酔人日月抄

東京下町に暮らす写真とPENTAXとスキーと時代小説とお酒とプジョーを愛するある男の日常

日本橋クルーズに乗って水上から東京を眺める

 浅草でたっぷり遊んだ後は、地下鉄に乗って日本橋へやってきました。隅田川の水上バスは有名ですが、最近はここ日本橋からも遊覧クルーズの船が出ています。この日の午後は日本橋から出るクルーズ遊覧船に乗ってみることにしました。

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 東京は元々水運が発達した街でした。近代化に伴って多くの掘割や運河は埋め立てられ、暗渠化されてきましたが、主要な川はまだまだ残っています。私の好きな時代小説には、よく江戸の人たちが船に乗るシーンが出てきます。当時の人たちは船の上からどんな江戸の街を見ていたのだろう?と、思いを馳せながら見たことのない角度から、東京の街を眺めてきました。

日本橋

 今回利用したのは東京湾クルージングという会社が運行しているクルーズで、日本橋の南東側に3年前に出来たばかりの桟橋から発着しています。1時間コースは一人2,000円となっています。 出発時刻によってコースが変わったりするのですが、午後2時半に出る60分コースの切符を買ってみました。天気は微妙に雲が多いものの、雨の心配はなさそう。気温も少し寒いくらいですが、空気がキリッとしていて絶好のクルーズ日和です。

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 東京道路元標があって国道1号線や4号線をはじめとする、7つの国道の起点となっている、まさに東京の中心とも言える橋です。江戸幕府が開府とともに初代の橋が架けられ、現在の日本橋は明治後期に造られた石橋です。上に首都高速が被っていて橋の景観が台無しになっているのは有名な話しです。ちなみに看板の文字は最後の将軍、徳川慶喜の筆によるものだそうです。

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 さて出発しましょう。そういえば船の写真を撮り忘れましたが、屋根のない全席オープンデッキです。私たちはチケット番号がほとんど先頭だったので、一番前に乗ることが出来ました。

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 出発に際しては、日本橋の下をくぐります。日本橋の裏側(下側?)を見るのははじめての経験です。

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 一部、御影石が焼けただれた跡が残っています。太平洋戦争の傷跡です。空襲で炎上した船が日本橋の下に潜り込んで出来た焼け跡だそうです。橋の強度には影響がないらしく、わざと修復せずにそのまま残してあるんですかね。

日本橋川

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 さて、日本橋を後にしたら、日本橋川を東へ、隅田川の方へと進んでいきます。この辺りは江戸時代、築地に移転する前の魚河岸があった一帯で、まさに江戸の台所、経済の中心地でした。
 今はこうして首都高速の6号線および都心環状線が真上を覆っています。水面は静かですが薄暗いです。

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 ちらっと見える鉄製の橋は江戸橋。そうです、この真上は江戸橋ジャンクション。4つの路線が合流する、首都高速道路の要衝です。江戸橋も日本橋と並んで歴史のある橋ですが、やはり高速道路で覆われてしまっています。

 ただし、私は車でこの江戸橋や日本橋の上は数え切れないほど通っており、その恩恵にあずかってきたわけで、景観が台無しだなぁとは思いつつ、この状態を批判できる訳ではありません。うまい解決方法があれば良いのですが。

隅田川

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 江戸橋の少し先で首都高速は箱崎に向かってカーブして行き、日本橋川の上空がようやく開けます。霊岸島を右手に見ながらさらに橋を二つくぐり、その先はいよいよ隅田川へ。その昔この川が「大川」と呼ばれていた所以がよく分かります。運河として整備され、管理された日本橋川などと比べると、隅田川はまさに大河に見えます。

 そして日本橋川河口のすぐ南側にあるのが現在の永代橋。しかし江戸時代の永代橋は日本橋川河口の北側に架かっていました。それはともかく、この永代橋は関東大震災後に再建されたもので、いまだに東京の東西を結ぶ幹線として活躍中。この橋、シンプルで美しいと思います。

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 永代橋の下をくぐるのは初めて! ...なはずはないのですが、初めてな気がしました。下側も格好いいです。

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 永代橋の先は急に開けます。思い切り逆光ですが、目の前は佃島の高層マンション街。右に見切れている橋は中央大橋。東京では元祖ウォーターフロントなのですが、今では比較的内陸に感じられるようになってきました。

朝潮運河

 隅田川の本流は右側の中央大橋方面なのですが、船は左側から月島と晴海の間にある朝潮運河へと入っていきます。
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 月島あたりは古い建物が川沿いに残り、一方で幹線道路沿いは巨大な高層マンションが建てられたりして、妙な光景が広がっています。

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 晴海トリトンスクエアの脇にかかる黎明橋をくぐります。上を通る道路は晴海通り。この橋の横には歩行者専用の橋が架かっています。そして黎明橋のさらに向こう、晴海の方には環状二号線となる新しい橋が架けられています。

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 その工事中の環状二号線の脇に立つこのツインタワーが、東京で最も高いマンション。高さはガイドのおじさん(ボランティアだそうです)が教えてくれたけど忘れました。日本一ではなくてこれより高いマンションが大阪にあるそうです。このマンション、居住者専用のフィットネスクラブ(しかも別棟でかなり巨大)まであって、凄いです。管理費いくらするんだろう?とか思ってしまいました。

東京港

 豊海と晴海の間を抜けるとそこはもう海です。一瞬だけ海に出ました。

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 レインボーブリッジとお台場が遠くに見えます。レインボーブリッジは海面からの高さが最大で50m。船の大型化によって、レインボーブリッジより内側にある晴海客船埠頭は、用を成さなくなってきてるそうです。勿体ない。

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 浜松町、芝浦方面。東芝や東京ガスの本社ビル、貿易センタービルなど、比較的古い高層ビルに、もっと古い東京タワーが見えます。青い高架線はゆりかもめかな?

再び隅田川

 さて、船は河口方面から隅田川に戻ってきました。
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 手前の橋は隅田川にかかる環状二号線。名前はまだないとか。ちなみにこの写真の左手側は築地の市場があるのですが、そこは環状二号線の工事が行われておらず、この橋は行き止まりになっています。開通にはまだしばらくかかりそうです。

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 さらに進むと、勝鬨橋がかかっています。環状二号線が開通するまでは勝鬨橋が隅田川の第一橋梁です。聖路加タワーや佃島のマンション群が見えていますが、この勝鬨橋がかかった頃は、この奥まで工場地帯だったために、荷物の搬入、出荷のために跳ね上げ式の橋が必要だったそうです。

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 さらにさらに進むと、佃大橋、中央大橋、そしてその先には東京スカイツリーの姿が。最近の新しい東京の風景ですね。

亀島川から日本橋へ

 船は中央大橋をくぐらず、霊岸島南端から亀島川へと入っていきます。左は町方役人が住んでいた八丁堀、右手は江戸への下り酒が集められていた新川です。

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 亀島川の護岸はずっと船が付けるように護岸が造られているのですが、草がぼうぼうに生えてもはや使われていません。沿岸のビルも道路に向いていて、川の方は完全に裏手になっています。
 
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 亀島川は江戸橋辺りで日本橋川に突き当たります。見上げると上には首都高速道路。江戸橋JCTが格好いいです。右側の赤い部分はあそこですね、箱崎JCTから都心環状線に合流する手前で、左にカーブしながらぐっと川面に向かって下っていく部分。路上の風景は良く知っていますが、川から見るとこんなに低いとは!

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 予定通りぴったり1時間で日本橋の船着き場に戻ってきました。

 とても面白い遊覧コースです。良くなじみのある地域だったのでなおさらそう感じたのかも。ボランティアの方の解説も、わかりやすくて知りたい豆知識がふんだんにちりばめられていて、とても良かったです。最後に「あることないこと喋ってきましたが...」という部分に、「ないことが混ざってたのかよ!」と思わず突っ込みを入れたくなりましたが(^^; いえ、もちろん嘘は混ざってなかったはずです。

 これからの季節は寒いですが、空が高く空気が澄んでいてとても良いと思います。隅田川の各種水上バスもいいですが、こちらもお勧めです。

 なお、今回の写真もPENTAX K-30とHD DA16-85mm F3.5-5.6ED DC WRで撮りました。このレンズ使ってると、もっとワイドなレンズが欲しくなってきます...(^^;