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酔人日月抄

東京下町に暮らす写真とPENTAXとスキーと時代小説とお酒とプジョーを愛するある男の日常

「EOSユーザーのためのサブ機」だけではもったいない:EOS M3 総集編

 約一ヶ月に渡って試用させた頂いたキヤノンEOS M3に関する総集編です。すでに返却済みなのですが、レビュー記事を振り返りながら、EOS M3に関する感想をまとめておきたいと思います。

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 ありがたいことに同時にレンズを5本も貸して頂いたため、本当はもっとしっかり使い込みたいところでしたが、何とか一通りの組み合わせは試してみることが出来ました。


このレビューで使用されている商品はWillVii株式会社が運営するレビューサイト「みんぽす」 が無償で貸与しています。本レビュー掲載は無報酬です。また、WillViiは掲載内容に一切関与していません。(本情報開示と事実誤認時の修正を除く)レビュー商品無償貸し出しサービス 「モノフェローズ」に関する詳細はこちら
(WillVii株式会社みんぽす運営事務局)

機能・性能

 まずは製品発表がされた日の夜、実機に触れながら商品説明を受けることが出来ました。EOS事情に疎い私でしたが、基本的なポイントをここで抑えることが出来ました。

 初代EOS Mや第二世代EOS M2などとは少し方向性を変えた製品であり、ターゲット層は「40代男性」という点が一番刺さりました。ある程度カメラに対してこだわりがある人を想定していると言うことですので、私たちのような小うるさいおじさん向けと言うことのようです。

 実機を触ってみると、細かいところまで考えられていて、確かに初心者向けとして企画されたカメラとは異なります。しかし一方で、APS-Cサイズのミラーレス機としてはかなり小型ボディに抑えられている点が、特徴ではないかと感じました。

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 像面位相差AFがブラッシュアップされていたり、外付けEVFがサポートされていたり、可動範囲の広いチルト液晶が搭載されていたり、新機能も満載です。

 もちろん初めて本格的なカメラを触る人にもお勧めの一台。ここをエントリーポイントにすれば、自然とEOSワールドにつながるようになっていると思います。

使い勝手

 さて、その後たくさんのレンズとともに実機をお借りすることが出来ました。ただしまだ発売前で試作機です。ですがF/W含めてほとんど完成しているようで、不安定なところなどは全くありませんでした。

 CP+の日に初めて持ち出して横浜みなとみらいの夕景を撮ってみました。レンズは標準ズームとワイドズーム。結果的に今回試用させていただいたEF-Mレンズの中では、この11-22mmが一番気に入りました。EOS M3との相性は非常に良いと思います。

 EVFは使わずにチルト式の液晶を積極的試用して、ローアングル(あるいはハイアングル)で写真を撮るのは、とても軽快で楽しいです。

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 露出補正がダイヤル式だったり、シャッターボタンの周囲がコマンドダイヤルだったり、操作系もキヤノン機になれてない私にも扱いやすいですが、ボディが小さい分、背面はゴチャッとボタン類が並んでいる印象があります。前側にグリップを付けた分、後ろ側をどうやって握るかは問題です。人それぞれの好みもあって試行錯誤が必要な部分かもしれません。


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 私は当初要らぬところを触りまくって、気がつかないうちに勝手に設定が変わっていることがありました。

外付けEVF

 これ、EOS M3の数ある特徴の中でも、重要ではあるけれども取り立ててすごいという点ではないのですが、私個人的にはここがとても気に入りました。EVF内蔵のカメラはいくつか触ったことがありますが、後付け式のカメラは実は初めてです。

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 EOS M3にとっても、EVFを付けた場合とない場合とでは、大きく使い勝手が変わります。コンパクトさ優先のときは無しで背面液晶を使えばいいわけで、場合によってはコンパクトカメラ的使い方も可能。しかしもう少し本気撮影しようと思った場合に、EVFがあるとファインダー像に没入できて、「写真を撮ってる」感がとても盛り上がります。もちろん気分的なものだけでなく、画面の隅々まで見やすく、フレーミングも安定するなどの実益もあるわけで、これはEOS M3には必須のアクセサリーではないかと思いました。

 ただ残念なのはEVFのチルト機構の動きがが非常に軽いこと。無意識のうちに顔を押しつけているのか、覗いてるそばから角度が変わってしまうことがありました。もう少し固い方が良いのではないかと感じました。

画質

 24Mピクセルの新センサーとDIGIC6が生み出す映像は、文句の付けようがありません。JPEGの仕上がりはメーカー独自のチューニングがあって、明らかにPENTAXのそれとは異なります。これは良い悪いではなく、味と言える範疇でしょう。私からすると新鮮に思える部分も多々ありました


 写真を趣味としている一人として、このサイズのカメラを手にしたら、是非カバンの中にいつも偲ばせて、スマホとはひと味違う写真をいつでも撮れるようにしておきたいものですよね。と言ってもその場合、ほとんどは食べ物の写真になってしまうかも(私の場合、ですが)。


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 レストランや、特に飲み屋さんは薄暗いことが多く、照明も色温度が偏っていたりして、写真を撮るには非常に厳しい環境なことが多いですから。高感度性能とホワイトバランスは重要です。今回使った焼き肉屋さんは、幸い照明は普通の蛍光灯でしたが、やはりISO1600程度の高感度は必須。高画素センサーのわりに、ノイズ処理はさすがに上手く、ISO3200くらいは普通に使えそうな感じでした。


 あとは季節ものとして、梅と早咲きの桜をとってみました。光がたっぷりあるところではもちろんなんの問題もなく、24Mピクセルの高画素が生きてきます。


 EF-Mのレンズ各種はAPS-Cサイズのセンサーを積むカメラとしては、スペック上十分な近接撮影能力を持っています。ただ、小さくて軽いその使い勝手に、ついレンズ前数センチまで寄れるような錯覚に陥って「あれ?」と思うこともありましたが、それは慣れの問題でしょう。

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 マウントアダプター経由では、EF100mmマクロを使ってみましたが、この組み合わせで本当にマクロ撮影しようと思ったら、それなりにしっかりと環境を整えないといけません。ずぼらに手持ちで済ませようというのが、そもそも間違いでした。一番の問題はブレよりもピントです。AFフレームの大きさはやはり気になるところです。それについては後述します。

オートフォーカス


 目玉機能の一つ、ハイブリッドCMOS AF IIについては、実のところよく分かりませんでした。EOS Mシリーズの従来モデルを触ったことがなく、他のミラーレス機もよく知らないので、こんなものかな?以上の感想はありません。

 そうかと言って、一眼レフと比べてどうかと言っても、特に良いとも悪いとも感じなかった、というのが本当のところです。撮影スタイルが一眼レフとは大きく異なるので、1対1で比較することにあまり意味はないように思います。逆に言えば特に何とも思わないほど、快適だったとも言えるかと思います。


 特にオートフォーカスのテストのためと言うわけではありませんが、空港で旅客機をとることくらいは難なくこなせます。この場合問題はオートフォーカスよりも、連写時のライブビューの遅れとブラックアウトにあります。

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 でも、一眼レフの位相差AFは原理的に機械的誤差が発生しうるし、実際に合焦サインが信用できないことも多々あるのに対し、ミラーレス機はコントラストにしろ像面位相差にしろ、基本的には逢うときは確実に合うから、その点何も考えなくて済むので楽ちんだな、と改めて感じました。

IMG_0377.jpg それだけに大きすぎるAFフレームがちょっと残念です。後にピントが抜けてしまったり、逆に前に引っ張られたり、思ったところにピントが来ない場合が多々あります。その場合、フレーミングを変えるか、あるいはMFするしかありません。三脚に据え付けてじっくりとるならまだしも、手軽にサッと撮れることが身上のこのカメラでは、それは本末転倒な気がします。

まとめ

 ということでまとめです。真面目に触ったことのあるミラーレス機と言えば、PENTAX Qシリーズの他には、FUJIFILMのXシリーズがありますが、EOS M3はそのどちらとも違う性格のカメラだと感じました。

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 小さなボディにAPS-Cサイズのセンサーを持ち、機能は豊富にして本格派。ただしこのカメラはやはりメイン機を目指しているのではなく、サブ機に徹しているというのが正直な感想です。それは決してネガティブなことではなく、このカメラの一番の特徴ではないかと思います。もちろん、一眼レフEOSユーザーはマウントアダプターさえあれば、レンズが流用できることもあって、その威力は倍増します。

 しかし、ボディだけ見れば、他のマウントユーザーにとっても、普段使いのサブ機として十分な魅力を備えていると思います。大きさ、機能性能のバランスといった点で。ただやはりネックはEF-Mレンズの少なさです。今のところ私が個人手kに魅力を感じるレンズは11-22mmだけです。また、これまでのEF-Mレンズの投入ペースを見ても、先行きがちょっと心配。そこがある程度見えてきたら「EOSのサブ機」からは一つ脱して、m4/3やXマウント、Eマウントと肩を並べて、ミラーレス機の選択肢の一つとしてさらに魅力が増してくるのに、と思います。今後のEF-Mマウントの展開に期待!

関連サイト

 私が参加させていただいたイベントと、参加者の皆さんのレポートやレビューが下記サイトにまとめられていますので、合わせて是非ご覧ください。
canon.tokyocameraclub.com