酔人日月抄

東京下町に暮らす写真とPENTAXとスキーと時代小説とお酒とプジョーを愛するある男の日常

真性ミラーレス一眼 K-01

 いやいや、またまた変なカメラがペンタックスから出てきました。その名は"K-01"。しかし、現時点ではヨーロッパとアメリカで発表されただけで、日本国内向けには発表はされていません。新製品の導入は日本先行が多いペンタックスにしては珍しいことではないかと思います。来週から始まるCP+2012にも登場するのかどうか、今のところはっきりしません。

3 Colors of K-01

 先日"ミラーレス"と呼ばれているカメラについてくどくどと書きましたが(→ ミラーレス考:2012年1月14日)、このK-01を見て腑に落ちました。これこそ本物の「ミラーレス一眼」なのだと。
 と言う意味は、このK-01はまさしく、既存の「一眼レフカメラ」からレフレックスミラーを含む光学ファインダーを取り除いてライブビュー専用としたレンズ交換式カメラなわけです。その成り立ちからしてこれを「ミラーレス一眼」と呼ばずして何と呼ぶのでしょうか。逆の意味で今まで「ミラーレス一眼」と名乗ってきたカメラは、やっぱり違うんじゃないの?という思いを強くしました。
 それはさておきK-01です。どのくらい変なカメラなのでしょうか?

Kマウント継承

 K-01の特徴は何といってもマウント。まさかのKマウントなのです。過去登場したいわゆる「ミラーレス機」がすべてオリジナルのショートフランジバックなマウントを新しく作ったのに、既存の一眼レフマウントをそのまま採用したのは、このK-01が初めてではないかと思います。どこかにありそうでなかったシステムといえます。

 既存のKマウントを使うメリットは、過去も未来もレンズ資産をKマウント一眼レフ機と共用でそのまま使えること。一方のデメリットと言えば、ミラーボックスを前提にした長いフランジバックのせいで、カメラ本体の小型化(主に前後の厚み方向)が難しいことに加え、絞りの駆動やAFカップリングなど旧来の機械連動機構も残っているという点は、コストや設計自由度、重量等の点で足かせになるかもしれません。

マーク・ニューソン

 K-01はマーク・ニューソンというデザイナーがデザインしたボディをまとっています。全体的なフォルムは意外にオーソドックスな気もしますが、ダイヤルやボタン、外装の仕上げや色使いなどなど、細部のデザインはさすがに凝っているようです。長いフランジバックのおかげで、他の小型薄型軽量な「ミラーレス機」のようなスマートさはありませんが、むしろそれを逆手にとって、というか開き直ったかのようなころんとした、ブロックのような姿形をしています。

 実際に手にした感覚や質感はまだわからないのですが、写真で見る限りは何とも言えません。ネット上でも賛否の声が入り混じっていますが、私個人としては意外にツボに入ったかも?と感じています。これはこれでアリなのではないかと。少なくとも、過去の製品に似た形状に仕立て上げて、DNAが何ちゃらと言ってしまう自己パロディなレトロ路線よりはずっと前向きで良いと思います。

ファインダー

 光学ファインダーはもちろんありません。ファインダーとしては、背面液晶によるライブビューのみでEVFは搭載されず。背面液晶は3インチの92万画素と最近では極普通のスペックのパネルが固定されています。ライブビュー専用機ともなれば、せめてバリアングルかチルト機構でもついているかと思えばそれもありません。思い切った割り切りです。デザインのためか、コストのためか分かりませんが。

 しかし、一眼レフの流れを汲んだKマウント機をミラーレス化したのであれば、もう少しファインダー機構にこだわりが欲しかったと個人的には思います。まさかこれに外付けのOVFなんかつけたらいろんな意味で格好悪いですし。

スペック

 その他スペックですが、センサーは16Mピクセルでセンサーシフト式手ブレ補正付き。センサーのゴミ取り機構はK-xやK-rのゴトゴト方式ではなく、K-7/K-5と同じローパスフィルターを超音波振動させるタイプなので効果は期待できます。オートフォーカスはコントラスト検出で81ポイント、MF時は6倍までの拡大とピーキング機能がサポートされているそうです。
 感度は標準でISO100-12800、拡張設定で高感度側に1段伸びて、ISO100-25600。最近のペンタックス機の常として、高感度性能は期待できます。シャッターはもちろんフォーカルプレーンで1/4000secまで。露出モードは一般的なP、A、Sとマニュアル、シーンモードにHDRがダイヤルで選べます。

 と、全体的に見ていくとほぼK-rクラスの機能は網羅されていそう。防塵防滴やら電子水準器やGPSなどは搭載されていません。

PENTAX K-01
型式 レンズ交換式デジタル一眼カメラ
マウント ペンタックスバヨネット KAFマウント
撮像素子 種類:原色フィルター/CMOS, サイズ:APS-C (23.7x15.7mm), 有効画素数:約1628万画素
ダストリムーバブル SPコーティングおよびローパスフィルターの超音波振動による
感度 AUTO/100〜25600(1/3EVステップ)
手ぶれ補正 撮像素子シフト式(最大4段まで)
記録形式 RAW(12bit), JPEG
記録媒体 SD,SDHC,SDXC
液晶モニター TFT広視野角タイプ、3.0インチ、92万画素
オートフォーカス 81点コントラスト検出式(AUTO、Select、センター)補助光付き
測光 イメージセンサー測光、1024分割マルチ、中央重点、スポット
露出補正 ±3EV, 1/3EVステップ, AEロック、ブラケティング可能
シャッター フォーカルプレーンシャッター:1/4000〜30秒(1/3EVステップ)、バルブ
連続撮影 Hiモード時:約6コマ/秒、Loモード時約3コマ/秒、多重露出、インターバル撮影可能
内蔵ストロボ ポップアップ式、P-TTL調光、GN12(換算28mm相当までカバー)、調光補正あり
シンクロ速度 1/180sec
撮影機能 プログラム、絞り優先、シャッター優先、マニュアル、バルブ、フラッシュOFF、HDR、シーン、オートピクチャ、カスタムイメージ、高感度NR、ハイライト補正、シャドー補正、レンズ歪曲収差補正、デジタルフィルター、HDR、多重露出、インターバル
動画 MPEG4AVC/H.264, FullHD/30fpsまで, ステレオ音声
電源 専用Li-ION電池D-LI90、約540枚(CIPA)、再生時間約320分
外部インターフェース USB2.0/AV出力/HDMI(typeC)
外寸 約121mm(幅)×79mm(高)×59mm(厚)(ホットシュー、操作部材除く)
重量 約560g(専用電池、SDカード付き)、約480g(本体のみ)

極薄レンズ

 K-01と同時にDA40mmF2.8 XSという超パンケーキレンズも発表になりました。DA40mmと言えば今までもLimitedレンズとしてラインナップされており、もともと十分に薄くてパンケーキレンズの代表みたいなレンズでしたが、今回のXSバージョンはさらに薄くなっていて1cmを切っているそうです。

 このレンズもマーク・ニューソンデザインなのでしょうか? K-01に取り付けた姿はピタリとハマっています。当初はバックフォーカスが短くなっていてK-01専用ではないか?という噂もありましたが、どうやら他のKマウントのデジタル一眼レフで使えるようです。

 しかし、パッケージサイズを小さくするという意味では良いレンズなのですが、40mmという焦点距離はフルサイズ換算では60mm強となり、やや長すぎて中途半端。F2.8という明るさはそこそこですが、付けっぱなしにするには辛いレンズです。しかも最短撮影距離も40cmとあと一歩のままです。これだったら、多少大きくなっても、DA21mmあたりでXS化したほうが実用性があるのではないかと思います。もちろん、既存のDA Limitedレンズもそれなりに似合うと思います。

K01&DAlens

レンズロードマップ

 K-01とは直接関係ないのですが、個人的にはこのK-01の発表とともにこっそりとKマウントレンズのロードマップ(リンク先はpdfファイルです)が更新されて再び公開になってることもとても気になります。
 これによると、2012年中にあと3本、2013年以降に4本とテレコンバータが1本計画されていることになっています。高倍率ズームやワイドズームなど気になるレンズが満載。過去のロードマップに載っていたレンズは、実現率が半分くらいだったと思いますが、今度こそはすべて実現して欲しいと思います。過去1年くらいはほとんど新レンズがなかっただけに、Kマウントの先行きが心配でしたが、K-01とともにロードマップが更新されたことで、Kマウントの将来が見えてとても安心しました。

とりあえず感想

 もちろん実物には全く見ても触ってもいないので、インプレッションも何もないのですが、正直なところWEBで製品情報等見ている範囲では、微妙な製品だなと思います。これ、既存のKマウントの未来という感じでもないし、既存ユーザーにはあまり関係ない商品なのかと。
 Kマウント一眼レフの現行機種は、現在のところK-5だけになっています。一番売れ筋のエントリー機、K-rは昨年末にディスコンされてからもはや流通在庫のみ。タイミングからしてこのK-01は、もしやK-rの後継機なのか?という気がしなくもありません。一眼レフのエントリー機は小型軽量で比較的安価な「ミラーレス機」に侵食されつつあると言われ続けていますが、もはや一眼レフ形式でエントリー向けに競争力のある製品は作れないのでしょうか?

 それに対するペンタックスの回答が、新たにセンサーや新マウントを起こすのではなく、Kマウントのままミラーを取り払う、というある意味逆転の発想で作られたカメラがこれなのかもしれません。それは一周回り回って正解なのか、本末転倒なのかまだよくわからないところがありますけど。

 でも... ネット上に流れているいろいろな写真を見ていると、なんだかジワジワと気に入ってきてしまいました(^^; まずは実物に触ってみたいところです。CP+には出展されてることを期待したいと思います。