酔人日月抄

東京下町に暮らす写真とPENTAXとスキーと時代小説とお酒とプジョーを愛するある男の日常

FUJIFILM X-E2 + FUJINON XF18-55mm F2.8-4 R LM OIS

 発売日の少し前に行われた体験イベントで少しだけ触れることが出来たX-E2がいよいよ発売され、私の手元にも貸出機がやってきました。これから約1ヶ月にわたり試用させていただくことが出来ます。その威力の片鱗は体験イベントのわずかな時間の間にも実感することが出来たのですが、手元でじっくり使っていると、色々と見えてくるものがあるのではないかと期待しています。

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 お借りしたのはX-E2のシルバーボディとレンズはFUJINON XF18-55mm F2.8-4 R LM OISです。単焦点レンズを中心にラインナップしてきたXシリーズですが、この標準ズームは手ぶれ補正がはいっているなど、いわゆるキットレンズ風な位置づけに感じられます。X-E2の本気度は理が三月ですが、このレンズとの組み合わせでちゃんとXシリーズの世界を愉しむことが出来るでしょうか。


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外観を眺める

 まずはじっくりと外観を眺めてみましょう。

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 と言っても、X-E2については体験イベント編でも少し紹介しましたし、X-E1からの見かけ上の変更もあまり多くありません。非常にプレーンなXシリーズの王道を行くデザインです。XF18-55mmとのバランスもぴったりです。

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 似たような写真は前も貼った気がしますが、Xシリーズらしいダイヤルオペレーション。X-M1とは違いモードダイヤルではなくシャッターダイヤルつき。シャッターボタンの周囲が電源スイッチで、これはペンタックス(やニコン)の一眼レフと同じなので、私にとっては非常に自然に使うことが出来ます。あ!と思ったらカメラを構えつつそのまま右の人差し指で電源が入れられるこの方式はとても理にかなってると思います。

 また露出補正専用のダイヤルが用意されているのもXシリーズの特徴。X-E2では範囲が広がって+/-3EVになりました。なかなかそこまで使うことって少ないとは思いますが。

 また、シャッターボタン脇にあるFnボタンですが、X-M1同様のWi-Fi機能が内蔵されています。

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 あと、結構忘れがちですが、X-E2には内蔵フラッシュが付いています。手動ポップアップのみで自動モードはありません。ガイドナンバーはISO200で7とかなり小さめです。高感度性能が良いので、暗いところで使うと言うよりは補助光的な用途がメインでしょう。

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 さて、レンズです。焦点距離レンジは18-55mmとまさに一般的なキットズームと同じですが、開放F値がワイド端でF2.8、テレ端でもF4と明るくなっています。そのわりにはそれほど大きなレンズではありません。ピントリング、ズームリング、絞りリングの3つのリング付き。F値が変化すると言うことで絞りリングには目盛りが振られておらず、設定F値はカメラ側で確認しろということのようです。それに、そもそもこのリングは無限に回転する仕様で、レンズだけ触っているとちょっと変な感じですが、機械式ではないので当然と言えば当然なのかも。

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 マウント側です。X-M1のキットレンズになっていたXC16-50mmと違って、このレンズはXFシリーズの一本であるため、造りも金属製で非常にしっかりしています。マウントももちろん金属マウント。X-E2や恐らくX-Pro1の風格にも負けてはいないでしょう。ズームリングも非常に細かい凝った加工がされています。なお、ズームや絞り、ピントリングの回転方向はペンタックス(やニコン)と同じです。この辺もXシリーズがすっと手になじむポイントです。

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 鏡胴には二つのスイッチが付いています。一つは手ぶれ補正のON/OFFスイッチで、もう一つは絞りAUTOのスイッチ。絞りをAUTOにしておくと、ボディ側のシャッターダイヤルの設定によってプログラムか、シャッター優先かどちらかになります。AUTOモードを外すと絞りリングが有効になり、絞り優先かもしくはマニュアルになります。覚えてしまうとこんなにわかりやすいモード設定もありません。

 私は通常絞り優先かプログラムしか使わないので、シャッターダイヤルは常にAUTOに設定し、このレンズ側のスイッチ一つでプログラムと絞り優先が選べるというのは非常に便利です。この辺の操作系の考え方はXシリーズの特徴。X-M1では崩れてしまった部分ですが、X-E2とXFレンズの組み合わせではしっかりとそのオリジナルのコンセプトが守られています。

 これをもって、この標準ズームは焦点レンジこそ普通ですが、Xシリーズの中核レンズとしてとてもしっかり作られていることが分かります。うん、結構気に入りました。もしXシリーズのボディを買うなら、これは1本持っておきたいレンズだと思います。

試写してみる

 実は手元に届いてからもう2週間くらい経つのですが、がっつりと使うチャンスがなくて、ちょこちょこと撮っている段階です。その中から少し貼っておこうと思います。

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FUJIFILM X-E2, XF18-55mm F2.8-4 R LM OIS, 1/9sec, F3.6, ISO800, STD, AWB
 XQ1のイベント&フォトレッスンの時に持って行って撮った写真。ベタなお台場の夜景その1です。ここの景色は本当に綺麗ですね。分かっていてもシャッター切ってしまいます。どんより曇天の日没後、夜と夕方の境目の微妙な時間帯です。本格的な夜景よりも暗さを感じます。

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FUJIFILM X-E2, XF18-55mm F2.8-4 R LM OIS, 1/9sec, F3.6, ISO800, STD, WB:晴れ
 ベタなお台場の夜景その2です。まだ少し明るさが残る中で、わざと青白さを出そうとしてホワイトバランスをマニュアルで設定しました。デイライトのカラーフィルムで撮るとこんな感じになったんでしょうか。手すりにカメラを押さえつけ、ISO200のまま長時間露光してみました。水面がフワフワになるにはもっと数十秒から数分単位の露光時間じゃないとダメなのでしょうか。

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FUJIFILM X-E2, XF18-55mm F2.8-4 R LM OIS, 1/6sec, F4, ISO1600, -0.3EV, STD, AWB
 ベタなお台場の夜景その3です。すっかり日が沈んで完全な夜景になりました。実はかなりブレています。それはともかくISO1600の撮って出しでここまで綺麗に写るとは、X-Trans CMOS IIとEXR Processor II恐るべしです。

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FUJIFILM X-E2, XF18-55mm F2.8-4 R LM OIS, 1/1400sec, F4, ISO400, STD, AWB
 一転して良く晴れた昼間の風景です。清澄庭園の池で撮ったカモメの集団。餌やりが禁止されていません(というか餌が売られている)。子供が投げる餌にカモメとカルガモが群がる光景です。なぜか鳩はガン無視。子供が投げた餌が宙を飛んでるのも実は写ってます。器用にちゃんと空中で咥えていました。空を飛ぶ鳥の姿を追いかけるとか、そういう動きものにはこの手のミラーレス機は弱いですが、これは偶然を狙って適当に連写したものです。

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FUJIFILM X-E2, XF18-55mm F2.8-4 R LM OIS, 1/450sec, F4.5, ISO400, Velvia, AWB
 秋の清澄庭園名物、ハゼノキ。最盛期には完全に真っ赤になるそうです。例年この時期に行われていた夜間のライトアップは今年はなぜか行われていません。清澄庭園では全体的に紅葉が楽しめるような場所ではありません。むしろ池の色もあって全体的にグリーンが綺麗な庭園です。

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FUJIFILM X-E2, XF18-55mm F2.8-4 R LM OIS, 1/240sec, F5.6, ISO200, Velvia, AWB
 巨大な銀杏の木が水面に映ってますます巨大に見えます。完全には黄色くなっていなくて黄緑色。それにしても、拡大して等倍で見ても銀杏の葉っぱはもちろん松の針葉まで解像していたりして、やはりX-Trans CMOSの解像感は凄いですね。

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FUJIFILM X-E2, XF18-55mm F2.8-4 R LM OIS, 1/220sec, F4.0, ISO200, Velvia, AWB
 てくてく散歩しながらそのハゼノキの真下まで行ってみました。さっき池越しに撮ってた方向に向いています。まだ先っちょのほうが緑が残っていますね。ハゼノキはこうして葉っぱがかなり大振りですので、遠くからながめたほうが綺麗かも。しかし虫も食っていませんし桜の木の紅葉よりは綺麗です。

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FUJIFILM X-E2, XF18-55mm F2.8-4 R LM OIS, 1/800sec, F4.0, ISO400, Velvia, AWB
 逆光に浮かぶ葉脈。ちなみにこのレンズの最短撮影距離はワイド端で30cm、テレ端で40cm。マクロモードをONにしないと60cmに制限されてしまいます。このあたりはやっぱり今一歩です。X-E2セミナーで「なぜマクロボタンがあるのか?」と質問してみたのですが、その答えは「マクロ域はステップが細かくなるので常にそこまでスキャンしていると時間がかかり電池も消耗するため、フォーカスリミッター的な意味でマクロボタンを置いてる」とのことでした。意味は分かりますし確かに悩ましいところですが、それでもこの仕様はあまりにも使い勝手への影響が大きすぎると思います。像面位相差があるのだから、マクロ域をスキャンしないといけないかどうかの判断は自動化できるのではないかと思います。どうしてもこのマクロ域の扱いだけはXシリーズにおいて納得のいかないところです。

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FUJIFILM X-E2, XF18-55mm F2.8-4 R LM OIS, 1/140sec, F4.5, ISO400, -1EV, Velvia, AWB
 落ち葉。

 結局後半はほとんど全てVelviaモードを使ってしまいました。良く晴れた日の紅葉にはぴったりですから。

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 ということで、色々忙しい年末ですが、Xシリーズの中核機、X-E2をもっと愉しんでみたいと思います。