酔人日月抄

東京下町に暮らす写真とPENTAXとスキーと時代小説とお酒とプジョーを愛するある男の日常

【未解決】年末年始休暇は動かないiMacと格闘する

 iMacが不調です。11月から時々謎の予期せぬシャットダウンを繰り返していたのですが、その症状がどうしても治まる気配がありません。5年前までは自作PCを趣味の一つとしていたからには、この手の問題の切り分けと対策は慣れているつもりでしたが、今まで出会ったどんなに手強い不安定PCよりもなによりも、最もタチが悪く原因が掴めないトラブルに相当参っています。

 色々な経緯があって、この1ヶ月ほどの間に2回も修理に出しているのですが、いずれもAppleでは現象は再現しないということで、根本解決には至っていません。しかし見込みでほとんどの主要部品は交換されたというのに、相変わらず問題は残ったまま。いや、むしろ悪化しているといった方が良いかも。

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 めでたくも年が明けた2017年元旦時点でも実は何一つ解決していないのですが、途中経過としてこれまでの経緯をまとめておきたいと思います。

これまでの経緯

 問題のiMacとは2015年の9月に購入したiMac Retina 5K Late 2014の特盛り仕様です。購入の経緯から1回目の修理に出して戻ってくるまでの顛末は以下ののエントリーにざっとまとめてあります。

 ただし、今読み直すとちょっと分かりにくい上に、後日談もあって色々状況が変わっているので、箇条書きで再度これまでの経緯をまとめておきたいと思います。

  • 2015年9月:Apple Online StoreからiMac 5K Late 2014のフルカスタマイズ仕様を購入
  • 2016年7月:画面の右隅にシミが出てきたので液晶パネルを交換してもらう。同時にロジックボードも交換される
  • 11月中旬:いきなり予期せぬシャットダウンが発生するようになる
  • 11月下旬:修理に出したものの現象再現せず。念のため電源ユニットが交換される(上記過去記事参照)
  • 12月中旬:予期せぬシャットダウン再発
  • 12月21日:再度Appleへ修理に出す
  • 12月28日:やはりAppleでは現象は再現せず。今度はロジックボードが交換されて戻ってくる
  • 現 在:むしろ状況は悪化し5分に1回は電源が勝手に落ちる ←イマココ!

 ということで、7月の液晶交換に始まり、11月から12月にかけては電源とロジックボードも交換したことで、筐体以外の主要部品はほぼ全て交換されたことになります。ここまで来ればハードウェアの問題だったら直ってないとおかしい、と誰もが思うでしょう。私ももちろんそう思っていました。

呪われたiMac

 しかしここまでしても問題は再び起こります。12月28日に戻ってきたiMacに、必要なソフトウェア類をインストールして環境を再び整え、ほぼ通常運用再開!と思った29日、目の前に広がる27インチの美しいRetinaディスプレイは、またもや何の予告もなくスッとブラックアウトしました。

 と、発狂したのもつかの間、こうなると怒りをぶつけるべきは誰なのか?真剣に考えなくてはなりません。

 冷静に考えて、これは我が家の何かが悪いとしか思えません。だってiMacは電源とロジックボードが新品になってるのだから。あとは私が入れたソフトウェアが何かひどく相性が悪いやつがいるか、そもそも我が家に届いている電源自体に何か問題があるのか? 私が根本的に間違った使い方をしているのか? と言ったところです。

問題の切り分け作業

 ということで、自力で問題の原因を追及することにしてみました。

どんな現象なのか?

 まずは「予期せぬシャットダウン」というのがどういう状態なのか、動画に撮ってみました。当初は発生頻度が低かったので、動画に撮ることなど無理だったのですが、2回目の修理後、現時点では5分も動かせば必ず電源が落ちるので、動画も撮り放題です。

 ↓こんな感じです。この3分足らずの動画撮影中に、実に3回も「予期せぬシャットダウン」が発生しています。ちなみにiMacにはEthernetのケーブルが刺さっているだけで、USBポートには何も繋げていません。

 1回目はOS起動後にApp StoreからApple純正のiMovieをダウンロードしようとして、アカウント情報を入力し、二段階認証のコードをキーボードから入力中に不意に落ちてしまいます。2回目は再起動後、ログインしようとした瞬間。3回目はとうとうログイン画面まで到達する前に落ちてしまうと言う状態。落ちるときは何の前触れも、何の音もせず、スッと画面が消えるだけ。なので、一瞬単にディスプレイだけがスリープしたんじゃないか?と思えてきます。

 ですが、実際にこの時点ではUSB端子の信号もバスパワーも途切れているし、他のPCから見てもネットワーク上から消えていなくなってるので、電源が完全に落ちている状態。そして動画にある通り、そのまま電源ボタンを押すだけでは復帰せず、いちどプラグを抜いて、刺し直すという手順(=SMCリセット)が必要となっています。

ソフトウェアの問題? → No!

 当初からソフトウェアの問題である可能性は捨てきれずにいました。私が必ずインストールして使用していたアプリと言えば、ブラウザがFirefox、ウイルス対策にBitdefender、日本語入力のATOKに、写真を扱うためのAdobe CC、そしてMicrosoft Office 2016と言ったあたり。テキストエディタのCotEditorや、TwitterクライアントのTweetbotなどもインストールしています。あ、あとはWindowsを動かすためのVMware Fusionもあったりして、怪しそうと言えば怪しげなアプリがないではありません。

 アンインストールするだけでは、ゴミが残ったりしてややこしくなると思ったので、再度OSから再インストールすることにしました。すると... なんとOSのインストール中に落ちてしまうようになりました。アプリ類を入れる遙か前なので、上に挙げたアプリ類はまったく関係ないと言うことになります。

 実際に上に貼った現象再現の動画は、アプリ類を何も入れていない、OSクリーンインストール直後の状態で撮影しています。

 また、macOSの最新版Sierraのせいかもしれないと言うことで、このiMac出荷時にインストールされていたYosemiteに戻したり、一つ前のEl Capitanを入れてみたりしましたが、現象発生にまったく差はなく、OSのせいでもない、と結論づけました。

【追記】
 なおセーフブートも試してみましたが、やはりダメです。セーフブートはカーネル機能が必要最小限に制限され、キャッシュの類いが全て破棄され、ディスクの修復も自動的に行われて、GPUもほとんど使われなくなります。

 ここまで来ると、やはり問題点はハードウェアか電源にあると推測できます。

こういうのはメモリーでしょ? → No!

 こういうパソコンの意味不明な挙動でまず疑うべきはメモリーです。今はどうなのか分かりませんが、自作PCの世界ではメモリーの相性問題というのは基本中の基本。iMac 27インチは現行Mac製品のなかで唯一、ユーザーによるメモリーの交換と増設がサポートされています。

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 筐体後部の蓋を開けると、こうしてメモリースロットが表れます。iMac 5K Late 2014が対応しているのはDDR3-1600のSO-DIMMで、8GBx4=32GBまで。しかしなぜかApple自身は増設用のメモリーモジュールを販売しておらず、特に互換リストも公表していません。

 しかしメモリーの増設および交換は、こうして確実にサポートされています。なので、仕様さえ適合していれば、自分で交換した場合でもちゃんと保証対象になります。もちろん、不具合の原因がメモリーモジュール自身にある場合は別です。

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 で、私はこのiMac 5K Late 2014に適合するメモリーモジュールを3種類持っています。この写真の一番左端は、購入時に装着されていた4GBのモジュールで2枚あります。チップと基板はMicron製。真ん中はCFDが販売しているMicronのコンシューマーブランドcrucial製の8GBモジュールで計2枚あります。チップはやはりMicronのもの。右端はSDカードでおなじみのTranscend製の8GBモジュール。チップはHynixです。

 いつもはTranscendの8GBを4枚挿して32GBで使用していました。問題がメモリーの故障、あるいは相性問題の可能性が考えられるので、出荷時装着品に戻すのはもちろん、4つあるスロットの場所を変えてみたり、1枚だけにしてみたり、手持ちのメモリーモジュールで色々な組みあわせを試してみました。

 ですが、いずれも結果は変わらず。相変わらず予期せぬシャットダウンは発生します。

 ちなみにもちろんiMacのH/Wテスト(Apple Diagnostic)はやってみましたが全て問題なくパスします。

 ということで、メモリーの問題ではないと結論づけました。

もしかして内蔵SSD? → No!

 次に、恐らくこれまでに交換されていない部品として考えられるのが内蔵SSDです。CTOで1TBのSSDを選択しており、ハードディスクは搭載していません。iMacにはPCI Express接続の汎用SSDモジュールが使われているらしく、恐らくロジックボードを交換したと言っても、SSDのユニットまでは交換されていないはず。これ、高いですからね。なので、もしかしたらこのSSDがなにか不調を来たし、トラブルの原因になってるのかも?

 ということで、内蔵SSDはフォーマットし、USB接続した外付けHDDにOSをネットワーク経由でインストールして、起動はそちらから行うようにしてみました。

 しかし結果は変わらず。インストール中に落ちるのも相変わらずですし、なんとかインストール完了したところで、やっぱり動作は不安定で予期せぬシャットダウンは多発します。

 なので、内蔵SSDが壊れてるということもなさそう、と判断して良さそうです。

Wi-FiまたはBluetoothの問題? → No!

 次に疑ったのはなにか無線関係で変なことが起きているのではないか?ということです。いや、具体的にそういう可能性があるのかどうか分かりませんが、出来ることは全て試してみるしかありません。

 上に貼った問題発生時の動画を見て貰うと分かる通り、3回のうち2回はキーボードを叩いた直後に問題が起きています。なので、もしかしたらBluetooth接続の入力機器のせいかも?ということで、別のWindows PCに繋がっている有線USB接続のキーボードとマウスに付け替え、起動後にBluetooth自体をオフにしてみました。

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 が、やっぱりダメ。電源はすぐに落ちてしまいます。

 次に、もしかしたら落ちるタイミングは何かネットワーク経由で通信をした瞬間かも?と思い、EthernetもWi-Fiもオフにして通信を遮断してみました。今時のパソコンはネットワークにぶら下がっていないと、途端に出来ることが限られてしまいますが、それでもシステム設定を開いたりして意味なく操作をしていると、やはり間もなくしてストンと電源は落ちてしまいます。

 ということで、無線関係の問題でもなさそうです。

我が家のAC電源がおかしい? → うーん...

 これもまた当初から疑っていて、しかし対応の難しさから後回しにしていた問題です。我が家のコンセントに供給されているAC100Vに何か問題があって、そもそもiMacの動作範囲外になっているのではないかという疑惑です。これまでの経緯、特に我が家では頻発するのにAppleでは確認できないと言う事実は、この問題を強く示唆していると思われます。

 ただし、この問題は検証するのが非常に難しいです。念のため自分で出来ることをまずはやってみました。まず一つ目は、Apple Careの担当者にも電話で言われたのですが「違うコンセントを試してみる」です。

 今までは4口タップからiMacの電源は取っていたのですが、タップを介さずに直接壁のコンセントに挿してみるのはもちろん、別の部屋に運んで、挿せそうなコンセントは壁直であろうとタップ経由であろうと、全て試してみました。が、どこに挿してもやはり5分と持たずiMacの電源は落ちてしまいます。

 となると、我が家に供給されている大元がおかしい? これはさらに検証が難しい問題です。が、簡易式なれども測定器を導入してみました。

サンワサプライ ワットチェッカーplus 10種類測定可能 検電器 TAP-TST7

サンワサプライ ワットチェッカーplus 10種類測定可能 検電器 TAP-TST7

 これです。コンセントとプラグの間に挟んで、消費電力や電圧などを測定できる簡易計測器。一応、製品仕様として精度は電圧で±1%(max)、電力は±2%(max)、周波数は±2%(max)となっています。問題がないことを確認すると言うよりは、電圧が低すぎるなどの明らかな問題があるなら、この程度の機器でも何か傾向が見えるのでは?という目論見です。

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 結果、電圧は少し高めの約103V。測定精度のスペックを信用するなら、ワーストケースを考えても特に問題はなさそうです。

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 ちなみにiMac起動時の消費電力は概ね80W前後で、瞬間的に100Wを超えることもあれば、落ち着くと40W台まで落ちたりします。CPU等の負荷によって消費電力が変動するのはパソコンですから当たり前ですが、このワットチェッカーで見える限り、異常な数値に跳ね上がったりすることはありません。なお、電源が勝手に落ちる瞬間も、特に数値に異変はないまま、ストンとゼロになります。

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 このワットチェッカーはその他にも色々な測定モードがあります。例えば電源周波数。関東ですから50Hz圏内なわけですが、測定値は49.9Hzと出ました。東京電力の仕様としては±0.2Hzに抑えているそうです。いずれにしても電源周波数は発電および送電側の問題であって、ローカルに変動するものではないと思いますので、あまり気にするところではなさそう。その他力率とか色々見てみましたが、異常発生時含め特に数値に変なところは見当たりません。

 もちろん、こんな適当な測定器では分からないことがたくさんあるのだろうと思いますが、少なくとも電圧が低すぎるとか変動がやけに大きいなどの、目立った異常はありませんでした。それに、我が家にある他の家電製品はこの間も何事もなく動作しており、動かないのはiMacだけ。Windowsが動いているデスクトップPCが他に1台ありますが、そいつもまったく問題ないのです。先日導入したNASやルーター、光モデムの類いや、エアコン等々生活家電も然り、極めて快調です。

 iMacが最も電源に質にシビアなのであれば仕方ありませんが、今のところ我が家の電源事情に何か明らかな問題があるとは思えない状況です。ただ、確実ではないので結論は保留しておきます。

まさかケーブル? → うーん...

 これらの検証をした上で、大晦日にApple Careの担当者と三度電話で話してみました。そこで提案されたのが、電源ケーブルの交換です。

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 これです、これ。Appleに2回ほど修理に出した際も、このケーブルは送っていません。つまりAppleの検証環境と我が家の間で差異のある部品と言えば、この電源ケーブルだけなのです。薄々疑ってはいたのですが、Apple Careのお兄さんも「そうなると最後の手段として...」と、このケーブルの交換を提案してきました。

 ただ、このケーブル、Appleらしくデザインされてるとはいえ、差し込み口は3ピン台形の汎用電源コネクタ形状なのです。なので、別のケーブルで試したりしたのですが、特に変化は見られませんでした。そのこととともに「Appleさんのことだから、このケーブルもただのケーブルじゃなくて何か入ってるんですか?」とジャブを打ってみたのですが、答えははぐらかされてしまいました。

 とにかく新しいケーブルを送るので、それで試してみてくれと。お正月休みにかかっているので、届くまでしばらく時間がかかりそうですが、今はその新しいケーブル待ちです。

 こんなことでは多分直らないだろうな、と予測しつつ、その次の展開を考えています。ここまで来たからには「製品に問題はありません」と突き放されるのか、もしかしたら交換した電源ユニットがたまたま運悪く同じ問題を抱えていたものだった可能性もあるので、再度電源ユニットを交換してもらうか...

 進展があったらまた報告いたします。できれば次は【解決!】とタイトルを付けたいものです。

入ってて良かったApple Care

 それにしても、今回こんな面倒な問題に巻き込まれつつも、Apple Careに入ってて良かった!と心の底から思っています。iMacは持ち運ぶものではないので、落としたりして壊す可能性は少ないのですが、高額商品なので思い切ってApple Careに入っておいたのですが、それにかなり救われました。11月の問題発生時は既に通常保証の1年を過ぎていますので、もしApple Careに入っていなければ、ここまでのサポートは受けられなかったはず。

 見込み部品交換のたびに何万円もの修理代を払った上に、直らなかったりしたら発狂してしまいます。それだったらすっぱりあきらめて新しいのを買った方が良いとなりますが、高額なパソコンが、いくら保証期間が1年だからといって、本当に1年しか使えないとしたら困ってしまいます。昔のタイマー入りと囁かれたメーカー製品でもあるまいし。

 仮に今回の問題が結局iMac固有の問題だったとして、そもそもこんな問題を起こすような品質の製品が悪いと言えば、その通りなのですが、私にとってはもはやWindowsを使うという選択肢はゼロなので仕方ありません。とことんまで付き合っていきたいと思います。