酔人日月抄

東京下町に暮らす写真とPENTAXとスキーと時代小説とお酒とプジョーを愛するある男の日常

姫路の高いところに上る:書寫山圓教寺と姫路城大天守

 昨年の夏に姫路へぶらっと旅行したことがありましたが、そのときに行きたいと思いつつ、いろいろな理由で行けなかった場所が二カ所ありました。桜も散った春のとある週末、再びふと思い立ってリベンジの姫路旅行へ行ってくることに。東京からは遠いですが、ほぼ始発の新幹線に乗れば午前中の早い時間に姫路へ到着します。

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 今回の目的地は、姫路市街地の北のはずれにある書写山圓教寺と、姫路城の大天守閣です。

 まずは作夏の旅行を振り返っておきましょう。真夏の暑い日でしたがよく晴れました。焼肉の日を祝うために神戸に行ったついでに、半日旅行で出かけてきました。


 大河ドラマ黒田官兵衛に触発されて姫路城周辺を巡ったわけですが、ドラマの中にも出てきた書写山は徒歩圏内ではなかったために断念。そして姫路城台天守閣はまだ修復工事中で外から眺めただけ。姫路城は先月末にグランドオープン(再公開)されたばかりです。

書寫山圓教寺

 姫路へ着いたらまずは書写山を目指します。朝のうちは雨が降っていたようですが、なんとか傘を差さなくても歩ける程度になっていました。麓からは約一時間の山登り... ではなく約4分で入り口近くまで行けるロープウェイで一気に山へ上がります。山頂の標高は370mあまりです。

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 仁王門に到着しました。山登りの行程はすべてロープウェイでショートカこットしたと思ったら、この仁王門から先もまだ1kmくらいの山道でした。真夏の暑い日に来たら死んでいたでしょう。

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 道沿いのはこうした仏像がずらっと並んでいます。杉などの古木が立ち並ぶ山道はきついですが、とても気持ちいいです。雨に濡れてマイナスイオンもたっぷり。

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 そしてようやく本堂ともいえる、摩尼殿へ到着しました。この建物がすごいです。清水寺と同じく懸造になっています。圓教寺自体は千年以上の歴史がありますが、現在の摩尼殿は大正時代に消失して再建されたものです。

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 舞台に上がることもできます。下を見下ろすと高所恐怖症じゃなくてもちょっとクラッとくるかも。変に防護柵などはないのが却って良いのですが、結構ワイルドです。ちなみにこの日はこの摩尼殿で結婚式が行われていました。

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 もちろんちゃんとお参りしてきました。

 圓教寺のハイライトは摩尼伝で終わりではありません。さらに山奥へと分け入っていきます。

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 そして鬱蒼とした木々に囲まれて、忽然と大仏様が現れます。とても神秘的な空間です。

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 ようやく目的地、一番見たかった場所へ到着しました。それがこの三之堂。大講堂、食堂、常行堂がコの字型に並んでいます。これらの建物は室町時代に再建されたものがそのまま残っていて、その古めかしさと併せてすごい迫力があります。

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 真ん中にある食堂は、宝物館として内部も公開されており、二階に上がることができます。この廊下というかテラスから、大講堂や常行堂の眺めがすばらしいです。大河ドラマでもここで撮影されたシーンが印象に残っています。

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 これら山奥に建つ古い三之堂の風景はとても印象的で、ハリウッド映画の撮影でも使われているそうです。私もテレビで見たわずかなシーンに現れたこの風景が忘れられず、どうしても一度訪れたいと思っていました。

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 大河ドラマにも出てきましたが、書写山は播磨の戦乱を平定するためにやってきた羽柴秀吉が本陣を据えたことがあります。お寺にとってみればひどい災難だったようです。
 いずれにしても、これら現存する三之堂はその頃にはすでにあったわけで、実際にこの食堂にも、秀吉や竹中半兵衛、黒田官兵衛などが足を踏み入れていたはず... とか思うと歴史のロマンを感じます。

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 圓教寺の境内はさらに山奥まで広がっています。全部を見て回るには相当な時間と体力が必要でしょう。また来ることを誓ってこの日は引き上げることにしました。

姫路城大天守

 書写山を後にしたら市街地へ戻ります。圓教寺はひっそりとしていましたが、さすがに姫路城は大人気で人で溢れていました。

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 真っ白に化粧直しされた姿はすでに昨夏にも見ていましたが、当然今でもまだ真っ白です。しかし小天守のほうは約10年前にすでに修理を完了しているので、近くで見るとちょっと色が違って見えました。

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 さて、再オープンしたばかりの大天守は大人気で相当な待ち時間が発生してるとの情報がありました。この日は天気が悪かったせいか、週末にしては人が少ない方だったようですが、それでも60分待ちとの表示。
 大天守へ入るには追加料金は発生しませんが、入り口でまずは整理券をもらう必要があります。一日一万五千枚限定だとか。日取りと天気が良いと、午後にはなくなってしまうこともあるのかもしれません。

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 百間廊下と西の丸は前回見学したので、今回はとにかくまっすぐに天守へ向かいます。「はの門」あたりから行列ができていました。

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 次から次へと狭い門をくぐります。天守への道は攻めにくいように迷路のようになっています。

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 ほとんど大天守の真下に。灯台下過ぎて全貌がよく見えなくなってきます。

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 結局30分ほどでいよいよ中に入ることができました。ここはすでに二階部分です。まだかなり広いです。階段は非常に狭く急で、上に人が詰め込まれすぎないように時々規制を行って流れを調整していました。大天守はほとんどが武具庫だったのでしょうか? 質実剛健で実に無骨な建物です。

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 姫路城の天守閣には物心ついたばかりの子供の頃に一度訪れた記憶があります。急な階段をよじ登ったことや、階段や床の板張りが所々腐って穴が開いていたことを覚えています。柱や梁などの構造物は創建当時のものが今でも使われている部分が多いのでしょうが、床などはおそらく張り替えているのでしょう。それでも階段の板などは、人の足で削られたのか、中央部がうっすら窪んでいるのがわかったりします。

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 ということで、姫路城の最終目的地、最上階の六階まで上ってきました。真ん中の窓から姫路駅方面を眺めます。どんより曇り空なのが残念ですが、とても良い眺め!

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 こっちは西側。下には百間廊下や千姫ゆかりの化粧櫓があります。右奥の方には午前中に見に行った書写山があるはず(別の山に遮られて姫路城からは見通せません)。

 六階は狭いですし、次から次へと人が上がってくるので、あまり長居はしない方が良さそうです。ということで急な階段を再び下っていきます。

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 ここは確か四階部分あたりでしょうか。真ん中にある二本の太い柱が、姫路城大天守の芯を支える東大柱と西大柱。手前の丸い東大柱は創建当初からのもの。西大柱は昭和の大修理で差し替えられたもの。これが一階から五階まで中心部を貫いています。

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 ということで、見学時間はおよそ40分ほど。すっかり満喫しました。

 こうしてミーハーにも喜び勇んでやってきた観光客の分際で言うのはおかしいのですが、こんな貴重な建物に、こんなにたくさんの人が押しかけて良いのだろうか?とちょっと不安になりました。一人一人に悪気はなくても、やはりこれだけの人が押しかけ、板を踏み、柱や壁に触り、ときには転んだり、カメラやスマホを落としたりぶつけたりする人もいるはず。そうやって建物は確実に痛いんでいくでしょう。

 一方で何もかも隠してしまって人目に触れなくなるのでは意味がないのかもしれません。文化財の保護とはどうするべきものなのか?難しい問題だと思います。

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 さて、実は今回の旅はこれで終わりではありません。この日のうちに京都に移動して一泊し、翌日は京都を見て回る予定。(続く)