酔人日月抄

東京下町に暮らす写真とPENTAXとスキーと時代小説とお酒とプジョーを愛するある男の日常

PENTAX K-30

 もう2週間くらい前のことですが、PENTAXからK-5以来となる久しぶりの一眼レフカメラが発表されました。今更ですが、PENTAXファンとしてはこのカメラについてはひと言書いておかねばなりません。その新機種の名前はK-30。K-5の後継機ではありませんが、K-rの後継というわけでもなさそう。PENTAX的には強いて言えばK-200Dに近い位置づけのカメラでは無いかと思われます。
 小型軽量で簡単かつ比較的安価が求められるエントリー機がミラーレス化している昨今、光学ファインダーを積んだ正統な一眼レフ機は、上のクラスにシフトして行かざるを得ないのかも知れません。

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 それにしても、K-30の発表画像を見てギョッとしたのは私だけではないと思います。スペックに驚く前に、鋭く突き出たそのペンタ部の造形に驚かされました。(上の画像はまた別の意味でギョッとしましたが^^;)

 年明け早々に売れ筋だったはずのK-rがディスコンになり市場から消えて以来、Kマウントのデジタル一眼レフはK-5のみという異常な状態が続いていました。そこにようやく新生ペンタックスの新製品として登場するのはこのK-30です。

 外観はさておき、中身を詳細に見てみればこれがほぼK-5相当と言ってもいい内容になっています。縦に長くなってしまいましたが、まずは主要なスペックをK-5と比べてみました。

 
K-30
K-5
有効画素数 約1628万画素 約1628万画素
撮像素子 23.7×15.7mmサイズCMOS、総画素数 約1649万画素 23.7×15.7mmサイズCMOS、総画素数 約1693万画素
記録サイズ
(画素数)
静止画 JPEG (1) 16M:4928×3264ピクセル、 (2) 12M:4224×2816ピクセル、 (3) 8M:3456×2304ピクセル、 (4) 5M:2688×1792 ピクセル
RAW(16M):4928×3264ピクセル
JPEG (1) 16M:4928×3264ピクセル、 (2) 10M:3936×2624ピクセル、 (3) 6M:3072×2048ピクセル、 (4) 2M:1728×1152ピクセル
RAW(16M):4928×3264ピクセル
動画 (1) Full HD:1920×1080 (16:9)、 (2) HD:1280×720 (16:9)、 (3) VGA:640×480 (4:3) (1) Full HD:1920×1080 (16:9) 、 (2) HD:1280×720 (16:9)、 (3) VGA:640×480 (4:3)
ファイル形式 静止画 JPEG(Exif2.3)準拠、DCF2.0準拠、RAW(DNG) JPEG(Exif2.21)準拠、DCF2.0準拠、RAW(独自/DNG)
動画 MPEG-4 AVC/H.264
(1) Full HD: 〜30fps、 (2) HD: 〜60fpsfps、 (3) VGA: 〜30fps
Motion JPEG(AVI)
(1) Full HD: 25fps、 (2) HD: 30fps/25fps、 (3) VGA: 30fps/25fps
画質 RAW(12bit):DNG
JPEG:★★★(S.ファイン)、 ★★(ファイン)、 ★(エコノミー)
RAW(14bit:PEF、DNG
JPEG:★★★★(プレミアム)、 ★★★(S.ファイン)、 ★★(ファイン)、 ★(エコノミー)
カスタムイメージ 鮮やか、ナチュラル、人物、風景、雅、ポップチューン、ほのか、銀残し、モノトーン、 リバーサルフィルム、クロスプロセス 鮮やか、ナチュラル、人物、風景、雅、ほのか、銀残し、モノトーン、 リバーサルフィルム
感度(標準出力感度) AUTO/ISO100〜12800
(1EVステップ、1/2EVステップまたは1/3EVステップ)、カスタム設定により拡張ISO100〜25600使用可能
AUTO/ISO100〜12800
(1EVステップ、1/2EVステップまたは1/3EVステップ)、カスタム設定により拡張ISO80〜51200使用可能、バルブ時はISO1600まで
記録媒体 SD/SDHC/SDXCメモリーカード(UHS-1対応) SD/SDHC/SDXCメモリーカード
ファインダー ペンタプリズムファインダー ペンタプリズムファインダー
フォーカシング
スクリーン
ナチュラルブライトマット III スクリーン(交換式) ナチュラルブライトマット III スクリーン(交換式)
視野率、倍率 約100%、約0.92倍(50mmF1.4レンズ、∞) 約100%、約0.92倍(50mmF1.4レンズ、∞)
視度調節機能 約−2.5〜+1.5m−1 約−2.5〜+1.5m−1
画像モニター 3.0型TFTカラーLCD、広視野角タイプ、明るさ調整機能付、色調整機能付 3.0型TFTカラーLCD、広視野角タイプ、明るさ調整機能付、色調整機能付、ARコート
ドット数 約92.1万ドット 約92.1万ドット
ライブビュー 撮像素子によるTTL方式、視野率約100%
拡大表示(AF時:2x、4x、6x/MF時:2x、4x、6x、8x、10x)
グリッド表示(16分割、黄金分割、スケール、白とび黒つぶれ警告表示、ヒストグラム表示
撮像素子によるTTL方式、視野率約100%
拡大表示(AF時:2x、4x、6x/MF時:2x、4x、6x、8x、10x)
グリッド表示(16分割、黄金分割、スケール)、白とび黒つぶれ警告表示、ヒストグラム表示
ライブビューフォーカス方式 コントラスト検出(顔検出、追尾、セレクト、スポット) コントラスト検出+顔検出/コントラスト検出/位相差検出
プレビュー方式 光学プレビュー/デジタルプレビュー 光学プレビュー/デジタルプレビュー
電子水準器 2軸(左右、上下)、自動水平補正(1.5°) 2軸(左右、上下)、自動水平補正(2.0°)
構図調整 シフト±1.0mm、回転±0.5° シフト±1.5mm、回転±1°
オート
フォーカス
フォーカス方式 TTL位相差検出式(SAFOX IXi+)11点測距、スーパーインポーズあり TTL位相差検出式(SAFOX IX+)11点測距、スーパーインポーズあり
フォーカスモード オートAF(AF.A)、シングルAF(AF.S)、コンティニュアスAF(AF.C)
AF.Sはフォーカス優先・レリーズ優先切替可、AF.Cはフォーカス優先・コマ速優先切替可
シングルAF(AF.S)、コンティニュアスAF(AF.C)
AF.Sはフォーカス優先・レリーズ優先切替可、AF.Cはフォーカス優先・コマ速優先切替可
測距点切替 5点AUTO、11点AUTO、セレクト(セレクトエリア拡大可能)、スポット 11点AUTO、セレクト、スポット
AF補助光 可能 可能
手ぶれ
補正機能
方式 撮像素子シフト方式 撮像素子シフト方式
有効補正範囲 最大約4EV ※レンズの種類や撮影条件によって異なる 最大約4EV ※レンズの種類や撮影条件によって異なる
ダストリムーバル 超音波振動による撮像素子クリーニング機能、ダストアラート機能付き撮像素子駆動およびSPコーティング 超音波振動による撮像素子クリーニング機能、ダストアラート機能付き
露出制御 測光方式 TTL開放77分割測光、中央重点測光、スポット測光 TTL開放77分割測光、中央重点測光、スポット測光
露出範囲 EV0〜22(感度:ISO100、50mmF1.4レンズ) EV0〜22(感度:ISO100、50mmF1.4レンズ)
露出補正 ±5EV ±5EV
露出モード オートピクチャ、シーン、プログラム自動露出、感度優先自動露出、シャッター速度優先自動露出、絞り優先自動露出、シャッター速度&絞り優先自動露出、マニュアル露出、バルブ、X(1/180秒) グリーン、プログラム自動露出、感度優先自動露出、シャッター速度優先自動露出、絞り優先自動露出、シャッター速度&絞り優先自動露出、マニュアル露出、バルブ、
HDR AUTO、HDR1、HDR2、HDR3、自動位置調整、振り幅設定(±1EV、±2EV、±3EV) AUTO/標準/誇張1〜3、自動位置調整(手持ち撮影対応)
シャッター 電子制御式縦走りフォーカルプレーンシャッター 電子制御式縦走りフォーカルプレーンシャッター
シャッタースピード (1) オート:1/6000秒〜30秒
(2) マニュアル:1/6000秒〜30秒(1/3EVステップ/1/2EVステップ)
(3) バルブ
(1) オート:1/8000秒〜30秒
(2) マニュアル:1/8000秒〜30秒(1/3EVステップ/1/2EVステップ)
(3) バルブ
ドライブモード 1コマ、連続(Hi、Lo)、セルフタイマー(12秒後、2秒後)、リモコン(即、3秒後)、露出ブラケット(3コマ) 1コマ、連続(Hi、Lo)、セルフタイマー(12秒後、2秒後)、リモコン(即、3秒後)、リモコン連写、露出ブラケット、露出ブラケット+セルフタイマー、露出ブラケット+リモコン、ミラーアップ、ミラーアップ+リモコン
連続撮影 (1) 最高約7.0コマ/秒、JPEG(16M:★★★):約30コマまで、 RAW(PEF):約8コマまで、RAW(DNG):約8コマまで
(2) 最高約1.6コマ/秒、JPEG(16M:★★★):カード空き容量いっぱいまで、RAW(PEF):約10コマまで、RAW(DNG):約10コマまで
(1) 最高約7.0コマ/秒、JPEG(16M:★★★):約30コマまで、 RAW(PEF):約20コマまで、RAW(DNG):約20コマまで
(2) 最高約1.6コマ/秒、JPEG(16M:★★★):カード空き容量いっぱいまで、RAW(PEF):約40コマまで、RAW(DNG):約40コマまで
内蔵ストロボ ポップアップ機能付きP-TTLストロボ ポップアップ機能付きP-TTLストロボ
ガイドナンバー 約13(ISO100・m) 約13(ISO100・m)
照射角 35ミリ判換算で焦点距離28mmレンズの画角をカバー 35ミリ判換算で焦点距離28mmレンズの画角をカバー
ストロボ
シンクロ
接点 ホットシュー、Xシンクロソケット、同調速度1/180秒以下 ホットシュー、Xシンクロソケット、同調速度1/180秒以下
電源 (1) 専用リチウムイオン充電池D-LI109、(2) 単3形電池ホルダー D-BH109(別売)使用時…単3形電池4本(リチウム電池、ニッケル水素充電池、アルカリ電池)(3) ACアダプター(別売) (1) 専用リチウムイオン充電池D-LI90、(2) ACアダプター(別売)
電池寿命 (1) ストロボ発光無し:約480枚、(2) ストロボ50%発光:約410枚 ※新品のD-LI90使用、23℃、撮影枚数はCIPA規格に準じた測定条件による目安ですが、使用条件により変わります。(3)再生時間…約270分 (1) ストロボ発光無し:約980枚、(2) ストロボ50%発光:約740枚 ※新品のD-LI90使用、23℃、撮影枚数はCIPA規格に準じた測定条件による目安ですが、使用条件により変わります。(3)再生時間…約440分
外部インターフェース USB2.0(ハイスピード対応)/AV出力端子、外部レリーズ端子、 USB2.0(ハイスピード対応)/AV出力端子、外部電源端子、外部レリーズ端子、Xシンクロソケット、HDMI出力端子、ステレオマイク入力端子
適合レンズ KAF3マウントレンズ、KAF2マウントレンズ(パワーズーム非対応)、 KAFマウントレンズ、KAマウントレンズ KAF3マウントレンズ、KAF2マウントレンズ(パワーズーム対応)、 KAFマウントレンズ、KAマウントレンズ
外形・寸法 約128.5(幅)×96.5(高)×71.5(厚)mm(ホットシュー、操作部材除く) 約131(幅)×97(高)×73(厚)mm (突起部を除く)
質量(重さ) 約650g(電池、SDカード込み)、約590g(本体のみ) 約750g(電池、SDカード込み)、約670g(本体のみ)

 16Mピクセルのセンサーは詳細に見ればK-5のものとは違うようですが、とりあえず解像度に始まり、100%視野率のプリズムファインダー、電子水準器のサポート、超音波方式のゴミ取り機能、そして防塵防滴ボディにデュアルダイヤル操作系など、主要なスペックはほとんどK-5と同じと言っても過言ではありません。

 それどころか、センサーは相変わらず9点クロスの11点ですが、アルゴリズムが刷新されたり、画像処理エンジンが一世代新しくなったおかげか、動画がMPEG-4 AVCになり1080p/30pでの記録が可能になったり、SDXCカードのUHS-1規格に対応したり、(スペック表には表れていませんが)レンズ補正がほぼリアルタイムで実行可能になり、ライブビュー画像のフレームレートも上がっていたりするそうで、1年半分の進化も見られます。

 一方でK-5から比べて削られているのは、ISO感度レンジが狭くなっていること、シャッターの最高速、HDMI端子や外部マイク端子などのI/F類、自動水平補正と構図微調整の可動範囲、ブラケット機能、JPEGプレミアム記録、そして外装がプラスチックになっていると言ったところです。

 電池容量も小さくなっていますが、一方で別売りアダプタを使えば単三電池が使用できると言ったあたりは、K-r譲りな部分。最高連写速度も秒間6コマと、このクラスにしてみれば十分以上に高速と言えそうです。ミラー駆動やシャッターチャージなどのメカ系は、静かで上品なK-5系ではなく、K-r系の流れを汲んでいるそうです。

 ということで、K-5をモディファイして低コスト化したというよりは、K-rをベースに最新の技術で底上げを図ったカメラと言えそうです。そうは言っても防塵防滴ボディに視野率100%のガラスプリズムのファインダーに、水準器が組み込まれたとあっては、もうこれはほぼK-5相当と言うしかありません。

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 そしてもう一つ、このカメラの特徴はK-x/K-rほどではないですが、カラーバリエーション展開がされていること。このあたりからもK-r系の流れであることを示しています。

 レギュラーカラーはシルキーブラック、クリスタルホワイト、クリスタルブルーの3種類ですが、それ以外に日本国内限定で15色が用意されています。基本9色のシルキー版(艶消し)とクリスタル版(艶あり)の2種類展開。質感が重要なので実物を見ないと何とも言えません。

 最初の印象が強烈で、正直なところ「カッコ悪!」と思いましたが、WEB上の写真を見ているとジワジワと良く見えてきました。ディテールがメカメカしさを表現しているようで、やり過ぎ感が無くは無いのですが、妙にツルンとしたカメラが溢れている中で、ここまで角を強調したデザインは間違いなく個性的ではあります。

 K-xやK-rがどちらかと言えば女性をターゲットにしていたとすれば、K-30は多分男性向けに作られているのではないかと。ペンタ部のひさしももしかしたら実物見ると格好いいのかも知れません。

 今年はあと2機種の一眼レフがPENTAXから出るという噂もあります(K-300とK-3?)。是非そうあって欲しいのですが、それよりも既存Kマウントユーザーとしては、むしろ新レンズを待ち望んでいます。あ、そう言えばK-30と同時にDA50mmF1.8が発表されていましたっけ。KマウントだけでなくQマウントの方もどうかお願いしますm(__)m