酔人日月抄

東京下町に暮らす写真とPENTAXとスキーと時代小説とお酒とプジョーを愛するある男の日常

フォトキナに参考出品されたKマウントの謎レンズにフルサイズ一眼レフの夢を見る

 今週はドイツでフォトキナが開幕し、それに合わせて各メーカーからカメラ、レンズ、周辺機器などの新製品、新開発品の発表ラッシュとなっています。私が注目するのは当然ながらリコーイメージング、なかでも旧ペンタックス関連製品となるわけですが、他社に比べるとやや地味ながらも、3本のKマウントレンズが参考出品されました。これらがなかなか妄想を掻き立てるブツなので、ちょっと色々考えてみたことを書き留めておきたいと思います。

HD DA16-85mm F3.5-5.6ED DC WR

 まずは標準ズーム。こちらは製品名も判明しており、発売時期も今年中とされていますので、まもなく出てくるのは間違いなさそう。これはそれほど謎レンズではありません。

1_da1685_photokina2014

製品写真とともに、発表されている情報は以下の通りです。

製品名:HD PENTAX-DA 16-85mmF3.5-5.6ED DC WR(仮称)
・小型軽量設計と高画質を両立した使いやすい5.3倍ズームレンズ
・防滴構造を採用
・描写性能を高める独自の高性能マルチコーティング"HDコーティング"
・レンズ内モーターによる静かで滑らかなオートフォーカス駆動
・発売時期:2014年冬頃予定


 レンズ内DCモーターによるAF駆動、簡易防滴仕様、幅広のズームリングの手前にエンドレス回転のピントリングがあり、距離指標などは省略、という仕様からすると、DA18-135mmの兄弟レンズのようです。

 ただしもちろんコーティングはHD化されており、赤リング付きとなっています。一方、製品名に"AL"や"IF"の文字がないので、光学系に非球面レンズは使われておらず、またピント合わせもIFではないと推測されます。

 非球面レンズに関していえば、画質がそれで保てるなら何も問題はないのですが、今時のズームレンズで非球面を使わないってあるのかな?とやや不思議な気はします。

 IFについてはAFスピード等や使い勝手にも影響しますし、ピントリング位置含めた鏡胴デザインや防滴仕様であることなどを考えると、これもまたIFではないのはやや不思議な気はします。

 さて、DA18-135mmはKマウントの標準ズームとしては定番となっていますが、画質については賛否両論あるのと、やはり今時ワイド側がもう少し欲しい、という要望は多かったのだろうと思います。

 私はすでに18-135mmは持っており、とても気に入って使っていますが、持っていないと仮定してこの二つの選択肢を提示されたら、16-85mmの方を選ぶかな?と思います。HDコーティング云々ではなく、純粋に望遠側50mmの差よりも、ワイド側2mmの差をとるという意味で。

 DAシリーズ初の標準ズームは16-45mmF4というスペックを持っていました。またその後もDA★シリーズで16-50mmF2.8というレンズがありますし、標準ズームのワイド側を重視する、という姿勢はPENTAXは割と早い段階から持っていたわけですが、その後他社が16-85mmクラスの標準ズームを揃える中で、Kマウントは取り残されていました。

 これが今後キットズームとなるかどうかは分かりませんが、最初の一本としてこのレンズが選択できるというのは、非常に大きな意味があることだと思います。

 うーん、18-135mmも20-40mmも持ってるし、それに実は16-45mmも持ってるけど、これも買ってしまうかも。遅きに失したとは思いますが、やはり今でも標準ズームとしては理想的なレンジだと思います。

謎の大口径望遠レンズ

 今年のCP+前後で更新されたロードマップ(リンク先はpdfファイルです)に現れた、70-200mm付近の焦点距離レンジを持つレンズと思われます。

2_telephotozoomlens_photokina2014
 Kマウントレンズのロードマップは、伝統的にざっくりとしたシリーズ名が明示されていました。例えば、DA Limitedシリーズならばそうと書かれていたのです。しかしこのレンズは、まずもって"DA"なのかどうかも分からないという状態です。今回の参考出品においても、モックだか試作品だか分からないモノが公開されただけで、いっさいの情報はありません。

 しかしどうやら★レンズであることは間違いないらしく、それは今回参考出品された鏡胴に金線が巻かれていることからも分かります。色々な周辺情報から、焦点距離は70-200mm、開放F値はF2.8だと噂されています。確かにF2.8クラスの明るい望遠レンズはKマウントから消え去って久しく、復活を望む人も多いでしょう。そしてこの焦点距離レンジの数字を眺めていると、これはもしやフルサイズをカバーしているのではないか?と思い至ります。それは、今回発表された製品外観がかなりの大型レンズであることからも強く疑われるのです。

 またこのレンズにはスライドスイッチが二つついているのが写真から確認できます。一つはAF/MF切り替えスイッチだとして、もう一つは何でしょう? DA560mmの場合はフォーカスリミッターでした。今回も同じかもしれませんが、このスペックのレンズでフォーカスリミッター?と、これまた謎な点です。そうではなくて、これってもしかして光学手ぶれ補正じゃないの?という新たな疑惑が浮上してきます。

 Kマウントのデジタル一眼レフは、全機種センサーシフト式の手ぶれ補正を積んでいます。望遠レンズは光学手ぶれ補正が有利とはいえ、70-200mm程度のレンズに必須とは思えません。これはむしろ、開発中のフルサイズ一眼レフはセンサーシフト式の手ぶれ補正を諦め、光学手ぶれ補正を採用することを示しているのでは?と言うところまで想像というか妄想は膨らんでいきます。

謎の超望遠ズーム

 これも突如ロードマップに現れたもので、100-450mmクラスのレンジを持つレンズと推測されています。このレンズもまたロードマップにおいて"DA"の二文字が明示されていません。

3_telephotozoomlens_photokina2014
 このレンズはHDコーティングを示す赤帯だけで金帯は付いていません。と言うことは、開放F値は少なくとも望遠側はF4よりも暗くなると言うことなのでしょう。しかしこちらもサイズ的にはかなりの大柄のレンズと思われます。

 さらに、このレンズにはスライドスイッチが3つ付いています。2つは大口径望遠レンズと同様、AF/MF切り替えスイッチと、フォーカスリミッターもしくは光学手ぶれ補正ON/OFFと思われます。そしてもう一つは恐らく単純にズームロックなのではと思われます。

 さらにさらに、製品写真を見ているとボタンのようなものが鏡胴に付いているのに気づきます。これはAF(またはAFロック)ボタンではないかと思われます。確かに400mmクラスの超望遠レンズには欲しい機能かも知れません。

 しかし、KAFマウントでそんな信号をボディとやりとりできるんですかね? もしかしてフルサイズに合わせて、通信仕様が拡張されたKAF4マウントが出てきたりして。その場合、Kマウントのサードパーティ製レンズが減ってる要因の一つと言われている、絞り駆動機構も新しくなるかも... と言うのは妄想しすぎでしょうか(^^;

PENTAXのフルサイズ機は本当に出るのか?

 PENTAX機ユーザーの間では古くて新しい話題です。時折盛り上がってはまた忘れられていくというサイクルを繰り返しています。

IMGP4298.jpg
 ちなみに上の写真は、幻のKマウントフルサイズ一眼レフK-1です。このK-1は14年前のフォトキナでお披露目されたものの、あまりにも時代を先取りしすぎていて、その後ついに発売されることはありませんでした。

 閑話休題。フォトキナが始まって以来、またまたPENTAXのフルサイズ機に関する話題は盛り上がってきました。それはヨーロッパのリコーイメージング発のコメントとして「フルサイズ機が具体的に進んでいる」と言うようなコメントが出てきているから。例えば以下の記事にその辺の話がまとめられています。

 このソースによると、謎の望遠レンズは2本ともフルサイズをカバーしているとのこと。レンズの姿を眺めている限りは、さもありなんと納得しますが、しかしボディのこと、標準ズームなど他のレンズをどうするのか?

 従来のAPS-C機との棲み分け、共存、互換性は?などなど考えると、やはりリコー・イメージングには荷が重すぎるのではないか? としか思えません。また、そんな賭をする価値があるほど、フルサイズ機の市場サイズが爆発的に増えている、とも思えません。

 もちろん私自身、一人のペンタックス信者としてはKマウントのフルサイズ一眼レフには興味があります。実際に出たら狂喜乱舞するでしょう。でも、それが他社のフルサイズ機のように、ボテッとした重鈍なボディとなってしまうなら、やはり「コレジャナイ」と感じてしまいそうで心配です。

 今回のフォトキナではキヤノンが5年ぶりにEF-Sマウントのフラッグシップ機EOS 7D MarkIIを発表しました。APS-Cの一眼レフがエントリー機だけになってしまいそうな気配があった中、Kシリーズにとっては強敵が現れたと同時に、APS-C一眼レフ市場を牽引してくれる強い味方でもあると思います。これでAPS-Cハイエンド機の必要性が見直され、ニコンも考えを変えてくれたら良いのですが。