酔人日月抄

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K-3 II + D FA150-450mmの動体撮影能力まとめ

 先日鈴鹿サーキットで行われたF1日本GPではPENTAXK-3 II + D FA150-450mm F4.5-5.6で撮影してきました。動体追従能力が改善されたオートフォーカス、3.5段から4.5段に強化され、流し撮りに対応した手ぶれ補正、DCモーターを内蔵しAFボタンやリミッターを備えた最新の望遠レンズということで、PENTAXブランド最新にして最強の動体撮影能力を持つと思われる組み合わせです。

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 昨年使用したK-3 + DA★300mmF4、あるいはそれ以前のカメラ等と比べてどこがどう良くなったのか、なっていないのか、ざっくりと使用感をメモ書きしておこうと思います。

これまでのおさらい

 まずは昨年のメモ書きおさらいから。以下のようなエントリーを約1年前にも書きました。


 要するにK-3で取り入れられた新機能を含め、AFや手ぶれ補正に関する多くの機能は役に立たず、AFは中央一点、フォーカス優先、ホールドOFF、手ぶれ補正はOFFの設定がベストであるとの結論でした。

 また、K-3 IIを手に入れた直後、K-3を手放す前、レンズはDA★300mmF4でしたが、電車でAF追従性を確認したことがあります。

 この簡易的なテストでも、それなりに改善は見られたわけです、F1の撮影でもその効果が期待できそうです。

 また、明確な比較は行ってませんが、飛行機を流し撮りしてみたりしつつ、流し撮り対応の手ぶれ補正の効果もそれなりに確認しました。このAFと手ぶれ補正の改善はK-3 IIを手に入れなければならぬと思った理由の大部分を占めています。では実際どうだったのでしょうか...

オートフォーカス


 まずはオートフォーカス。K-3 IIは、特に前後方向に対する動体追従AFのアルゴリズムが改善され食いつきが良くなったとされています。

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 確かにピントの追従性はかなり改善したことを実感します。ほぼAFのことは気にかける必要がなく、フレーミングに集中することができます。D FA150-450mmは超音波モーターではなく、普通のDCモーター駆動ですが、レンズの駆動は十分に高速ですし、迷ったりするような動作もほとんどありませんし、ピントが完全に抜けて一往復するような動作も全くありませんでした。

 コンティニュアスAFに関しては、AFエリア、レリーズのタイミング、ホールド特性に関して設定がいろいろ変えられるわけですが、結局のところK-3と同じ設定が良いのではないかというのが結論です。

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 AFエリアは1点。セレクトエリア拡大は何となくピントが甘くなる場合があるような気がします。450mm手持ちでAFエリア1点を正しくヘルメットに合わせ続ける力量はないので、9点拡大に期待したいところですが、むしろそれで背景にピントが逃げてしまう確率が高くなってしまうのではないかと思います。しっかりと追い続ける腕があればあるいはセレクトエリア拡大は効果を発揮するかも。いや、結局腕があれば1点に勝るものはないか...? この辺は難しいところです。

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 そしてレリーズのタイミングに関しては、1コマ目も連写中もピント優先に。コマ速優先では全く役に立たなかったK-3ほどではないですが、K-3 IIでもやはり相手がF1クラスになると、追い切れなくなります。なので歩留まりを重視してピント優先にしました。連写速度はかなり落ちますが、近距離でも追い切れなくなってレリーズできなくなるようなことはなく、秒間5コマ程度で安定してシャッターは切れます。

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 AFホールドに関してはあまりあれこれ試していません。ずっとOFFで使い続けました。ただしそれでもK-3との差は感じられました。


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 これは流し撮りでF1マシンを追い続けていて、最後の方で手前の観客席に被ってくるシーンなのですが、F1マシンまでと手前の観客席ではかなり距離差があり、K-3ではAFホールドをOFFにしていても問題なかった(F1マシンの方に合い続けていた)のですが、K-3 II + D FA150-450mmでは、観客席に被った瞬間に手前の観客にピントが動くのです。

 これはAF性能が改善した証であってむしろ正しい動作です。このカットはAFキャンセルボタンを使って無理矢理撮ってしまいましたが、K-3 IIではAFホールドを少し調整するべきなのかもしれません。チャンスがあれば次回試したいと思います。

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 ちなみに、AFホールドオフでもこのくらいの細いポールは横切っても大丈夫でした。

手ぶれ補正

 次に手ぶれ補正です。ペンタックスの一眼レフはボディ内手ぶれ補正を搭載していますが、今までは流し撮りに対応していませんでした。K-3 IIでは手ぶれ補正の強化とともに流し撮り検知が追加されているそうです。

 私のような素人がF1を撮る際の、失敗写真のほとんどはブレによるものです。被写体をしっかり追いかけられなければ仕方ないですし、流し方向はぴったり合ったのに、別の方向にぶれたり。いろいろします。

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 恥を忍んで告白すると、撮影されたほとんどのカットはこんな状態です。これは横にも縦にも激しくぶれているわけですが、流し撮りに対応した手ぶれ補正がきっちり働けば、少なくともこの場合縦方向のブレは抑えられて、歩留まりがぐんと上がることが期待できます。


 で、実際どうだったかというと...

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 真横を追いかけながら撮る場合はそれなりに機能していたと思います。失敗カットのほとんどは私の腕のせいで、いかにも手ぶれ補正が流し撮りを打ち消そうとしたかのような、変なブレ方をした失敗カットはありませんでした。

 しかし、当然ながら流し撮り検知がうまく働かない場合は多々あります。

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 たとえばこんなの。F1マシンはぶれていて、背後の看板は止まっています。これは何もカメラを固定して撮ったわけではなく、私的にはきっちりとF1マシンを追いかけていたつもりなのです。ここはコースを見て分かる通り、S字コーナーを斜め前から見ている状態なので、F1マシンは右に左にその進行方向と速度が変化します。それに合わせてカメラを振っていると、当然手ぶれ補正的にはその動きを手ぶれと検知して補正をかけようとするであろうとは容易に想像できます。

 K-3 IIでは手ぶれ補正が強化された分、むしろ今回この手の失敗カットが大量に発生しました。途中で気がついてシーンによって手ぶれ補正ON/OFFを切り替えるようにしましたが、結局はほとんどの場合OFFで撮ることとなりました。

 以前使っていたSIGMAの50-500mmでは、流し撮りは自動検知ではなく、横方向の補正をキャンセルするという決め打ち動作でした。流し撮り対応としてはそういった決め打ちの方が良いように思います。斜めや縦に流したい場合には対応できませんが、その場合こそ諦めて手ぶれ補正は切れば良いのですから。

まとめ

 ということで、K-3 IIの動体撮影能力強化ポイントについてですが、オートフォーカスについては「まぁまぁ」、手ぶれ補正については「やや残念」というのが偽らざる感想です。

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 それでも過去の機種よりは圧倒的に歩留まりは良くなったのは事実。それは私が成長したのではなく機材のおかげだと思います。

 来春に出ると言われているフルサイズ機は、こういう用途には向いてないかもしれませんが、それでもさらなる進化に期待しています。あるいはフルサイズが出た後でも、さらに動体撮影能力を強化したAPS-C版の新型(K-3 IIIみたいなやつ)にも期待したいと思います。

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