酔人日月抄

東京下町に暮らす写真とPENTAXとスキーと時代小説とお酒とプジョーを愛するある男の日常

唯一無二の世界をもたらすPENTAXの新レンズ2本

 PENTAX K-3もブラックボディがすでに発売開始され1週間が経ちましたが、私が予約したのはPremium Silver版なので、まだ手にするまで3週間も待たなくてはなりません。そんな中、リコーイメージングからペンタックスブランドのレンズが2本、新たに発表になりました。

_HD20-40-SL
 一つはKマウントのLimitedレンズ、もう一つはQマウント8番目のレンズです。Qマウントはもちろんですが、どちらのレンズも他のマウントで味わえない、独特のスペックのレンズです。21mmとか31mmとか77mmとか、変な焦点距離のレンズばかり作ってきたペンタックスのDNAは、色々な面でリコー色が強くなってきた現在でも健在のようです。

HD PENTAX-DA 20-40mmF2.8-4ED Limited DC WR:発注済み

 まずはKマウント待望の最新レンズ。旧製品のリニューアルでもリバイバルでもなく、正真正銘の新設計、新スペックのレンズです。なんと焦点距離が20mmから40mmまでという2倍ズームなのです。こんなレンズは他社にはありません。この焦点域だけとっても唯一無二のレンズと言えます。

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 このレンズはDA Limitedシリーズ初のズームにして、初のレンズ内モーター(DCモーター)、そして簡易防滴まで備えています。最新のPENTAXデジタル一眼レフにはぴったりな一本。それでも焦点域はもう少しどうにかならなかったのかと思いますが、このレンズは広角端と望遠端にはさしたる意味はなくて、30mmでフレーミング微調整機能付きのレンズ、と思えば良いのかもしれません。となるとF2.8からF4に1段分変化するという開放F値が惜しいところです。F2.8通しだったら完璧だったのに。いえ、大きさ重さとの兼ね合いであろうことは想像がつきます。

 その他、最新のHDコーティングが施され、絞り羽根は9枚の円形絞り、最短撮影距離は全域で28cmと言う点も抜かりはありません。Limitedシリーズなので外装もしっかりアルミ削り出しです。重量も283gとのこと。大きさと手にした感じは実物を触らないと何とも言えませんが、K-7/K-5シリーズとK-3にはぴったり似合いそうです。ズームリングのローレットが古くさく、そこだけどうなのかな?という気がしますが。

 このレンズ、12月中旬発売でお値段は概ね10万円弱。ブラックとシルバーが用意されます。さて、一瞬悩んだのですが、やはりシルバーボディにはシルバーを組み合わせるべきでしょう。既に持ってるLimitedレンズはDAもFAもシルバーですし。ということで、このレンズは買います。正確にはもう発注してしまいました。描写性能次第ではFA31mmの出番はがくっと減ることになるのかも。こいつとFA77mmを常用レンズとしたいと思います。これにDA100mmマクロがあれば完璧!

 なお「カメラの八百富」さんのブログに、黒のK-3に取り付けた写真が多数掲載されています。
 カメラの八百富|HD PENTAX-DA 20-40mm F2.8-4 ED Limited DC WR - 中古カメラご一行様(by八百富写真機店)

 また、Kマウントレンズのロードマップも更新されています。3年前から待ち続けているテレコンバータに具体的な製品名が入り、もしかしたら完成が近いことを伺わせます。これはとても楽しみです。

PENTAX-08 WIDE ZOOM:きっと買う

 次に2本目はKマウントではなくてQマウントのレンズです。これまた待望のワイドズーム。Q7に付けるとフルサイズ換算で17.5〜27mm相当に、Q/Q10の場合は21〜32.5mmとなります。開放絞りはF3.7〜F4と微妙に変化します。

08_WIDE_ZOOM
 重さわずか75g、最大径こそ54mmとQマウントレンズで最大ですが、全長はわずか38mmと、これだけのスペックを持つワイドズームでありながら、ミニチュアサイズなのはさすがQマウント。カメラボディサイズの小ささは、なんとマイクロ4/3のLumix GMに抜かれてしまいましたが、やはりレンズ含めたトータルシステムで見たとき、センサーサイズの小さいQマウントのコンパクトさは飛び抜けています。

 しかし問題はお値段。なんと予想小売価格は5万円弱というではないですか! 普通にKマウントレンズが買えてしまう値段です。従来のQマウントの7本は高くても2万円。安いものは5千円です。そこに5万円と言われてびっくりしてしまいます。

 それにはそれなりの理由があるようで、光学系は大偏肉ガラスモールド非球面レンズやEDレンズ、異常分散レンズなど、特殊なレンズを贅沢に使い、ズームカムにもアルミ削り出しの鏡胴を使うなど、操作感にも拘っているようです。光学性能はともかく、操作感ではスカスカでガタガタだった06 TELEPHOTOの反動なのでしょうか。コストがかかっているらしいので、このお値段も仕方ないのかもしれません。

 このサイズで超広角が使えるというのはQマウント機をさらに唯一無二の存在にすると思います。広角域はQ7に任せ、それ以外はKマウントで撮るとすれば、これはもしかしたらQ7の定番神レンズになり得るのかも。そういう期待があるなかで、実はこのレンズはまだ発注していません。いえ、いつかはきっと買うだろうと思うのですが、やはりこのお値段に怯んでいます。発売されるまでじっくり悩みたいと思います。

 ちなみにQマウントレンズのロードマップも更新されました。次に計画されているのは望遠マクロのようです。小サイズセンサーでマクロに強いコンパクトカメラはたくさんありますが、望遠マクロとなるとこれもまた唯一無二の世界をもたらすかも。

(おまけ)Nikon Df:買えない

 ついでなので、ペンタックス以外で最近発表された気になる新製品をひとつ取り上げておきたいと思います。それは...

nikon-df_3
 これです。Nikon Dfです。
 2週間くらい前からディザー広告を打ったりして期待を持たせていたカメラです。噂通りレトロデザインで出てきました。しかし「レトロ」と言っても50年も前ではなく約30年ほど前のカメラがモチーフ。F3以降の80年代マニュアルフォーカス機のイメージを色々と取り入れているようですが、やはり一番目立つのはペンタ部というか軍幹部。ここは明らかにFM/FE系列の香りがします。

 このカメラ、ニコン社内でも賛否両論だったと言うことですので、巷のカメラ好きな人々の間でも賛否が分かれるのは当然でしょう。単純にデザインとしてどうなんだという視点からの議論もあれば、そもそもコンセプトとしていかがなものか?という議論もあり。そしてコストパフォーマンスがどうという話ももちろんあります。ちなみに私の感想としては、デザインとしては格好悪いと思うし、コンセプト的にも後ろ向きで自分の手足を食べるような商品企画だと思うし、D600相当のカメラに27万円も出す気にはなれない気持ちも分かります。

 しかし、なぜかこのカメラは気になります。いえ、もっと言えばかなり好きです。かっこ悪くて外見も中身もひどい出来だと思うのですが、それもこれも含めてこのカメラが醸し出す雰囲気には、往年のあこがれていた「ニコン」がぷんぷん感じられるのです。この不格好なカメラは、80年代のニコン、F3やFM2,FE2そしてFAというカメラがどういうものだったか、本当に知っている人たち、好きだった人たちの手によって作られたのではないかと感じます。それを現代のフルサイズ機で実現すれば当然こうなる... と言うより「こうなってしまう」ということが納得できてしまうのです。

 実物はきっとそれなりの大きさがあって、記憶にあるFE2などとは比べものにならないだろうと予想はつきます。そのときに上に書いたような何とも言えない懐かしさは、それでも強まるのか消し飛ぶのか分かりません。尖ったペンタ部や旧ロゴはさておき、露出コントロールのほとんどが専用ダイヤルを持つという点で、実は最近の流行に沿った斬新なカメラだとも思いますが、やはりこのカメラを使うには、往年のニコンへのノスタルジーが必要だと思います。それがない人には無意味な製品ですが、ある人にはこれまた唯一無二の存在なのでしょう。

 素直に「欲しい!」と思うのですが、その購入動機を満足させるために、これだけのコストはやはりかけられません。30年前同様に「欲しいけど買えない」存在のままにして憧れは憧れのままで取っておこうと思います。