酔人日月抄

東京下町に暮らす写真とPENTAXとスキーと時代小説とお酒とプジョーを愛するある男の日常

沖縄の旅:観光編(1)

 さて結婚式の翌日は完全フリー。レンタカーを走らせて観光に出かけました。と言いますか、今回わざわざ沖縄までやって来たのですが、諸事情により残念ながら一泊しかしないという、実に勿体ない日程を組んでしまいました。なのでこの日は早くも夜7時過ぎの飛行機に乗って帰らなくてはなりません。

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 時間がないならいっそのこと綺麗な海の見える場所でボーッとするのも良いかな?とも思ったのですが、宿泊地が那覇市内と言うことも考えて、那覇から南側をぐるっと一回りすることにしました。

 天気はあいにくの曇り時々雨。どんよりとした低い雲が垂れ込めていていました。残念ながら目の覚めるような青空と青い海は見られませんでしたが、結果的に今回回ったところの多くは、雨の中でも十分に楽しめるところでした。以下、長文かつ写真がいつも以上に多くなるので2つのエントリーに分けました。

知念岬

 一日をめいっぱい使おうと、朝食を食べてホテルを出発したのは8時前。まずは車で国道311号線をひとっ走りして、沖縄本島の南東の端にある知念岬へ。いえ、本当は斎場御嶽を目指したのですが、ゲートが開く30分ほど前に到着してしまったので、すぐ近くにあった知念岬公園で時間をつぶすことにした、というのが本当のところです。

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 いやいや、晴れていたらさぞかし綺麗なことでしょう。それでも雨に濡れた新緑は青々としているし、海の色も南国らしくエメラルドグリーンなのが少しは分かります。

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 ありがちですが、何だかよく分からないモニュメントがありました。「宇宙軸より無限の記憶」と書かれています。自分を映し込んで記念写真を撮っておきました。

斎場御嶽

 「琉球王国のグスク及び関連遺産群」として世界遺産に登録されている遺跡の一つです。「せーふぁーうたき」と読むそうです。そもそも何だか分からずに訪れましたが、入り口に小さな資料館のようなものがあり、そこに一通りの説明があります。そのおかげで、この遺跡の価値を理解するための最低限の知識を得ることが出来ます。

 ここは15世紀頃の琉球王朝の聖域として、宗教的な儀式が行われた場所で、いくつかの拝所などからなっています。当時は男子禁制だったそうです。ガイドブックに載っているからと言って気軽に訪れてみた観光客の一人でありながら、こんなにカジュアルに、無防備に公開されていて良い場所なのだろうか?と思うほど素晴らしい遺跡でした。

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 入場は有料で午前9時から。ここはその入り口で右の細い通路を入っていきます。石畳もすべて当時の造られたまま。路肩が保護してありましたが、各所にある排水溝なども当時のものだそうです。

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 こんな感じの拝所がいくつかあります。上にせり出している岩と、そこから突き出てる突起は天然のモノと思われますが、それらがが重要な宗教的意味を持っていたのでしょうか。

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 三庫理(サングーイ)と呼ばれる場所。この細い岩に挟まれた通路の奥に久高島を望む拝所があります。ここが斎場御嶽の一番奥となります。

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 三庫理の手前にはやはり拝所があり、頭上に垂れた鍾乳石から滴る水を受ける壺が置いてあります。この水は神聖な水であり、触ったりしてはいけないし、お賽銭を投げてもいけない、と注意書きがされていました。

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 斎場御嶽は鬱蒼とした森の中にあります。それも南国独特の雰囲気。雨が降っていたので逆に風情がありました。蒸し暑かったですけど。

知念城趾

 さて次はどこへ?と地図を眺めていると、特にお勧め観光スポットとして何も情報はないながらも、城跡のマークを発見。何となく観光というと行ってみたくなりますよね、城跡。多分小さなお城なんだろうと思い、通りがかりなので軽い気持ちで寄ってみることに。しかし国道から外れたアクセス路は細い急な山道で、本当にここなのか?と心配になるような場所にありました。

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 ここが正門。石を積んだ城壁の一部だけが残っているようで、木の枠はもちろん補強と保護のために取り付けられたもの。しかし、小さな看板などが立っているだけで、ほとんどうち捨てられたようにひっそりとしていました。この時は私たち以外にほかに見学者はいませんでした。築年代や経緯などはよく分からないそうです。

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 一部の石垣を分解し修復、または調査を行っているのでしょう。マーキングした石が綺麗に並べられていましたが、これも無造作に置かれていました。

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 城郭の外に「ノロ屋敷跡」と表示のある遺構がありました。鬱蒼とした森と草の中にあって、本当に手つかずのそのままの姿のようです。

 後にネットでいろいろ調べると、正門などの城壁跡やノロ屋敷跡以外に、周囲には知念城に関わるたくさんの拝所などの遺構があったそうです。知らずに行ったのでほとんど気づかずに城壁だけ眺めてきてしまいました。

糸数城趾

 知念城のあまりの遺跡っぷりに少し興味を引かれて、もう一つ似たような城趾を訪ねてみました。国道311号線を西へ向かいつつ、南城市役所の付近で少し寄り道。山を登ります。小さな看板が時々出ているので、ここはそれなりに整備された城跡かと思えば、そうではありませんでした。最後は未舗装の道を200mくらい進んだところに、忽然と巨大な城壁が現れます。

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 ちなみにレンタカーはデミオでした。同じクラスでは他にもフィットかマーチがあったのですが、どれに当たるかは運次第。そういう場所に行ってたせいもありますが、どこもかしこもレンタカーナンバーのこのクラスの車だらけでした。なお、デミオはなかなか運転しやすくて乗り心地も良かったです。
 駐車場だか何だか分からない広場にクルマを停めましたが、その周囲にすでに石垣が巡らされています。

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 駐車した広場から森を抜けると忽然と目の前に巨大な石垣が現れました。知念城よりもずっと規模の大きいお城のようです。しかし城壁に近づくには獣道のような道しかありません。ハブなどに注意が必要かも。

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 城壁の向こう側に入ってみました。何というか圧倒されます。高さは6mほどだそうですが、近くで見上げるともっと大きく感じました。ここもまた手つかずのまま放置されているかのようです。実際には調査や修復、管理はされているのだと思いますが、見学者(観光客)向けの整備はされていません。ただし、ここには私たち以外にも見に来ている人がいました。

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 全貌がよく分からなかったのですが、大きな石垣がずっと続いており、地形に合わせて上下にうねっていました。全長もかなりあるように思われます。このお城も詳細は詳しく分かっていないようですが、14世紀頃に築城されたものと推定されているそうです。

 天候と相まってなんだかとても幻想的な空間でした。城跡と言っても、そこはやはり気候や文化の成り立ちの違いがあり、この地域や城に関する歴史を何も知らなくても、この"遺跡"のエキゾチックな雰囲気には圧倒されます。

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 野生の朝顔もたくさん咲いていました。

ひめゆりの塔

 城跡はこのくらいにして、国道311号線をさらに西へ進みます。この先には平和祈念公園がありますが、悩んだ末にそこはパスして、その少し先にあるひめゆりの塔へやってきました。19年前に沖縄を旅行したときの記憶の中で、ここだけは良く覚えています。それはいろいろな意味でショックを受けたから。
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 沖縄には「○○の塔」と呼ばれる碑がたくさんあり、いずれも戦争で亡くなった方々を供養するためのものです。中でも有名なのがこのひめゆりの塔。戦争末期、陸軍病院に看護要員として従軍した女学生達の悲惨な最期の地となった壕があります。

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 その壕は今でもぽっかりと口を開けています。献花がたくさんされてお参りに来るひとが絶えませんが、その周囲はこの地の意味に比べると不似合いなほど観光地化されており、駐車場の呼び込みの多さに怯んで思わず一度は通り過ぎてしまったほどです。

 で、19年前に何にショックを受けたかというと、この塔のそばにある「ひめゆり平和祈念資料館」です。そこにはひめゆり学徒隊が悲劇的な最期を遂げる経緯が非常に事細かに説明されており、その内容は本当に想像を絶するようなものばかりです。
 そこには政治的な意味合いはまったく感じられません。純粋に、民間人を巻き込んだ沖縄戦の最後がいかに悲惨な状態であったかが、事実として淡々と示されています。

 展示内容は数年前に更新されたそうで、改めて見学してみました。何より説得力あるのは最後のコーナーにある、生存者達の証言集です。碑やモニュメントにお参りするだけでなく、是非ここは入館してみる価値があると思います。

道の駅いとまん

 さて、この辺でそろそろお昼の時間。再び車で311号線を走り、那覇方面へ戻っていきます。もうほとんど那覇市内というところで、道の駅いとまんに立ち寄ってみました。ここは日本最南端にある道の駅だそうです。観光客よりも地元民のほうが多いような感じです。

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 かなり規模の大きい道の駅で、そのなかのフードコートで沖縄そばを使ったケチャップ焼きそばというのを食べました。かなりジャンクフードです。ケチャップというわりには普通のソース焼きそばの味がしました。物産もいろいろあったので、お土産なんかもここで買いました。

 まだまだ観光は続きます。

 <観光編(2)へ続く>


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