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酔人日月抄

東京下町に暮らす写真とPENTAXとスキーと時代小説とお酒とプジョーを愛するある男の日常

今年も陸上自衛隊 富士総合火力演習を撮りに行く

 とても運がよいことに、今年も陸上自衛隊の富士総合火力演習(総火演)を見に行くことができました。なんだかんだでこれで4回目となりますが、全く飽きることはありません。もちろん演習内容も毎年少しずつ変わっていたりするわけですが、何しろ戦車等の砲撃による爆音と空気に伝わる振動と派手な火炎の大迫力には毎回圧倒されます。そして写真を趣味とする一人としては、その迫力をなんとか写真に収めたいと思うわけですが、これがなかなか難しくて、何百何千とシャッターを切っても、本当に思うように撮れないのです。

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 今回も撮影に挑戦してきましたのでその報告です。天候は朝方は富士山がすっきり見えるくらいに晴れていたのですが、だんだんと雲が厚くなってきて、演習中はどん曇りでしたが、なんとか雨に降られずに済みました。

 総火演は年々人気が出てきて、一般募集の見学チケット抽選はなんと競争率29倍に達するそうです。私自身は一度も当てたことがないのですが、今年は仕事関係の知人が見事に当てて、誘って頂くことができました。一般公開日は初めてだった昨年は、いろいろと勝手が分からずにシート席の中程になってしまい、演習中の写真はほとんど諦めざるを得なかったのですが、今年は情報収集していろいろ作戦を立て、なんとかEスタンド席に入ることができました。

 チケットの人気が高まると同時に、Eスタンド席の争奪戦も年々激しさを増しているように思います。その争奪戦に参加しておいてこう言うのも何ですが、この過熱ぶりはちょっと行き過ぎじゃないかな?という気もしています。

戦車

 まず陸上自衛隊の花形と言えば戦車。総火演でも一番人気です。特に火炎を撮りたいですよね。

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 まずは90式戦車。その超巨体は走行しているだけで迫力があります。

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 90式戦車砲撃の瞬間! タイミングを見計らってひたすら連写です。カメラの連写速度とバッファと大容量高速なSDカードにひたすら頼って、なんとか数枚ものにしました。

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 背後に別の戦車が撃った火炎が写ったりするのも格好いいです。

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 74式戦車も現役です。真横から見ると火炎はこんなに大きいんですね。

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 これも74式戦車。戦車砲撃はこのアングルが一番迫力あるかも。

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 でもって最新型の10式戦車。

 前日の演習中に砲弾の破片の一部が、なぜか後方に飛び、運の悪いことに見学客の足に当たってしまうと言う事故があったそうです。そのためこの日も実弾射撃はなし。前段演習には登場せず、後段演習では空砲を撃ってました。が、10式の空砲は火炎も出ませんし、音も気が抜けたようで、まったく迫力なし。

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 高い運動性能が特徴なれど、やり過ぎたのか急カーブを切った際に履帯が外れて立ち往生するというおまけ付き。10式戦車に関しては散々な演習でした。

ヘリ

 戦車と並ぶ人気はヘリコプターではないかと思います。

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 攻撃ヘリのAH-64Dアパッチ。かなり低空でホバリングしつつ30mm機関砲を撃っています。

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 同じく攻撃ヘリのAH-1Sコブラ。対戦車ミサイルTOWを発射した瞬間です。

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 オートバイの偵察部隊を乗せてきたのは多用途ヘリUH-1です。

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 ヘリから降りたバイクは疾走していきます。ちなみにこのバイクは川崎製です。

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 UH-1よりさらに大型の多用途ヘリUH-60がやってきました。

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 UH-60からは隊員がファストロープで降下してきます。このあたりは後段演習のクライマックスです。

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  タンデムローターの巨大な輸送ヘリCH-47には車両ごと搭載しています。

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 CH-47自体も大急ぎで離脱します。巨体なれども意外に身のこなしも軽やかに、すごい前傾姿勢を取って加速して去っていきました。

その他火器

 「その他」で括ってしまうのも何ですが、総火演では洗車やヘリ以外にもたくさんの装備の実弾演習が行われます。

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 155mm迫撃砲発射の瞬間。ドーナツ状の火炎のさらに先、飛んでいく砲弾が見切れています。観客席からかなり遠くで打ちますし、音はそれほどではありません。

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 155mm自走榴弾砲は火炎は上がりません。白い煙を吐くだけです。飛んでいく弾が写っています。

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 これも火炎というのでしょうか。87式自走高射機関砲の砲撃です。肉眼で見ると閃光が派手に飛んでいくのですが、カメラで一瞬を切り取るととても地味でした。

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 軽装甲機動車から発車される01式軽戦車誘導弾。こうやって人が抱えて発射できるので弾の初速はそれほどなく、発射されてから猛烈に加速していきます。

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 派手と言えばこれ。92式地雷原処理車。ミサイルみたいなものが派手に火を噴きながら飛んでいきますが、ミサイルではなくて、空中で紐状に繋がった爆薬が開いて、広範囲に広がった地雷原を一気に爆発させるものだそうです。着弾時には戦車並みの大音響で爆発します。

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 砲弾の発射時だけではなく、着弾地点も派手に火の玉になることがあります。これは84mm無反動砲の射撃が着弾した瞬間、双子の火の玉になりました。

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 装備品もそうですが、本来の主役は隊員さん達ですよね。

おまけ

 さらに「おまけ」とは失礼極まりないですが、総火演には陸上自衛隊以外からの応援参加もあります。

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 航空自衛隊からF-2戦闘機が参加。昨年は飛んできたものの、雲の上で姿を見ることはできませんでした。今年もどんより低い雲が垂れ込めていたので、無理かと思っていたのですが、なんと雲の下を飛んできました。しかも後段演習のシナリオに沿って、2回もやってきてくれました。

 とはいえ、写真的には曇り空で残念な感じです。ベイパーが出ていたのは良いですけど。

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 そして演習のプログラムが全て終わった最後になって、本当に飛び入りゲストのように演習場上空に飛んできたのが米海兵隊のオスプレイです。陸上自衛隊もCH-47の後継として導入予定の機体。思わぬ珍客に会場は騒然としました。急だったのでいろいろ間に合わず高速シャッターを切ってしまいました...。ぶれて全滅よりは良かったですけど。

 安全性や運用などでいろいろ議論のある機体であることはさておき、珍しいものを見たなぁと思います。陸自が導入したらそのうち総火演にも登場するのでしょう。

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 さて、演習中に履帯が外れてしまった10式戦車ですが、演習終了後、装備品展示が始まるまでの間に撤去作業が行われました。観客の目の前でいろいろ自衛隊にとっては頭の痛いことだったと思いますが、私としてはむしろ珍しいもの見られて得した気分です。戦車を牽引する回収用の車両がやってきて、履帯を外して撤去されていきました。

撮影覚え書き

 今回の写真はK-3 IIとD FA150-450mmで撮りました。その辺についてちょっとメモです。

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 前段演習の名物、富士山型射撃と、後段演習フィナーレの煙幕は上手く撮り損ねてしまいました。というのもD FA150-450mmだとやはりワイド端が長すぎるんですよね。この二つを撮るには150mmよりはもう少しワイド寄りの焦点距離が必要です。かといってレンズを付け替えてる暇はありません。まぁ、もう一台ボディを用意するのがベストでしょう。今回はNikon 1 J5も持って行ったのですが、ほとんど使いませんでした。K-3 IIと混在で使うという意味での「サブ機」としてはちょっと難しそうです。

 総火演では火炎を撮るためにはとにかく連射速度が必要ですし、AFの速度と精度もそれなりに重要です。さらにブレを防ぎたい一方で、低速シャッターを切りたい場面と、高速シャッターを切りたい場面が混在し、さらにはISO感度や絞りも気になる場合があります。

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 ということで、今回はTAvモードを比較的多用しました。これはなかなか良いです。さらに連写速度を稼ぐためにC-AF時の設定を変えて、1枚目はピント優先、2枚目以降はAUTOとしました。ほぼコマ速優先に近い動作をしますが、ピントを外したカットはほとんどありません。AFについてはK-3 IIとD FA150-450mmの組み合わせは本当に従来よりも良くなったと思います。

 あと、レンス補正は歪曲補正と周辺光量補正のみOFF、色収差補正と回折補正はONのまま。特にバッファ詰まりみたいな現象はありませんでした。

 さらにD FA150-450mmの鏡胴にあるAFボタンは本当に便利です。と言っても私の場合はAFキャンセルボタンとして使っています。まだファインダーを覗いたまま一発でボタンが押せるほど慣れてはいないのですが、今後無意識に押せるようになったら相当に便利になると思います。

 ということで、今年の総火演見学記でした。またいつかチャンスがあったら是非行きたいと思います!

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