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酔人日月抄

東京下町に暮らす写真とPENTAXとスキーと時代小説とお酒とプジョーを愛するある男の日常

MacBook 12inch RetinaでPENTAX K-1のRAWファイルを現像することは出来るのか?

 1年前に買ったMacBook 12インチ Retinaは完全なサブ機であり、旅先などで撮影済みの写真を整理するために導入したモバイル機です。と言いながら、昨年中はそんなに写真を撮りに旅行に出ることはなかったし、普段持ち歩いてスタバで開き暇つぶしするようなこともしていません。家の中でゴロゴロしながら使っている時間がもっとも長かったと思います。

 なので当初からAdobeのLightroomやPhotoshopはじめメインマシンのiMacで使ってるようなアプリもほとんど入れておらず、写真を扱うときは標準の写真アプリで出来る範囲にとどめていました。

 しかし、昨年末に急に調子が悪くなったiMacは修理を繰り返すもなかなか直らず、使えない時期が長く続いています。その間は代役としてMacBookを使わざるを得なくなり、図らずもしばらくはメインマシンの代わりにすべての作業をMacBookで行うことになりました。つらい...。

DSC_5192.jpg
 貴重な体験なので、そのあたりの感想を書き留めておこうと思います。

iMac 5K壊れたまま復活せず...

 メインマシンであるiMacが壊れてなかなか直らなかった顛末は↓こちらです。
 当初このエントリーを書いたのは1月21日。3回の修理を経てようやく直った!と思っていたのですが、その後2月6日になって状況が変わり追記しました。結果的にこのiMacは復活することはなく、再び電源断の症状が再発し、もはや私の心はプッツリと切れました。

 この長々とした顛末の間、仕方なく通常作業にはMacBook 12インチ(Early 2015)をずっと使っていました。ほんの短い間のピンチヒッターのつもりでしたが、12月から1月にかけては半分ほどの時間はこのMacBookだけを使い続け、そしてさらにこれからしばらくその状態は続きそうです。

 そうしているうちに、もしかしたらパソコンなんてこれだけで良いんじゃない?と悟りを開きつつある気分です。実際のところWEBを見るとか、ブログを書くとか、大抵のことはこの小さなモバイル機でも事足りています。しかし一番の問題はRAWファイル現像。あらゆる面でリソースを必要とするこの作業は、さすがにこの小さなマシンでは辛そう。逆に言えば、これさえ問題なく出来るなら、本当にMacBook一台で生きていけるかも知れません。

マイMacBookの基本スペック

 私が持っているMacBook 12inch Retinaは初代(Ealry 2015)モデルで、CTOでCPUをクロック周波数1.3GHzにアップグレードしてあります。内蔵SSDは256GB、ボディカラーはスペースグレーです。
 購入した経緯はこの約1年前のエントリーのとおりで、iPad Airの代わりという意味合いが半分ありました。なので処理速度などよりも軽さを重視してMacBookを選びました。

 さて、今更ですが主要な構成パーツについて少しおさらいしておきましょう。

スクリーンショット 2017-01-16 21.11.41.jpg
 基本スペックをすごく大雑把にまとめると↑このシステム情報のとおりです。

CPU/GPU

 性能について語るとき、最も気になるのはCPUとGPUです。Early 2015にはBroadwell世代(第5世代)のモバイル用デュアルコアCPU Core-Mが搭載されています。Atom系のプロセッサと勘違いされることがありますが、そうではありません。

 MacBookはMacシリーズの中では最も非力なのは確かですが、それでもCPUについては同世代のMacBook Air 11インチと比較できる(そして少し負ける)くらいの性能は持っています。ただし内蔵GPUの性能についてはかなり心許なく、MacBook Airにも遙かに及ばないその描画性能はやや辛いところ。まぁ、RAW現像にどのくらいGPUが寄与してるか、良くわからないのですが。

 MacBook 12インチの2016年モデルはSkylake世代(第6世代)になり、同クロックの2015モデルに比べるとCPUもGPUも20%ほど処理速度が向上しているそうです。うらやましい...

RAM

 メモリーはDDR3Lで8GB搭載されています。スピードはともかく問題は容量。写真をゴリゴリ扱うには16GBあれば安心。しかし実際のところ、同時起動するアプリケーションに気をつければ、8GBで絶対不足するかと言えばそんなこともなく、とりあえず大抵のことは出来ると思います。

 DDR3 1600MHzという速度に関しては、今となっては普通の凡庸な規格ですが、即座に実感できるものでもなく、これもまた不足するということはないと思います。

SSD

 内蔵のストレージはSSDなのは当然として、接続規格はSATAではなくPCIe 2.0 x4レーン接続となっているので、速度面での心配はありません。実際、簡単なベンチマークをやってみると、リードで700MB/s、ライトで450MB/sくらいの速度が出ることが確認できます。

 もちろん新型の2016モデルはPCIe 3.0 x2レーンとなりさらに速くなっていますし、最新のMacBook Proに至ってはリードで2GB/sを超えるという状況で、昔のDDR400に迫る転送速度を持っていたりするそうです。うらやましい...。

ディスプレイ

 12インチのRetinaディスプレイは、物理的に2304x1440ピクセルの解像度を持っており、そこに疑似的に 1440x900 または 1280x800 または 1024x640 ピクセルの解像度で描画されます。後述するようにこの画面解像度はかなり気になる部分です。

 色域はsRGBしかカバーしていませんが、よく調整されており、色味や再現性はまぁまぁ信頼がおけます。これはiMacでも同様で、同じ写真をiMacとMacBookで扱ってもまったく違和感がありません。

重量はたったの0.92kg

 なお、MacBookの最大の特徴はもちろん「軽さ」です。美しいRetinaディスプレイを持ちながら、重量は1kgを切る0.92kgとなっています。

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 この軽さに加え、ここまで見てきたように、MacBook 12インチは明らかにモバイル用途のパソコンであって、LightroomやPhotoshopをゴリゴリ動かすためのものではありません。ですが、冒頭にも書いたとおり、iMacが使えない状況が長引き、やらざるを得ない状況に追い込まれたのでやってみました。

処理速度はギリギリ及第点

 私の場合、Lightroomを使うときの大雑把なワークフローは以下のようになっています。

  1. SDカードからファイルを内蔵SSDにコピー
  2. Lightroomのカタログに読み込み、その際同時にレンズ補正とカメラキャリブレーションのプロファイルを適用する。場合によっては同時に1:1プレビューを作成。
  3. ライブラリモードで1枚ずつ確認しながら、フラグとレートを付けていって選別する。その際100〜200%程度に拡大することもあり。
  4. 選別して残った写真のみ現像モードで現像、調整およびレタッチを行う。その際「基本補正」は当然ながら、場合に応じて「ブラシ/フィルター各種」「トーンカーブ」「色補正」「ディテール」「変形」「かすみの除去」を使用する。場合によっては現像設定をコピーし、他のカットに一括適用することもある。
  5. 場合によって、Photoshop CCへ送り、より手の込んだレタッチ作業などを行う。
  6. 全て終了したらJPEGファイルまたはFlickrへ書き出しする。

 36MピクセルのK-1のRAWファイルは1枚当たり約45MBあり、それを扱うからには上記のどの処理も結構重たく、iMacでもかなり待たされることもあります。そこでiMac 5K(Late 2014の特盛り)とMacBook 12インチ(Early 2015のCPU盛り)でどの程度パフォーマンス差があるか、簡単に測ってみました。

 比較してみたのは上のワークフローで言うところの「2.」と「6.」に相当する部分で、具体的には以下の作業です。

  • K-1で撮影したDNG形式のRAWファイル10枚の1:1プレビューを作成する。
  • K-1で撮影したDNG形式のRAWファイル10枚をJPEGファイルに書き出し。その際約3Mピクセルに縮小しスクリーンシャープネスをかける。

 同じファイルに対し上記の作業が終了するまでの時間を計ってみました。

作業内容  MacBook(CoreM 1.3GHz/8GB) iMac 5K(Core i7 4.0GHz/32GB)
1:1プレビュー作成  58秒 32秒
JPEG縮小書き出し  56秒 35秒

 思ったよりは差がなくて、MacBookはiMacのおよそ倍の時間がかかる、という程度です。どちらもディスクへの書き込みが支配的なのでしょうか?いずれにせよ「その程度」と取るか「そんなに違う」と取るかは人によるかもしれません。

 私的には、もともと期待していなかったせいか「やればできるな...」というのが正直な感想です。ライブラリから現像へモード切り替えるのがかなりもたつきますが、一度現像モードに入ってしまえば、基本補正を弄るのはそこそこ普通に出来ます。スライダーを動かして、その効果を見ながらああでもない、こうでもない、とやることは十分に実用になりました。

 ただ、現像作業の中で一番重たいのが「ブラシ」です。特に、センサーに付いたゴミなどを消すために使う、スポット修正は、iMacでもファンが全開になることがあるほどCPUなどに負荷をかけているようで、MacBookではプレビューの反応も非常に鈍く、複雑な修正はちょっと無理な感じでした。

 しかしその他の処理については、いずれもワンテンポかツーテンポ遅れを感じるものの、お茶を飲みながら心安らかに見守る気持ちでいれば、思ったよりは実用的な速度で動くな、と感じました。

一番のネックは画面解像度

 しかし、一番ストレスを感じたのは「速度」よりも「画面の狭さ」です。iMac 5Kの大きな画面サイズと高解像度に慣れていることもあって、MacBookの小さな画面サイズと低い解像度には本当に閉口します。

スクリーンショット 2017-01-14 20.43.07.jpg
 デフォルトで選択できる最大解像度の1440x900ピクセルに設定した状態で、Lightroomのライブラリ画面をフルスクリーンモードで表示するとこんな感じになります。中央のサムネイルや下のフィルムストリップ表示の1コマの大きさは調整可能ですが、あまり小さくしても意味はありません。実用可能なサイズに調整すると、今度は一覧性が悪化するというジレンマに陥ります。

スクリーンショット 2017-01-16 20.51.59.jpg
 一方で、iMac 5Kは標準の2560x1440ピクセルでフルスクリーンにせず、メニューバーやドックが見える状態で使っていても、こうなります。必要ならフルスクリーンにしたり、解像度を一段上げて2880x1600ピクセルにしたりすれば、さらに広大になります。やっぱりこうでなくては!

 この情報量と一覧性の良さに慣れてしまうと、なかなかこれより小さくて低解像度のディスプレイを使うは苦痛に感じます。

スクリーンショット 2017-01-14 20.45.09.jpg
 Lightroomは一応、低解像度ディスプレイへの対応も考えられていて、上下左右の各種ペーンを隠しておくことも出来ます。ライブラリの一覧はともかく、現像時は↑こうしないと役に立ちません。この例では右側の現像パレットだけ残して、上下と左ペーンは隠し、中央の現像対象の画像に出来るだけ広い面積を割り当てるようにしています。

 ここまでやれば何とかなりますが、細部の確認のために拡大すると、ワンテンポ反応が遅れたりして、イライラが募っていきます。あとは、やはり全体の見通しが悪く、今どのモードにいるのか、前後のカットがどうなっているのかを確認するには、いちいち隠した部分にカーソルを持って行って再表示させる必要が出てきます。これが意外に作業効率を落としています。

 外部ディスプレイを接続すれば解決する? う~ん... そういう使い方するパソコンじゃないんですよね、MacBookって。

まとめ

 ということで、今はもうこのMacBookだけが頼りです。RAW現像以外に日常やることと言えば、ただWEBを見るとか、Twitterのタイムラインを追いかけるとか、Youtubeで動画をを見るとか、メールを読み書きするとかですが、その辺は普通に使えます。仮想マシンでWindowsを動かすのはRAW現像並みにストレスたまりますが、今はもうWindowsを動かす必要はないので、やらなければ良いだけ。

 机の上も広々するし視線移動も少なくて済むし、何ならお布団の中にも持ち込めるし、出先にもメインマシンを持ち出せる、というのは意外にいいこと尽くめな気がしてきました。そう思い込んでしばらく乗り切ろうと多います。

 モデルチェンジされずに古くなった2015年モデルのiMacを新たに買うとか、すこぶる評判の悪い2016年モデルのMacBook Proにするとか、メイン機の後継はどうするべきか選択肢を考えているのですが、どうにも気が乗りません。大きな買い物は本来ウキウキと楽しいはずなのに。まぁ、気が向いたときに気が向いたようにポチると思いますが...。