酔人日月抄

東京下町に暮らす写真とPENTAXとスキーと時代小説とお酒とプジョーを愛するある男の日常

川越小江戸遠足

 今年のゴールデンウィークは天気の悪い日がずっと続きましたが、終盤の5月5日こどもの日だけは、東京周辺はにわか雨もなく終日雲一つない快晴が続きました。天気予報を眺めながら前日に急遽決断し大人の日帰り遠足に行くことに。そんな人達で東京から近い観光地は何処も込んでいたのではないかと思われます。

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PENTAX Q, 01 STANDARD PRIME, P AUTO (F3.2, 1/200sec, ISO125, ハードモノクローム)

 今回の目的地は埼玉県は川越市。小江戸と呼ばれる古い町並みが残っているそうです。特にあてはないぶらり旅。カメラを片手にあちこち歩き回りました。

 ちなみに今回持って行ったデジタルカメラはPENTAX Qのみ。敢えて一眼レフは持たずに出かけました。

特急レッドアロー

 西武新宿駅から本川越行きの特急電車に乗りました。レッドアローという名前は何となく懐かしいですが、実際に乗るのは初めてです。

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PENTAX Q, 01 STANDARD PRIME, P AUTO (F3.2, 1/250sec, ISO125, AWB)

 西武新宿線を走るレッドアローは「小江戸」という名前がついていました。わずか44分の電車の旅。ほんの数駅しか停車せずあっという間に本川越に到着しました。ちゃんとしたシートに座席指定がついていながら特急券は500円もしません。JRの普通電車のグリーン席券よりずっと安い気がします。

クレアモール・大正浪漫夢通り

 さて、本川越駅前はごく普通の現代の街で「小江戸」の風景はまったくありません。ここからしばらく北に向かって商店街を散歩して、小江戸を探しに行きます。

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PENTAX Q, 01 STANDARD PRIME, P AUTO (F3.2, 1/160sec, ISO125, AWB)

 駅のそばからはクレアモールという商店街が北へ続いています。そこで歩き始めた矢先に見つけたのがCOEDOビールや地酒を売る露天。ちゃんと生ビールなんですよね。COEDOビールは地ビールの代表格として有名ですが、この川越産なのです。普通のペールエール系ではなくてその名も「紅赤」というビールを頂きました。強い日差しの下で飲む冷たいビールは美味しいです。

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PENTAX Q, 01 STANDARD PRIME, P AUTO (F3.2, 1/800sec, ISO125, AWB)

 ビールを飲んでいるとなにやら賑やかな行列がやって来ました。ちんどん屋かと思ったら、なにやら化粧をした役者さん達が人力車に乗っています。近くに劇場があるようです。

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PENTAX Q, 01 STANDARD PRIME, P AUTO (F5.0, 1/1250sec, ISO125, AWB)

 そんなこんなで歩いて行くと次は大正浪漫夢通りと名前のついた一角にやってきました。ちょうどこの日はこどもの日。小さな鯉のぼりがずらっと空にはためいていました。恐らく子供の手で作られたものらしく、一つ一つの鯉のぼりはなかなか個性的な仕上がりのものばかりでした。

蔵づくり・時の鐘

 そして川越が今でも小江戸と呼ばれる由縁となっている、蔵づくりの建物が並ぶ通りにやって来ました。

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PENTAX Q, 01 STANDARD PRIME, P AUTO (F3.2, 1/800sec, ISO125, AWB)

 どの建物も江戸時代から明治にかけて建てられた重要伝統的建築物ばかり。作りものの町並みではありませんしレプリカでもありません。思っていたよりも重厚で素晴らしい建物ばかりが並んでいました。

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PENTAX Q, 03 FISHEYE, P AUTO (F5.6, 1/160sec, ISO125, AWB)

 それらの蔵造りの建物の多くは商店になっています。外観だけではなく中も少しは見ることが出来ます。でも残念なのはこの建物の並ぶ前の道が普通にクルマが走る道路になっていること。地元の生活道路でもあるのでしょうし、観光客の勝手なわがままかとは思いますが、ここは歩行者専用になっていたらもっと良いのに、と思ってしまいました。

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PENTAX Q, 03 FISHEYE, P AUTO (F5.6, 1/200sec, ISO125, AWB)

 ということで、車がせわしなく走る中、何となく落ち着かないので蔵づくりの町並み見物は早々に退散してしまいました。横道に入っていくとそこも小江戸を見物に来た人達で溢れています。ここには小江戸川越を代表する、時の鐘と呼ばれる櫓が建っています。高さ16mは1/1ガンダム像よりも少し小さいくらい。現在の建物は明治に建て直されたものだそうですが、それ以前の17世紀中盤からずっとこの鐘楼はあったそうです。

川越城本丸御殿

 時の鐘から東の方へまたひたすら散歩。小江戸風の古い町並みは消えて普通の住宅街が続きます。川越高校があるあたりにはお堀の跡があったりします。郭町という町名が示すとおり、このあたりはもともと川越城の敷地内。その中心部にはちゃんと城跡がありました。

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PENTAX Q, 01 STANDARD PRIME, P AUTO (F1.9, 1/25sec, ISO125, AWB)

 城と言っても石垣があったり何層もの天守があったりするわけではなく、本丸御殿という平屋ながらも巨大な建物がありました。玄関から大広間と、それに続くいくつかの詰め部屋や廊下などは、江戸後期に建てられたものが残っているそうです。入場料はわずか100円。その廊下に上がって江戸時代から残る襖や廊下、座敷などの一部を間近に見ることが出来ます。

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PENTAX Q, 01 STANDARD PRIME, P AUTO (F2.8, 1/160sec, ISO125, -2.7EV, AWB)

 お庭も少しだけあります。敷地が狭く民家やとなりの学校などがすぐそばに迫ってるせいか、あまり風情はありませんでしたけど。現在の本丸御殿は敷地にして本来の1/8しか残っていないそうです。しかし、この川越城跡は日本の名城100選にちゃんと選ばれています。

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PENTAX Q, 03 FISHEYE, P AUTO (F5.6, 1/30sec, ISO3200, AWB)

 家老の詰所は復元された建物でしたが、中ではなにやら家老を中心に地図を広げてお侍が三人で密談をしています。良いですねぇ、こういうの。両脇の行灯の中は電球だとは思いますが、天井から無粋な照明など付けておらず、真昼なのに中は薄暗くて、当時の屋敷内は晴れの日の昼間でもこの程度の明るさだったんだろうな... と想像させるリアリティがあります。おかげでISO3200にしないとF5.6の暗いレンズでは写真が撮れませんでした(^^;

めし処 一貫

 快晴の連休中とあって川越は私たちのような観光客で溢れていました。ちょうどお昼の時間ですが、飲食店もどこも混んでいるようです。そんな中、時の鐘方面に少し戻ったところで、良さそうな鰻屋さんを見つけました。事前に下調べしたものではなく、完全に現地で嗅覚に頼って入ったお店です。

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PENTAX Q, 01 STANDARD PRIME, P AUTO (F1.9, 1/60sec, ISO640, AWB)

 ランチのメニューはシンプルで、ほぼ鰻重のみ。鰻は最近稚魚の不漁が続き価格が高騰してきているそうで、そのうち庶民にはまったく手が出なくなるかも知れません。なので、食べられるうちに食べておこうと、もちろん鰻重の上を発注。暑い中歩いたのでビールも喉に染み入ります。お座敷も広くて涼しくて、ビールも美味しく、鰻はボリュームがあってなかなかいいお店でした。それにお値段がなかなかリーズナブル。お店を出たところで入ろうかどうしようか迷っていた夫婦にもお勧めしておきました。

喜多院

 しっかり食べて飲んでエネルギーを補充したら、次の目的地へ出発。今度は進路を南東へ取り、喜多院へ向かいます。

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PENTAX Q, 01 STANDARD PRIME, P AUTO (F3.2, 1/640sec, ISO250, ハードモノクローム)

 喜多院は別名、川越大師とい呼ばれているお寺です。境内はとても広くて桜や樅の木が鬱蒼と並んでいました。1ヶ月ほど前はさぞかし綺麗だったことでしょう。本堂の他に庭園や川越藩松平家のお墓、それに五百羅漢などもありました。ここはなかなか見所が多くて、写真を撮るにも風情があっていいところかも。

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PENTAX Q, 01 STANDARD PRIME, P AUTO (F3.2, 1/800sec, ISO125, AWB)

 小高い丘の上にあった慈眼堂という建物のまわりは桜だけでなく紅葉なども。紅葉の季節はこれまた綺麗でしょう。でも5月は新緑の季節。みずみずしい緑の世界もとても綺麗です。ちなみにこの丘、前方後円墳の一部だそうです。凄いところに建っているものです。

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PENTAX Q, 01 STANDARD PRIME, P AUTO (F3.2, 1/800sec, ISO125, ハードモノクローム)

 この慈眼堂になぜか凄く興味を引かれたのですが、一部分から中が覗けるようになっていました。真っ暗でよく見えなかったのですが、この建物の中にまた小さなお堂があるように見えました。平泉の金色堂みたいなものかと思ったのですが、後で調べてみてもそうではなく、この外側の建物自体が慈眼堂のようです。

東照宮

 喜多院の横には成田山もあるし、日枝神社もありました。そしてもう一つあったのが東照宮。日本全国に東照宮と名のつく神社はたくさんありますが、ここもその一つ。仙波東照宮と呼ばれているもので、数ある東照宮の中でも三大東照宮の一つとされています。もちろん祀られているのは権現様、つまりは徳川家康公です。

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PENTAX Q, 01 STANDARD PRIME, P AUTO (F3.2, 1/250sec, ISO125, -1EV, AWB)

 鬱蒼とした森の中に続く階段。いかにも東照宮らしい風情です。

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PENTAX Q, 01 STANDARD PRIME, P AUTO (F1.9, 1/60sec, ISO160, AWB)

 もちろん日光の東照宮に比べるとすべての規模が小さいですが、建物の構造や配置はほとんど同じように見えました。そして東照宮と言えば派手な色使いに派手な木鼻などの彫物が有名です。日光には獅子はもちろん像の木鼻などもありましたが、この川越東照宮の木鼻は龍と思われます。

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PENTAX Q, 01 STANDARD PRIME, P AUTO (F2.8, 1/125sec, ISO125, AWB)

 そしてもちろん灯籠だらけ。本当に所狭しと並んでいました。この光景を見るだけで間違いなくここは東照宮だと分かります。三大東照宮の一つと聞いてから行くとちょっと複雑な気持ちになるかも知れませんが、蔵づくりの町並みや本丸御殿よりもよほど古い時代に建てられたまま(徳川家光が再建したものが)残っているものであり、遺跡というか文化財としてのレベルは格段に素晴らしいものだと思います。

 ということで、川越の市内の中心部をぐるりと一周、すべて歩き通しました。休憩を入れても4時間ほどでしたが、5km以上は歩いたのではないかと思います。日差しは強かったのですが、まだ気温はそれほど高くもなくカラッとしたさわやかな一日でした。日頃の運動不足解消にもなったしなかなか楽しい遠足でした。

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PENTAX Q, 01 STANDARD PRIME, P AUTO (F3.2, 1/320sec, ISO125, 極彩)

 PENTAX Qは軽量コンパクトでやっぱり散歩カメラには最適。今回はレンズも3本とも持っていったのですが、荷物にもならないしレンズ交換も気楽に出来ます。でも、ここに並べた写真からも分かるように、やっぱり私は標準ズームは必要ないのかも。単焦点と魚眼ばかり使ってしまいました。
 途中でK-5があればなぁと後悔するかも?と心配していましたが、幸いそういうことはありませんでした。いや、それはQがK-5の代わりになるという意味ではなく、まったく違うジャンルのカメラとして、被写体を探す目と頭が完全に"Q"モードになる、ということです。ほとんど思ったようには撮れていないのですが(A^^; 凹むと同時に新鮮な気分です。

 さて、またカメラを持ってどこかに遠足に行きたいと思います。


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