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酔人日月抄

東京下町に暮らす写真とPENTAXとスキーと時代小説とお酒とプジョーを愛するある男の日常

”M”は紛れもなくEOSシステムの末弟である:EOS M3を先行体験する【後編】

カメラ Canon みんぽす

 前編からの続きです。EOS M3について一通り製品説明を受けたところで実際にシャッターを切ってみましょう。とは言え、会場はとあるビルの中の一室でしかも日没後。外に出て自由撮って回ったわけではないので、被写体はその室内にあったものに限られています。また、撮影に使ったEOS M3はデモ用の試作機であり、最終製品とは異なる可能性がある上、以下に貼る撮影サンプルは撮って出しではなくて80%に縮小されたものです。なので画質云々ではなく、なるべく使い勝手について見ていきたいと思います。

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 CP+ 2015に向けて発表された一連の新製品群の中でも目玉商品であるEOS 5Ds Rも置いてありました。この2台は大きさもお値段も色々と違いますが、紛れもなくEOSファミリーの一員です。


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(WillVii株式会社みんぽす運営事務局)

展示物

 実写の前に会場に置いてあった展示物を一通り眺めてみましょう。

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 これが今回のEOS M3の肝のひとつ、ハイブリッドCMOS AF IIIに対応した新しいCMOSセンサーです。キヤノンサイズのAPS-Cセンサーで画素数は24.2Mピクセルです。特に断り書きがないのでローパス付きなのでしょう。フルサイズの50Mピクセルでも、光学ローパス付きモデルを用意するくらいですので、キヤノンはローパスレスに関しては結構慎重な姿勢を崩していません。個人的にはそれが正しいと思いますが。

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 同じく新製品となるEOS Kiss X8iとEOS 8000Dも同じセンサーを搭載しているようです。ちなみに、EOS 8000DはKissシリーズよりさらに下の廉価版だと勝手に思い込んでいましたが、本当のところは上位機でした。「Kissと名前が付いているのが嫌な人とか...」とキヤノンの中の人が言っていたのは、なかなか興味深いところです。

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 こちらはEOS M3のマウントまわり。というかセンサーのユニットとフォーカルプレーンシャッターも組み込まれた一体構造になっているようです。この辺りは小型化の肝なのでしょう。

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 こちらはデザインをきめいて行く過程で作られた原寸大モデル。最近は3Dプリンターを使うそうです。これをベースにさらに削ったり、粘土を付け加えたりしながら微調整すると...。一見すると差がなかなか分かりにくいですが... どれも没モデルでしょうかね。

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 こちらは外装部材のサンプルでしょうか。素材、色、仕上げ等々無限に組み合わせがありそうです。EOS M3の実機では採用されていない茶色のグリップ良いと思うんですけどね。100色カラーバリエーションとかキヤノンではやらないかな(A^^;

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 本体に合わせてデザインされた純正のケースとストラップを装着したところ。もちろんこの状態でNFCも使えるそうです。そういえば、EOS Mシリーズはストラップの取り付けが変な仕組みになっていたと思ったのですが、EOS M3では普通のホールになっています。

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 さて、EF-Mレンズとマウントアダプターも揃っています。ではいよいよEOS M3で写真を撮ってみましょう。

実写!


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 部屋の真ん中にあるテーブルの上はすごいことになっていました。カタログの写真みたいな光景。あるいはそれこそCP+に飾ってあるディスプレイ状態。ここに乗っかっている機材だけでいくらするかな?とか考えてしまいます。

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 ずらっと並んだEOSの真ん中にあるのは、発表されたばかりのEOS 5Dsに、そしてやはり発表されたばかりのEF11-24mmズーム。合わせておおよそ100万円。それにしてもでかいレンズですね。

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 EOS M3の心臓部ユニットもEOS M3で撮ってみました。さすがフランジバックの短いミラーレスだけあって薄いです。

 と、ここまでは標準ズームで何も考えずに撮ったものです。F6.3などという中途半端な絞りになってるのは... 気づかなかっただけ。夜の室内なのでそれなりに感度は上がっていますが、あまりノイズ感は感じず、このへんは十分に常用域かと思います。

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 で、思いついてもう少し高い感度を使って夜景を撮ってみました。窓越しですが部屋を暗くしてもらって、なんとかガラスの映り込みは避けられたようです。高画素なわりに結構綺麗ですね。もちろん細部を見ればもはや精細感はありませんが、これも条件によっては十分に使える範囲だと思います。
 EOS M3の常用最高感度はISO12800まで。拡張機能としてもう一段上げることが出来ます。気が回らなくてそこまで試していないのですが、期待できそうな気がします。

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 お次はEF-Mマウントのパンケーキレンズ、22mmF2.0です。いや、パンケーキと言うにはちょっと厚いかな? でも明るいやや広角気味のレンズとして付けっぱなしレンズとしては絶妙なところ。単焦点レンズとなると、何とかのひとつ覚えのように近寄って開放です。

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 お花もこの通り。近接撮影能力も十分にあって、なかなか良いレンズです。明るさのおかげでISO感度も低く、シャッター速度も稼げます。

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 ボケ味はどうでしょうか。ちなみにEVFを覗いた場合にAFポイントをどうやって動かしたらいいのか、ややまごつきましたが何とかやりくりしました。

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 それからワイドズームのEF-M11-22mmとか、

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 さらには望遠ズームのEF-M55-200mmなんかも試してみました。

 こうしてみると、本数は少ないですがEF-Mだけでも一応一通りの焦点距離レンジはカバーしてるんですね。あとはもっと特徴のある面白いレンズ... というか、やはりマクロとかもっと明るい単焦点とか欲しくなるんじゃないかと思います。

 ちなみにAF速度については実はよく分かりませんでした。というか、ミラーレス機は慣れていないのであまり他との比較が感覚的に出来ないもので。しかし逆に言うと、何も感じないくらい快適だった、という意味にもなります。これまで少し触ったことのあるミラーレス機(Qシリーズ以外)では、ピントが合わないとか、合わせようとしてレンズが行ったり来たりするする様子に苛ついたりとか、あるいはレンズ駆動のモーター音に驚いたりと言うこともなく、当たり前のように静かに素早く動作しています。

 ただしワンショットAFに設定しているのに、もっと言えば電源入れているだけでシャッターボタンに触ってもいないのにAFが動き続けていたのですが、あれは何なのでしょうか? 何度もAFモードを確認してしまいました。まぁ、便利と言えば便利、お節介と言えばお節介。電池が減らないか心配になってしまうだけです。

 さて、引き続きマウントアダプターを介してEFレンズも試してみました。

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 となると、やはりちょっと変なレンズを付けてみたくなります。ということでまずは50mmF1.2。このF1.2という明るさはEFマウントの特権ですね。


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 何を撮っていいのか分からないのですが、とにかく開放に設定して目の前にあったカメラのロゴ部に狙いを定めました。斜めから撮ったこともあって、もはやどこにピント面があるのか分かりません。"C"の字の右側辺りですかね。そして大口径レンズの常として、コントラスト差の激しいエッジ部にやや色つきが見られます。

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 テーブルの上にあったオブジェのひとつ。ある程度の"面"があると思ったのですが、これまた恐ろしくピント面が薄いです。こうなると、AFフレームが大きすぎて(設定で小さく出来るのかもしれませんが)どこにピントが合うかはカメラ任せになってしまいます。でも面白いですね。

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 次はこいつです。昨年末にリニューアルされたばかりの100-400mm。こうなるとレンズにカメラがくっついてる状態です。


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 ゆらゆら揺れるフレームの中にEOS 5DsRを一生懸命収めました。手ぶれ補正もしっかり効いているし、マウントアダプタを介してるとは思えないくらいAFもスムーズです。手持ちでテレ端で1/160sec、しかもISO6400という悪条件揃いですが、ボディに付いたホコリが気になるくらいちゃんと写ってるからすごいです。

 この組み合わせにするメリットはあまりないと思いますが、出来てしまうというあたりで、既にEFレンズを沢山持っているEOSユーザーには、色々使い道、遊び方があって楽しいのではないかと思います。

まとめ

 以上でEOS M3先行体験レポートは終了です。

 私はEOSユーザーではありませんが、ターゲットユーザー像に比較的近いこともあってか、非常に分かりやすくて共感できる部分が多いカメラだなと思いました。ただ「EOSユーザーにとってのサブカメラ」としての魅力は何となく想像がつくものの、私のようなEOS部外者から見て「EOSシリーズへのエントリーポイントになり得るか?」という視点で見ると、それはどうかな?と、依然として思います。

 必要な機能は全部入れてみたうえに、すべてが非常に高いレベルで完成しているのは実感できました。あとは何かもう一つ「EOSである」以外の特徴というか、心意気が感じられるといいのに、と思ってしまったのもまた事実。

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 後日またお借りできるチャンスもありそうなので、そのときにじっくり使い込んで、その辺も改めて考えてみたいと思います。