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酔人日月抄

東京下町に暮らす写真とPENTAXとスキーと時代小説とお酒とプジョーを愛するある男の日常

これでもまだOVFにこだわるの?と問い詰めてくるFUJIFILM X-T1

 先月発売になったばかりのXシリーズ最新鋭機、X-T1をお借りすることができました。これから1ヶ月間試用させていただく予定です。過去たくさん発売されてきたXシリーズの中でも、このX-T1はX-Pro1と並んで実機に触る前から激しく興味を惹かれた1台です。その肝はEVFがレンズ光軸上に置かれたことによる一眼レフスタイルの外観と共に、そのEVF自身の気合いに入れようにあります。

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 まずは届いたX-T1をじっくり眺めてみたいと思います。


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 箱です。まず届いたのはXF18-55mm F2.8-4 R LM OISが同梱されているレンズキットです。富士フイルムの創立80周年の特別ロゴ入り。レンズキットとはいえ思ったより大きな箱でした。

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 主な中身を取り出すとこんな感じ。これに説明書とソフトウェアが収められたCD-ROMなどが入っています。

 ここで初めて気がついたのですが、X-T1はフラッシュを内蔵してないんですね。本体電源を使用する折りたたみ式の小型フラッシュが同梱されていました。FUJIFILMのフラッシュ調光は素晴らしいのですが、おそらく私はフラッシュは使わないと思うので、そのまま箱にしまっておくことにします。

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 マウントはもちろんXマウント、センサーはX-E2などと同じ16MピクセルのX-Trans CMOS IIです。 

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 さて本体にレンズをつけてみました。ミラーレス機なのでフランジバックが短く、ボディは薄型。エプロン部の出っ張りもないせいか、見る角度によっては格好良いのですが、また別の角度から見るとペンタ部はやや寸詰まりに見えます。

 しかし台形と言うには傾斜がきつくてボリューム感のあるペンタ部は、往年のコンタックスブランドの一眼レフを思い出させます。Xシリーズを指して「レトロ」と評されることがありますが、私としては違和感があります。これはもう最先端じゃないの?と。

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 操作系はXシリーズのそれに準じています。シャッターダイヤルや露出補正ダイヤル、シャッターボタン周りの電源スイッチなど。Fnボタンは窮屈な谷間に押し込まれ、使いづらそう。その一方で録画ボタンは、シャッターボタンに続く一等地にあります。このカメラのターゲット層を考えたら、動画は撮れなくもないよ、くらいで良いのにと思ってしまいます。

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 X-T1の操作系でこれまでのXシリーズと違うところと言えば、まずは電子ダイヤルが二つになったこと。こうして前ダイヤルも装備されています。ただし絞りリングやシャッターダイヤルを持つXシリーズで、この電子ダイヤルの存在意義は今ひとつ薄いと感じてしまいます。露出補正も専用ダイヤルが付いていますし。なおAF補助光の下にFnボタンが追加されています。あとでも出てきますが、Fnボタンがやたらに増えていることもX-T1の操作性を特徴づけているところです。

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 そして特徴的なのがこの感度ダイヤル。この方式はニコンDfと同じです。レトロというよりは、ダイヤル操作系にこだわった結果と言えそうですが。感度ダイヤルにロックがついてるのはどうなんでしょうか? シャッターダイヤルと同じく、ロックするのはAポジションだけでも良いような気がします。

 ちなみに見ての通り、常用感度はISO200〜6400。拡張感度として低感度側にISO100(Lポジション)は良いとして、高感度側H1とH2という2つのポジションに対し、ISO12800、ISO25600、ISO51200のうちのどれか2つが割り当てられるようになっています。

 XシリーズでISO51200までサポートしたのはX-T1が初めてではないかと思いますが、もともと高感度に強いX-Trans CMOSのISO51200はどのくらい使えるのか興味があります。できればK-5やK-3と比較してみたいところです。

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 背面はこんな感じ。3インチの液晶モニターはチルト式。X-M1もそうでしたが、妙な出っ張りも隙間もなく、綺麗にまとまっていて仕上げとしては良く出来ています。動きも節度感あって位置決めしやすいです。

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 ボタン類は過去のXシリーズとだいぶ変わっています。十字キーは無地で機能が示されていません。すべてFnボタンとして位置づけられ、割り当てがカスタマイズできるためです。Fnボタンは十字キーの4つに加え、上面に1つ、前面に1つで計6個あります。

 またX-T1で新たに追加されたのが「FOCUS ASSIST」ボタン。AF時は拡大表示に切り替わるだけですが、MF時は長押しでピーキングかデジタルスプリットのどちらかを選ぶことができます。

 ところで一部で言われているように、私も十字キーは非常に押しにくいと感じました。慣れれば問題なくなるとは思いますが、なぜ微妙に凹んだ位置にボタンを配置しているのでしょう?右手親指で押すことが多いと思いますが、一般的に親指はあまり器用ではないですし、押そうとしても一発では押せない、という確率が今のところ50%くらいです。場所は悪くないと思うのですが。

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 X-T1の一番の特徴であるEVF。その接眼部はボディの大きさに似つかわしくないくらいのサイズです。さすが高倍率ファインダーです。もちろん視度補正つき。ダイヤルはそれなりに固いのですが、位置が良すぎて不用意に動いてしまいそう。視度調整は一度決めたら固定したいところ。ここにこそロック機構が欲しいかも。

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 さてそのEVFの見え具合ですが、倍率0.77倍のフルモードだとこんな感じ。視野はかなり広く隅々まで見渡すのが大変です。眼鏡をしていると無理かも。
 0.77倍というのはフルサイズ換算という意味かと思います。たとえばPENTAX K-3のOVFは倍率0.95倍。ただしこれはAPS-Cサイズ表記です。フルサイズ換算すると約0.63倍になってしまいます。
 倍率が高いとEVFの粒状感も拡大されてしまうのではないかと心配していましたが、それほどのことはなく十分に解像感はあります。フレームバッファを使用せずにディレイを押さえたという点もあり、現時点では最高のEVFの一つかと思います。

 でもね、やっぱりEVFはEVFなんですよね。当たり前ですけど。その辺はもう少し使ってみてからまた考えてみたいと思います。

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 閑話休題。X-T1のEVFは高倍率のフルモードの他に、ノーマルモードというものが用意されています。このとき倍率は具体的な数字が分かりませんが、ほぼ普通のAPS-C一眼レフ並みなのかなと思います。これだと眼鏡をしていても隅々まで見渡せます。

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 もう一つ特徴的なファインダーモードがものデュアルと言うモード。MF時に設定可能です。アイディアとしては面白いですが、使いやすいかどうかは微妙な気がします。ま、アダプターでオールドレンズをつけたりしないかぎり、あまりMFを使うことはないでしょう。

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 電池はXマウント機共通のNP-W126で、容量は1260mAh。フラッシュを使用せずに350枚撮影可能となっています。で、Xシリーズと言えばSDカードスロットもここにあったはずですが見当たりません。

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 SDカードスロットは右手グリップ側にありました。デザインあるいは設計上の問題か、やはりここが使い勝手が良いと考えを改めたのか、あるいはこれも含めて一眼レフ「風」としたのかは定かではあありませんが、この変更は私的には大歓迎です。ちなみにX-T1はUHC-IIという超高速モードに対応しているそうです。UHS-IIカードを持っていないので試すことはできないと思いますが。

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 さて、全体的な大きさ比較ですが、X10と並べてみるとさすがに大きいです。が、その差はこの程度とも言えます。

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 APS-Cサイズのセンサーを積む一眼レフと並べてみるとこんな感じです。写真で見るとあまり違わないようですが、実物を手にするとだいぶ違います。厚さ方向の差が効いて、さすがにX-T1のほうがかなりコンパクトです。重さも然り。個人的には控えめなグリップも、手にした感じはけっこうしっくり来て良い感じです。別売りでバッテリーグリップが用意されていますが、このカメラには必要ないんじゃないかな?と思います。

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FUJIFILM X-T1, XF18-55mm F2.8-4 R LM OIS, 1/8sec, F4.0, ISO800, +0.67EV, AWB
 さてさて、これから1ヶ月。桜は咲いてくれるでしょうか? 画質にはもう全幅の信頼を置いていますが、高倍率EVFはどんな使い心地なのか、じっくりと触ってみてタイトルに書いた問い、「これでもまだOVFにこだわるの?」に対する答えを探してみたいと思います。