酔人日月抄

東京下町に暮らす写真とPENTAXとスキーと時代小説とお酒とプジョーを愛するある男の日常

猛暑の最盛期を前に飯田屋で「どぜう鍋」を食べて夏バテ防止!

 夏バテ防止に食べたくなるものと言えば筆頭は「鰻」ですが、東京下町育ちの私にとっては「どぜう鍋」も夏の食べ物のひとつ。鰻同様に格別夏が旬と言うわけではないのですが、なんとなく「元気が出て夏バテを防止する」的な感じがして、これまでにも主に暑い時期に食べていた記憶があります。

 さて、江戸発祥の食べ物である「どぜう鍋」ですが、今となってはお店も減ってきました。東京の三大どぜう屋さんと言えば、浅草の「駒形どぜう」、合羽橋の「飯田屋」、そして高橋の「伊せ喜」と言われてきましたが、「伊せ喜」は数年前に廃業してしまい跡地にはマンションが建っています。深川育ちなので一番馴染みがある「伊せ喜」がなくなってしまったのは残念でなりません。

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 さてそんな中、今年も暑くなってきたので久しぶりに「どぜう屋」へ行ってみることにしたわけですが、実は三大「どぜう屋」でなぜか私が行ったことなかったのが「飯田屋」です。「伊せ喜」なき今、新規開拓しなきゃということで飯田屋へ行ってきました。

どぜう飯田屋

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 ということでやってきました飯田屋へ。浅草の西はずれ、ビューホテルの近くにあります。暖簾には「合羽橋」と書いてあります。なるほど、浅草というよりはこの辺は合羽橋なのね。
 建物は和風で結構巨大です。猛暑となった土曜日、開店時間の午前11時半に入店します。私たちは一応予約しておいたのですが、予約なしでも入れそうな感じでした。

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 店内は一階と二階がありますが、どちらも座敷席です。私たちは二階に通されました。開店直後なのでこの写真ではまだガラガラですが、お昼を過ぎるころにはほぼ満席になりました。

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 店内は清潔で涼しくてとても居心地良いです。そして店員さんもとても愛想が良くて親切。ツンデレがすごかった「伊せ喜」とは同じ東京のどぜう鍋屋と言っても、大分文化が違うようです。

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 お昼ですが休日ですから飲んでしまいましょう。まずはとりあえずのビールで。ここまでくるとアサヒのお膝元意識は薄れて、サッポロが入ってるようです。

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 この写真を見て「グロい!」と思われたならスミマセン。

 どぜう鍋大好きな私からすれば「美味しそう!」と感じるビジュアルなのですが、美味しいもの食べた自慢しなきゃとFacebookにアップしたら「グロい」というコメントがつきました。なるほど、そういえばそうかも。

 これは「どぜう鍋」の最も基本形で「まる」と呼ばれてるもの。ドジョウは一切加工せず(骨も内臓もとらず)そのまま煮込まれています。それがこうして薄い鍋に敷き詰められて出てくるのは、どこで食べても同じです。

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 「まる」はちょっとなぁ... と言う人のために、こちらは頭を落とし、内蔵と骨を取り除いて開いた状態で出てくるもので、一般に「ぬき」と呼ばれている鍋。真ん中に載っているのはドジョウの卵です。捌いたときに出てきたのでしょう。

 なお「まる」のほうも卵を抱えたメスが使われていますが、「まる」なのでドジョウの体内に収まったままです。

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 どぜう鍋は、上にねぎをたっぷり載せて引き続きテーブル上の小さなガスコンロで煮込みます。食べ方は自由ですが、ねぎがシナシナになった頃がちょうど食べごろ。

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 ねぎは無料でついてきますが、有料オプションとなっているのが、ごぼうです。「ぬき」はドジョウの下にもごぼうが敷いてありますが、上からねぎとともにたっぷり盛るととても美味しくなります。

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 しばらく放置しておくと、山盛りの葱とゴボウもすっかり鍋に溶け込みます。こうなると本当に美味しいです。
 
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 で、やっぱり「どぜう」には日本酒が良く合います。これは福島の純米酒、笹の川。夏バテ防止とか言いながら、つい日本酒を飲みすぎて余計に体力を奪われるという本末転倒が良く起こります。どぜう鍋恐るべし。

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 どぜう屋さんで食べられるドジョウ料理は鍋だけではありません。これは「蒲焼」。蒲焼と言えば鰻を思い出しますが、見た目はまさに鰻の蒲焼のミニ版です。小さいので3尾まとめてくしに刺さって出てきます。

 ドジョウは鰻ほど身がなくて脂も少ないのか、結構あっさりしています。いやいや、ますます日本酒が進んでします...

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 続いて柳川。どぜうの卵とじみたいなやつ。これもどぜうの定番料理です。

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 で、お酒は止まらずいつの間にかぬる燗の徳利がテーブルに並んでいました。これはまずい... じゃなくて、これは美味い!

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 で、これはドジョウではなくて鰻の白焼き。飯田屋ではドジョウ料理以外に「うな重」なんかも食べられます。

 で、この白焼き。尋常じゃない量のわさびがついてきますが、これをたっぷりと白焼きに塗って頂きます。すると鰻の脂でわさびの辛さが中和され、わさびの風味だけがほんのりと残り、あとは蒲焼とは違って上品な、いかにも白身魚らしい食感に、なんともいえない旨味が広がります。

 久しぶりに食べたせいかもしれませんが、この白焼きは本当に美味しかったです。

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 で、最後はこれ。「どぜう唐揚げ」です。いやいや、これははじめて食べたかも。止められない止まらないスナック感覚です。そしてどぜう唐揚げの下に山盛りになっているゴボウ揚げがまた旨いのなんのって、これはお皿に山盛りあったらそれだけでお酒が進みます。日本酒でもビールでも焼酎でもなんでもいけてしまいそう。

 初めての飯田屋はとにかく居心地が良くて美味しかったです。ここはもしかしたら駒形より良いかも。また是非訪れたいです!

おまけ:浅草ホッピー通り

 浅草のB級スポットにして超有名な観光地。伝法院と六区に挟まれた通り沿いには、ずらっと居酒屋さんが並んでいます。しかもどこもかしこも真っ昼間から営業しているのです。ここは通称「ホッピー通り」と呼ばれたり「煮込み通り」と呼ばれたりしますが、正式名称は分かりません。外国人観光客も沢山いて、人力車もやってくる、人気観光スポットです。「聖なるものの横には俗がある」とはタモリの言葉ですが、浅草寺、浅草神社、伝法院に対する六区と煮込み通りはまさにそんな関係にありそう。

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 ということで、飯田屋の後にはどうしてもここを避けて通ることが出来ません。そして名物の煮込みを頂きます。これは煮込み通りの北はずれにある有名店、「正ちゃん」の煮込みです。

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 しかし当然「煮込み」と言ってもお店によって色々。こちらは「たぬき」の煮込み。

 えぇ、二軒はしごしましたとも(A^^;

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 「正ちゃん」では白ホッピーを頂きました。中が多すぎです。しかも暑いので氷がすぐに溶けてなくなってしまいました。

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 「たぬき」の店内。この通り沿いではわりと大きいお店と言えます。本当は外に並んだオープンエアな席がメインですが、一杯だったので店内のカウンターに座りました。こういう大衆居酒屋な光景を眺めながら煮込みを突くのも良いですね。

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 ということで、休日昼下がりの煮込み通りは変わらずカオスで活気がありました。

 ここには本当にいろいろな思い出があります。大抵ロクなことではないのですが。そんなことをシミジミ思い出しながらほどほどに切り上げ、まだ明るいうちに散歩して帰りました。大人になったものです(A^^;