酔人日月抄

東京下町に暮らす写真とPENTAXとスキーと時代小説とお酒とプジョーを愛するある男の日常

DA50mmF1.8 + Q7

 みんぽすさんからお借りしているDA50mmF1.8を、先日買ったばかりのPENTAX Q7に付けてみました。もちろん前者はKマウント、後者はQマウントですので、そのままではつきません。昨年買ったまま放置してある純正のKマウントレンズ用アダプターQ(以下、K-Qマウントアダプター)を間に挟みます。

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 Q7の1/1.7インチセンサーは、対角線長で35mmフルサイズに対し換算倍率が4.6となりますので、50mmのこのレンズは230mm相当の望遠レンズとなります。


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準備

 K-Qマウントアダプターを使用する場合に、Q7側で設定しておく必要のある項目がいくつかあります。

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 まずはレンズの焦点距離。これはK-Qマウントアダプターを取り付けて(またはレンズを付けない状態で)ボディの電源を入れたときに、最初に必ず設定を求められる項目です。
 ここで設定するのはマウントアダプターに取り付けるレンズの実焦点距離ですので、DA50mmF1.8の場合は当然「50mm」に設定します。この数字は手ぶれ補正のために利用されるようです。とりあえず焦点距離の設定が済めば写真は撮れるようになります。

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 マウントアダプターを付けるとAFができなくなりますので、ライブビューでMFしなくてはなりません。その際、ピント合わせの補助機能を使うと、より簡単に、正確にピント合わせができるようになります。MENUの1ページ目「AF/MF設定」の中にピント合わせの補助機能に関する設定項目があります。

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 まずは「MF時の自動拡大」機能。Q/Q10では2倍と4倍が選べましたが、Q7ではさらに6倍まで設定できるようになりました。拡大率が大きい方が正確なピント合わせがしやすくなります。マウントアダプター使用時、ライブビュー画面を拡大するには、十字キーの中央にあるOKボタンを押すことでON/OFFがトグルします。

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 次に「フォーカスアシスト」機能。いわゆるピーキング機能のことです。ライブビュー画面において、映っている映像のエッジの先鋭度、つまりコントラストの高い部分に白い縁取りがされるようになります。それによって人力によるコントラストフォーカシングを行いやすくなります。

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 この二つのMF補助機能をONした状態で、デフォルトのライブビュー画面はこんな感じになります。わりと近距離にあるペットボトルが被写体で、レンズはDA50mmF1.8を取り付けています。ピーキングは常に働いていますが、拡大はデフォルトではOFFの状態です。
 ちなみにマウントアダプターを使った場合、絞り値は不明となりますし、露出計も中央重点かスポット測光のみで、分割測光は働きません。露出モードも絞り優先かマニュアルのみとなります。しかし水準器や手ぶれ補正は使えますし、カスタムイメージやスマートエフェクトも問題ありません。

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 さて、上の状態でOKボタンを押してみると、画面の中央部が拡大されます。倍率は設定済みの6倍になりますが、電子ダイヤルを回せばそのまま4倍、または2倍に変更することも可能です。拡大位置は十字キーで動かすことが出来、現在の表示位置のインジケーターも表示されています。文字のまわりが縁取りされているのがピーキング機能によるもので、この縁取りが最大になるように、ピントリングを回せばピント合わせはOKです。

 ただしこのレンズを付けた場合、ただでさえ230mm相当の望遠が、さらに拡大されるので、ピントを合わせたいもの、撮りたいものを画面内にとらえるにはかなり苦労します。初期設定は6倍ではなく4倍くらいにしておいたほうがいいのかも。また、手ぶれ補正は標準設定のままではライブビュー中に動作しませんので、手持ちでは拡大中の画面の揺れもかなり気になります。

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 ちなみに、ピーキング機能はMENUを開いて階層をたどっていかなくても、INFOボタンからアクセスできるコントロールパネルで直にON/OFFすることができます。しかしなぜか拡大機能はコントロールパネルからはアクセスできません。

 この画面拡大とピーキングは、K-Qマウントアダプターを使う場合だけでなく、03 FISHEYEなどユニークレンズシリーズを使う場合にもとても有効です。しかし一方で01 STANDARD PRIMEなどAFが働くレンズを付けた場合でも、この二つのMF補助機能はそのまま有効となってしまいます。つまり、ライブビュー画面のピーキングは常にされるし、AFレンズの場合、OKボタンではなく、ピントリングに触れると、即座にMFモードに切り替わると同時に画面が拡大されてしまいます。AFレンズ使用時はこの動作が結構うざいのです。MFレンズ、もしくはK-Qマウントアダプター使用時のみONになるようになっていれば良いのに。せめて両機能ともまとめてコントロールパネルからON/OFFできれば良いのに、と思います。

撮影結果

 さて、以上のような準備が完了したら早速写真を撮りに出かけてみましょう。Q7にK-Qマウントアダプターを介して取り付けたDA50mmF1.8の姿は、ボディ色までブラックで統一されていることも含めて、以外に様になっていると思います。ホールディングもしやすく、重量もそれほど気になりません。これで230mm相当の望遠レンズであり、ボケはともかく明るさがF1.8あるというのだから「望遠ごっこ」としては素晴らしく面白いのです。

 以下、Exifには絞り値が記録されませんし、どの程度絞りリングを回して撮ったか記録もしていないので、絞りは不明です。

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PENTAX Q7, DA50mmF1.8, 1/250sec, ISO800, AWB
 上の画面写真の例で使った、机の上のペットボトル。室内なのでシャッタースピードを稼ぐために割と絞りは開放側だったと思います。さすがにこの状態ではぼんやりしてシャープ感はありませんし、ハイライト周辺、デフォーカス部には色つきが派手に見られます。いくら明るいとは言え開放付近で使うのは厳しそうです。

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PENTAX Q7, DA50mmF1.8, 1/2500sec, ISO200, AWB
 公園に咲いていたひまわり。一部を切り取りました。これは光量が十分にあったので割と絞っています。多分F2.8〜F4くらいではないかと思います。こうなるとそれほど悪くありません。どこにピントが来ているのか今ひとつ分かりづらい面もありますが、花びらの質感も一応出ています。

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PENTAX Q7, DA50mmF1.8, 1/1000sec, ISO200, AWB
 東京スカイツリー。あまり空気が澄んでいる日ではありませんでした。いっぱしの望遠レンズ風味ですね。これもF4かF5.6くらいまで少し絞っています。キレはありませんがこのくらい写れば違和感はありません。

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PENTAX Q7, DA50mmF1.8, 1/3200sec, ISO200, AWB
 公園に咲いていたオレンジ色が鮮やかな花。アヤメか何かの仲間でしょうか。これは開放ではないと思いますが、わりと絞り開け気味。F2.2くらいではないかと思います。背景は綺麗にボケています。さすがに花びらの質感は潰れ気味ですが、エッジが滲んだりしているのは気になりません。

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PENTAX Q7, DA50mmF1.8, 1/2000sec, ISO200, -0.7EV, AWB
 咲き残っていた額紫陽花。日陰にひっそり咲いていたので絞りは開放にしたと思います。中途半端な位置にピント合っているのはともかく、全体にかなり柔らかくてふんわりし滲みが出ています。でも、これはこれで面白いですね。開ききった額紫陽花のざわざわした感じとちょうど中和しているようで。

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PENTAX Q7, DA50mmF1.8, 1/400sec, ISO200, ハードモノクローム
 真夏の夕方、遠景のビル街をモノクロで撮ってみました。これはかなり絞っていますF5.6くらい。そもそも夏の熱気で空気が揺らいでいるのでそんなにかっちりはしていませんが、まぁ結構しっかり写っているほうではないかと。色をぬいてコントラストの高くせっていしてあるので、もう少しカチカチ感が出ても良いような気はしますが。

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 しかしQ/Q10の換算倍率5.5倍よりは使いやすくなりました。この50mmでも230mm相当ですから、望遠レンズとして普通に使い道がありそうです。ピント合わせというハードルがありますが、ブレさえ何とかすれば拡大とピーキングでピンぼけ量産にはなりません。DA50mmF1.8は回転角が大きく、ピントリングのトルク感も適切で、ピタッと止められるので、QマウントでMFするのも比較的楽な方です。

 そして今回、「開放では甘くて滲みもあるが絞るに従ってどんどん描写が変わって引き締まっていく古典的なレンズだ」というDA50mmF1.8の一般的な評価は、こうしてK-Qマウントアダプターを使うことでようやく実感することができました。さすがに極小画素ピッチセンサーで4.6倍に拡大されてしまうと、レンズ性能の「特性と欠点」も一緒に拡大されてしまうわけで、それはK-Qマウントアダプターを使うかぎりどんなレンズでも同じことではあるのですが、このDA50mmF1.8の場合は、何倍にも増幅される「開放の柔らかさ」をネガティブに捕らえず、「味」として使いこなすしかないし、そういった遊びはとても面白いのではないかと思います。