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酔人日月抄

東京下町に暮らす写真とPENTAXとスキーと時代小説とお酒とプジョーを愛するある男の日常

ニセコ2016(後編):ウォーターフォールゲートを開拓する

スキー 旅行

 ニセコ2016(前編)からの続きです。バックボウルに打ちのめされたあと、アンヌプリスキー場から花園リゾートへ帰る途中で、ガイドさんに新しいゲート外のエリアを教えてもらいました。それが9番ゲート、通称ウォーターフォールと呼ばれるゲートから出たエリアです。今まで気になっていたものの、やはりよく知らないままでは踏み出せないでいたゲートです。

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 しかし一度教わってしまえばこっちのもの。ここが非常に楽しい場所でした。残りの滞在日程3日間は、ほぼこのウォーターフォールで遊びまくっていました。

 その前にお天気の話です。今回ニセコに滞在した5日間のうち、スッキリ晴れて青空が見られたのは到着日の日中のみ。その後の4日間はずっと雪が降り続いていました。それも低気圧などによるものではなく、従って風も穏やかでしんしんと降り積もる雪。なので、山頂までリフトが止まることもなく、ゲートがクローズされることもありません。夜の間に降り続く雪で、滑走痕は全て埋まり、翌朝にはフカフカにリセットされているという、素晴らしいコンディションの毎日でした。

羊蹄山

 まずは初日に見えた、ニセコから眺める羊蹄山の姿を貼っておきます。半日かぎりでしたが、過去も含めてこんなに綺麗な姿が見られたのは久しぶりです。

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 グラン・ヒラフでは最も麓寄りのファミリーゲレンデベースから。短いペアリフトがかかっているだけの盲腸のようなゲレンデですが、周辺に建ち並ぶホテルやコンドミニアムからアクセスが良いので、結構沢山の人がいます。羊蹄山には少し雲がかかってきました。

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 ヒラフゴンドラと並び幹線リフト、センターフォーを登り切ったあたりから。麓から見上げるよりも心なしか羊蹄山は大きく見えます。

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 さらに登って、グラン・ヒラフと花園の連絡路あたり。ここまで来ると羊蹄山の裾野まで見渡すことが出来ます。典型的な富士山型の美しい山です。

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 花園エリアからは羊蹄山は山陰に隠れがち。でもストロベリーからはアンヌプリの裾野の向こうにその姿を見せます。こっち側は既に日陰ですが羊蹄山には夕日が当たります。

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 日が沈むと羊蹄山は次第に雲の中に姿を隠し、その後は滞在期間中まったく姿を見せなくなってしまいました。その代わり、たっぷりと雪が降り続きます。

ウォーターフォールゲート

 さて、問題のウォーターフォールゲートです。ニセコにあるコース外への出入り口となるゲートは11カ所(ストロベリーゲートを入れると12カ所)ありますが、そのなかでNo.9という数字が割り振られているゲート。花園エリアからグラン・ヒラフへ戻る連絡路の中腹にあります。

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 このゲートの存在はずっと前から知っていたのですが、"Water Fall"という名前とともに看板に書かれた「危険!!滝あり」という一言が気になって、入り込めずにいました。実際いろいろ調べるとこのゲートからヒラフ方向に滑っていくと、沢を越えることになり、その沢には場所によって滝があるとのこと。そして滝に落ちるとまず自力脱出は不可能だとか。怖い怖い...

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 しかし今回、HANAZONOパウダーガイドのガイドさんに安全なルートを教えてもらいました。9番ゲートからヒラフ方面へ滑り降りるのではなく、真っ直ぐ花園ベース方面に向かいって森を抜けていくと、最後に短いながらも素晴らしい斜面があるのです。こっちに行けば滝に落ちる危険はありません。

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 ちょうど花園第2リフトの横を平行して滑っていくのですが、その間はまさに一面真っ白な世界。同じようにディープパウダーを求めて入ってくる人たちがつけた雪上の獣道が一筋伸びているだけ。この筋も途中でいくつかに分岐しますが、自分の行きたい方向を間違えないように注意して進んでいきます。

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 すると最後にこういう斜面に出ます。落ち込んでいるので写真には写っていませんが、眼下に見えるゲレンデに向かって、降りっぱなしのフカフカの雪面が広がっているのです。

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 9番ゲートはあまり入ってくる人がおらず、朝一でなくてもそれほど荒らされていません。積雪はファットスキーを履いていても膝下まで埋まるくらい。滑っていくと頭の上まで前身に雪を被るような、すばらしい斜面です。


 動画も撮りました。前半部はゲートを越えて雪原を越えていく様子ですが、後半に2回分、最後のフカフカの斜面を滑り降りるところを繋いであります。カメラは足下に向けているので、スキーの扱いが下手くそなのがバレバレですが、どのくらいの積雪があるのかはよく分かると思います。

 ですが、見ての通りこの斜面は非常に短いのです。距離にしても数百メートル、時間にしたらわずか20秒くらいしかありません。ディープパウダーの練習にはもってこいかもしれませんが、あと倍くらいの長さがあれば良いのに、と思います。

 また、ディープパウダーを一番気持ちよく滑れる斜度は35°前後と言われているそうですが、ここはそういう意味では斜度が足りないと思います。なので、最後のほうは失速してしまいます。それでも雪質も軽くまったく底付きをしないほどの積雪があって、そして何より安全でアクセスも簡単で、その一方であまり人が来ない素晴らしい斜面です。

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 9番ゲート自体は花園第2リフトを降りたところから少し歩くとたどり着くのですが、やや登っているのがかったるいので、花園第3リフトまで登り切り、羊蹄サンセット脇を抜けて9番ゲートに入るというコースを使っていました。これだとかなりの滑走距離となり、だだっ広い非圧雪バーンあり、ツリーランあり、広い平原あり、そして最後に素晴らしいディープパウダーありで、かなり楽しめます。

ニセコルール マップ
 地図上に滑走ルートを描き込むとこんな感じです。最後はそのままシルバードリームコースを流して花園のゲレンデベースへ戻ります。3本リフトを乗り継ぐ間に休憩時間がたっぷり取れるのもポイントです。

ストロベリーほか

 もちろんバックカントリーの面白さを最初に教えてくれたストロベリーも行ってみました。

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 ここは人気があるので夜間にどれだけ降っても、お昼頃にはギタギタに荒らされてしまいます。それでもこの木立の間を抜ける急斜面は楽しいです。

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 最終日は特に日中も雪がどんどん積もっていく状態。森林限界を超えたアンヌプリ山頂の風景とは違い、木々に囲まれた深い谷間の雪景色はとても幻想的で綺麗です。多分、私はこのストロベリーの風景に魅せられたんだと思います。

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 山頂付近のゲートへアクセするK4リフトも何度か乗りました。日によってはこんなに視界が悪かったり。見るからに寒々しい風景ですが、実際にマイナス20°くらいになります。穏やかな日でもこの辺は風が吹き抜けているので体感温度はさらに低いはず。短いリフトですが乗ってる間に凍えてきます。

 バックボウルへ行った日以外は、ゲートは出ずにそのままリフト脇を下ってくるだけです。それさえも他のスキー場では滅多に見ない特別な斜面であり、さらに標高が高いだけあって雪質も特別なので、存分に楽しめます。

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 山頂へ続く3番ゲートはお昼過ぎの1時半には閉じられてしまいます。みんながルールを守ることでニセコのコース外滑走の仕組みは保たれています。海外からの一見のお客さんが増えてくるとやや心配なこともありますが...。

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 一見、嵐のようですが、K4リフトあたりではごく当たり前の天候で、リフトも動いてるくらいですからむしろ穏やかなほう。こうして降り続く雪が一晩かけて積もり、さらに風が雪をかき混ぜることで、翌朝にはまたフカフカの雪面が作られます。ニセコのディープパウダーは幾つもの要因が重なって作られているそうです。

その他

 良く思い出してみると、行き帰りの連絡路として以外、普通のコース内はまったく滑っていません。すっかりコース外滑走メインになってしまいました。それだけでも5日間たっぷり遊べるのだから、ニセコの奥の深さは計り知れません。

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 とうことで、5日間たっぷりとニセコを堪能してきました。

 今回は天候に恵まれて、初日を除いて毎日そこそこの降雪があり、現地ガイドをして「軽すぎてイマイチ」と言わしめるほどのサラサラのパウダースノーを飽きるほど楽しめました。

 そしてバックボウルとウォーターフォールを初体験し、また一歩ニセコの奥深いところに入り込んだと思います。それでもまだまだ未体験なエリアは山ほどありますし、バックボウルも北斜面もまだまだ完璧に滑れていません。

 今年の思い出を胸に長い一年を乗り切り、また来年も是非訪れたいと思います!

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