方で四川に近いスパイシー系の中華ですが、中華料理の中では一番辛いのが特徴だそうです。

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 私自身は辛さに特に強いわけでもなく、むしろ極端な辛さは苦手な方ですが、東南アジア系のスパイスや香草などもいけるし、火鍋とかも大好き。中華一の辛さという触れ込みには一抹の不安がありますが、ものは試しということで挑戦してみることにしました。

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 テーブルに置かれたコースターには蓮の花のマーク。湖南省の省花だそうです。そして「日本で唯一の湖南料理と米粉麺のお店」と書かれています。お店の自己申告なので本当かどうかは分かりません。少なくとも「湖南料理」を出すとされるお店は、ググれば都内にいくつか見つかりますけど。でも、この自信の表れは良いですね。期待したいと思います。なにげに箸置きが唐辛子ですし。

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 さて、乾杯はもちろん青島ビールで。この日は土曜日だったので少しだけお酒飲んで良いことにしてしまいましょう。ビールの向こうにある豆みたいなものが入ったお皿はお通しみたいなおつまみ。軽く揚げた感じのピーナッツです。止められない止まらない系ですね。

 店員さんは普通の日本人と、やや片言の中国人の方がいます。厨房とのやりとりは全て中国語。ちなみにお客さんも半分くらいは中国語。確証はありませんが、ネイティブに愛される店だとしたら、これは本物です。むしろ、日本人の私たちの口に合うかどうか心配です。

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 コースとか順番とかそういうことは考えず、メニューから気になったものを片っ端から発注していきます。とは言え、お店の方で美味いこと順番は調整してくれているようです。と言うことで最初に出てきたのはおつまみというか前菜の「卤菜(ルーツァイ)」の盛り合わせです。湖南の代表的料理の一つで、特製の香辛料や醤油で味付けしたもの。ミミガー、煮卵、厚揚げ、鳥足、中華ソーセージです。これはまだそんなに辛くありませんが、しっとりと味が染みていて、卵たソーセージみたいな馴染みのある食材でも、どこかほんのりと中華風味が口と鼻に漂います。これは青島ビールと良く合う!

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 は0,次に来たのはこれまた馴染みのある料理、というかこれって中華なの? と思ってしまうような豚の角煮。しかしもちろんタダの角煮ではなく「毛沢東が愛した角煮」と名付けられています。なにそれすごい! 毛沢東は湖南料理の角煮が好きだったとのことですが、もはや本当かどうかは知りませんし、本当でもウソでもどっちでもいい気もします。見た目は普通の角煮のようですが、これが口当たりは甘くて後からじわじわと辛さが効いてくるピリ辛風味でした。お肉自体も柔らかくてとても美味しいです。

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 そして最近巷で流行っているパクチーサラダ。これは湖南と関係があるのかどうか分かりません。でも、中華と言うよりはどことなく東南アジアの香りがする料理ですから、パクチーなどの香草類も使うのだろうと思います。生のトマトに生のパクチーを持っただけ。ドレッシングはかかっていますが、特に辛くはありませんでした。それにしてもフレッシュなパクチーでものすごく美味しいし食べやすかったです。

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 さて、なんか来ましたよ。赤い何かが大量にまぶしてあります。その名も「鯛のカマ唐辛子蒸し」です。鯛の頭付近らしく、ホジホジしていると歯がついた顎とか、目玉などが出てきますが、脂の乗った実がたっぷりついています。そして見ての通り唐辛子とパクチーがたっぷり。涙が出るような激辛ではないですが、じっくりと時間をかけてじわじわと染みてくる辛さ。でも唐辛子のかけらと一緒に食べると美味しいんですよね。

 しかし、どうやらこれでも辛さは日本人向けに調整されているらしく、本当の湖南バージョンはもっと唐辛子がかかっているそうです。このお店でも追加料金で辛さ増しが出来ます。

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 こうなってくるとやはりお酒は紹興酒でしょうか? 飲み比べセットというのがあったので、みんな(4人)で2セット頼んでみました。私はそれぞれ一口ずつ舐めてみただけ。奥から3年、5年、10年モノだそうです。それほど違いが分かりませんが、熟成期間が長くなるに従って甘さが増してるように思います。

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 さて、四川料理の代表と言えば麻婆豆腐。でももちろんこれは湖南風です。ちょっと色味が違って黄色いですね。カレー味?とか思ってしまいますが、食べてみたら紛れもなく麻婆豆腐です。ただ、四川風とは使われてるスパイスが違うそうです。舌にピリピリくる感覚がなく、ひたすら辛いです。

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 続いて代表的湖南料理、大海老の香り炒めです。代表的料理と言いつつ湖南は内陸で海はないはずなのですが。この海老は川海老なのでしょうか? 一見、優しそうな見た目ながらよく見るとこれも唐辛子が大量に混ざっています。そして黒い物体は紫蘇だそうです。パクチーも載っていてとてもスパイシーというか、まるでタイかベトナムか、そっち方面の料理のよう。

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 結局紹興酒はボトルで逝ってしまうことになりました。庶民的に3年にしておきましょう。これが一番紹興酒らしい味わいです。私はほんの一口だけ頂きました。アルコール度数は10度ですから、がぶがぶ飲まなければそんなに酔っ払いません。

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 ちょっとお酒ばかりだと何なので、チェイサーにお茶を頂きましょう。ジャスミン、ウーロンなど何種類花から選べますが、ここはプーアル茶で。大きなポットに入ってきます。ティーバッグ入りなので、お湯だけ追加してもらえます。いや、唐辛子でしびれる舌に温かいお茶はちょうど良い中和剤になります。

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 肉料理がもう少し欲しいよね、と言うことで「豚バラの唐辛子の激辛炒め」です。これも代表的湖南料理で、現地レストランにはこの豚バラ炒め専門のコックさんがいるくらいだそうです。見た目にも先ほどより大粒の唐辛子がたっぷり。肉だけつまんでもしっかりと味が染みついています。なにげに緑色の野菜も辛シシトウ?と疑いたくなってきますね。でも美味しいですよ、これ。御飯が欲しくなってきます。

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 ということで、そろそろ締めましょう。最後はこの店の名物。「濃厚汁なし担々ビーフン麺」です。これがコースターにも書いてあったいわゆる米粉麺でしょうか。汁なしと言いつつ、それなりに汁入りです。これもまたピリ辛で何とも言えない味わい。ラーメンともうどんとも違う独特の食感と味わいです。かなり満腹になっていましたがスルッと入ってしまいました。ランチメニューにもあるそうで、これは通いたくなる気持ちが分かります。

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 ここまで来たらデザートも!と思って黒糖揚げ餅を頼んでみたら、メニュー写真とは違うやつが来て、最初は「えっ?」と思ったのですが、どうやら空気が抜けて潰れてしまってるだけのようです。パリパリのえびせんのように見えて、実はしっかりしたお餅でした。味は言うなれば信玄餅みたいな感じ。黒糖蜜の甘みが口直しにぴったりです。


 ということで、辛さはかなり調整されていたので、激辛で食べられない!というようなことはなく、むしろただ辛いだけではない、とても美味しい中華を楽しむ事ができました。10辛上等みたいな辛さ好きな人には、ちゃんと辛さ増しオプションが用意されているので、それを利用すれば中華一という辛い料理が食べられると思います。ちょっと変わった中華を食べたいという人には誰にでもお勧めなお店です。