酔人日月抄

東京下町に暮らす写真とPENTAXとスキーと時代小説とお酒とプジョーを愛するある男の日常

X-E1 + XF14mm の使い心地

 1ヶ月間お借りしていたFUJIFILM X-E1とXF14mm F2.8Rに関するレビューのまとめ編です。X-E1はともかく、XF14mmはフルサイズ換算で21mm相当という超広角レンズ。使ったことのない領域のレンズであり、いったいこれでどんな写真が撮れるだろうか?と期待半分、どうやって使ったら良いものやら...?と不安半分でした。しかし結果的には自分でも予想していなかったくらいに自然に使うことができました。

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 それはX-E1のボディとの組み合わせだったから、なのではないかと思っています。一眼レフでこのレンジのレンズだと、きっとどうして良いか分からなくなってしまったことでしょう。


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XF14mm F2.8 R

 もうこのレンズに対する感想は出だしでほとんど書いてしまったようなものです。このクラスの画角のレンズは、一眼レフではもてあましそうで避けて通ってきました。しかし今回このレンズをX-E1に付けて使ってみて、がらりとイメージが変わりました。

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 フランジバックの短い最新設計のXマウントのおかげか、超広角レンズとは思えないほどのコンパクトさです。普通の単焦点レンズとして扱いに苦労することはなく、大きさもほどほど。巨大なピントリング(AF時は固定されます)と絞りリングによる操作性は抜群。F2.8と言う明るさも、この画角のレンズと考えれば十分です。

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FUJIFILM X-E1, XF14mm F2.8 R, 1/600sec, F2.8, ISO200, -1EV, AWB
 咲き遅れた河津桜。5月になって完全に葉っぱが出てるのに一輪だけいまだに咲いている花がありました。
 こうやって使うとまるで超広角で取ったようには見えません(よね?)。最短撮影距離は18cmと十分短く、およそ普通に使っていて、近づきすぎてピントが合わないと言う場面には出会いません。

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FUJIFILM X-E1, XF14mm F2.8 R, 1/30sec, F4, ISO4000, AWB
 有楽町の高架橋。この辺の高架構造物は煉瓦造りでとても味わいがあります。電車をもっとぶらそうと思ったのに設定が間に合わず。
 最新のレンズらしく、描写性能は抜群です。解像感、コントラスト感はもちろん、隅々までゆがみがなくまっすぐですし、解放でも周辺光量落ちがありません。特にゆがみに関してはライブビュー時からピシッとしていて、撮影後に画角の変化することもないので、デジタル補正によるものではないと思います(詳細は分かりません)。こういった安定感もあって、どんな場面でも使いやすいレンズです。

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FUJIFILM X-E1, XF14mm F2.8 R, 1/400sec, F8, ISO400, AWB
 ある日の雲。変に遠近感を強調しようとするより、普通に風景を撮った方が広さを感じるような気がします。空を撮るにはとても良いレンズだと思います。

 超広角ズームは常々欲しいと思っているのですが、このレンズを使ってみてやはり単焦点かな?と思い始めました。ズームと使い比べたわけじゃないのですが、やはりこのクラスになると、単焦点で割り切った方が飽きもこなくて素直に撮れる気がします。問題なのはやはり一眼レフで使うと大きく印象が異なるのではないか?ということ。これはミラーレス機、というよりはXシリーズのカメラだからこそ感じられた素直さなのではないかと思っています。

X-E1

 さて、本来はおまけで借りた形になっているX-E1。昨年試用させていただいたX-Pro1にはかなり惹かれましたが、やはりそのお値段と大きさがややネックでした。EVFのみとすることで小型化、軽量化を果たし、お値段も手頃となったX-E1はXシリーズの理想型なのでしょうか?

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 実は細かいスペックまではしっかり調べていないのですが、X-Pro1との大きな差はファインダー形式のみだと思っています。それ以外の点で、実際に使っていて大きな差異を感じた部分はありません。ただしその分かなり小型化しているように感じます。X-Pro1はやや手に余る感じでしたが、X-E1は「小さい」とさえ感じます。コンパクト機と比べれば圧倒的に大きいはずなのに、私個人的にはコンパクト機と同じように気軽に持ち出せるカメラだと感じました。
 XF14mmを付けた状態でさえそう感じられるのだから、パンケーキなXF18mm F2Rを付けたらその機動性はかなりのものになるでしょう。これだけでもちょっと惹かれます。

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 Xシリーズでは撮影時にいじるパラメータのほとんどはダイヤル操作となっています。シャッター、絞り、露出補正に並んで私が良く変更するのはISO感度なのですが、これについては専用ダイヤルは用意されていません。メインメニューやFnボタンからISO感度を変更しようとすると、値の選択が上下ボタン操作になってしまうのですが、Qボタンからアクセスすると電子ダイヤルで感度変更ができるので、これをよく使っていました。一手間多いですがそれほど悪くありません。

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 X-E1に限らずXシリーズの特徴的な機能が、豊富なブラケティングモードです。露出ブラケティングのみならず、ISOブラケティング、DR(ダイナミックレンジ)ブラケティング、そしてフィルムシミュレーション・ブラケティングが用意されており、ドライブモードボタンからすぐに呼び出せます。なかでもフィルムシミュレーション・ブラケティングを気に入ってよく使っていました。
 ただし、ブラケティングできるのは3枚まで。一方、X-E1のフィルムシミュレーションモードは10種類あります。その中からどの3枚をブラケティングするかは当然選べるわけですが、その選択はメインメニューの方にあったりして、設定はややわかりにくいと思います。希望としては10種類全部とは言わないので5種類くらい一気にブラケティングできるといいのに、と思っています。
 撮影後、書き込みに時間がかかるのと、同じカットのJPEGファイルがやたらに増えてしまい、あとで整理に苦労するのがこの機能の欠点です(^^;

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FUJIFILM X-E1, XF14mm F2.8 R, 1/680sec, F3.2, ISO800, モノクロ
 PEUGEOT207のステアリングにあるライオンマーク。もともと内装が黒基調なのでカラーなのかモノクロなのかわかりにくいですが、モノクロモードで撮っています。
 X-Pro1もそうでしたが、Xシリーズのカメラはなぜかモノクロで撮ってみたくなります。一眼レフを使ってるとそう感じることは少ないのですが、何かの思い込みによるものでしょうか? いずれにしてもたまにモノクロで撮ってみると新鮮に感じます。ほとんどは何でもない、ただ色彩がなくなっただけの写真なのですが。

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FUJIFILM X-E1, XF14mm F2.8 R, 1/20sec, F4, ISO800, AWB
 あしかがフラワーパークの大長藤。実に見事な藤棚でした。ワイドレンズでそのスケールの大きさを... と思ったのですが、ここではどうして良いか分からなくなり、別に持って行った一眼レフばかり使ってしまいました。
 それにしてもX-E1で改めて感心したのは、FUJIFILM独自のX-Trans CMOSセンサーの高感度性能の高さです。ISO800は「使える」レベルではなく、本当にノイズも何も気にしないで常用できる範囲です。X-Pro1もそうでしたし、X20はさすがにセンサーサイズが小さいせいか、ここまでではありませんでしたが、このX-E1は夜景、夕景には本当に強い味方です。手ぶれ補正付きの標準ズームならさらに鬼に金棒だろうな、と思います。

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FUJIFILM X-E1, XF14mm F2.8 R, 1/600sec, F8, ISO200, AWB
 青空もスッキリ。こういう場合Velviaモードにしたくなりますが、何となく思ってるのと違って、Velviaモードの青空の発色はピンときませんでした。もともと鮮やかなものは普通にとっても良いのかも。

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FUJIFILM X-E1, XF14mm F2.8 R, 1/200sec, F7.1, ISO200, AWB
 逆光でもびくともせず、コントラストも高く、繊細で解像度も高く、ダイナミックレンジも広くて色乗りも良くて... と、撮れる映像という点では本当に安心できるカメラとレンズでした。およそ自分の腕以外の要因で「そういう写真が撮りたかったんじゃないのに...」とがっかりする場面には出会いませんでした。

 ということで、このX-E1とXF14mmという組み合わせは、期待していた以上に手になじむ素晴らしい組み合わせでした。なんだかXマウントを本気で導入したくなってきます。その場合XF14mmは是非とも欲しい1本です。一眼レフで超広角は諦めて、こっちに任せてしまうと。そんなことを妄想しています。
 ただし... 236万画素という高画素の有機ELパネルを使用したEVFは、やっぱり好きになれません。まだまだ荒さを感じるし、ダイナミックレンジが狭くてコントラストの高すぎるファインダー像は見ていてとても違和感を感じます。仕上がりは本当にこんなに白飛びしてしまうんだろうか?と。それでも腕を伸ばして背面液晶を見ながら写真を撮るよりはましなのですが、X-Pro1の記憶があるだけに、ハイブリッドファインダーが欲しくなる、というのが本音のところです。
 この機動性に優れたサイズのボディを選ぶか、使う喜びのためだけに光学ファインダーを取るか、それはそれは悩ましいところです(って、本当に悩んでるのかい!)。

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 案の定、グズグズになりましたが以上でX-E1とXF14mmのレビューシリーズは終わりです。

ファーストインプレ:FUJIFILM X-E1 + XF14mm F2.8 R (2013年4月14日)
実写レビュー1: XF14mmF2.8 R + X-E1で撮る東京スカイツリー (2013年4月21日)
実写レビュー2: 両国散歩 (2013年4月28日)
実写レビュー3: 亀戸天神藤まつり (2013年4月30日)
実写レビュー4: 大藤夜景 (2013年5月6日)
実写レビュー5: 銀ブラ散歩 (2013年5月10日)