酔人日月抄

東京下町に暮らす写真とPENTAXとスキーと時代小説とお酒とプジョーを愛するある男の日常

2012年F1第17戦 インドGP

 秋のアジアラウンドも終わり(インドはアジア?)、大詰めを迎えたF1は今年で2年目となるインドへ。通関やビザにいろいろ問題があると言われていますが、テレビ画面から見えてくるレースの様子はどこにも変わりはありません。F1新興国とは言え、インド資本のチームもあり、スポンサーもあり、ドライバーもいるとあっては、今では日本以上にF1への関わりが深い国と言えるのかも。それを反映してか、お客さんの入りはかなり多く大盛況のようです。
 チャンピオン争いは、事実上ベッテルとアロンソの一騎打ちになっています。インドでもやはりレッドブルの勢いは止まらないようで、フリー走行から予選に至るまで完璧にアロンソ/フェラーリを突き放します。このままベッテルは3年連続チャンピオン獲得へ突っ走って行くのでしょうか。

オープニングラップ

 スタート直後、レッドブルの2台は無難に決めて早くも逃げて言ってしまう中、アロンソ対マクラーレンの2台のバトルは見応えがありました。DRSも使えない中で行われた正真正銘のドライバーの力による戦いです。オープニングラップではいかに現代F1と言えども超接近戦になるわけで、そう言う意味ではどこかで見たような風景。そう、韓国GPのオープニングラップもこんな感じでした。それは長くてうねりのある幅広のストレートの先にフルブレーキングを要する低速コーナーがあるという、コースレイアウトが似てるせいかもしれません。
 接触は絶対に避けなければならず、かといってマクラーレンの前に出なくては先がないアロンソにとっては、非常に難しい場面だったことでしょう。しかも相手は失うものがなくてリスクを負えるマクラーレンなのですから。そう考えると、このオープニングラップのアロンソの働きはさすがとしか言いようがありません。

ベストレース

 結局マクラーレンはレースペースがなく、無理をしなても早晩抜けたのかも知れません。でもそれでは終盤にウェバーに追いつけなかったかも知れず、そう考えるとベッテルに負けたとは言え、アロンソにとっては出来るだけのことはやりきったレースだったと言えそうで、それはレース後のアロンソの様子にも現れていたと思いますし、「キャリアの中でベストなレースの一つ」というのは、あながち大げさでもなさそうです。
 最終的にチャンピオンに手が届かなくても、こういうレースをやって負けたのなら、仕方がないと納得するしかありません。

タイヤ

 なぜなのかは分かりませんが、今回のレースではほとんどタイヤのデグラデーションはなかったそうです。なので珍しくほとんどのチームが1回ピットストップ作戦を取りました。でもそれはタイヤ管理が簡単ということではなく、前後ともに上手く作動領域に持ち込むのが難しく、各ドライバーがタイヤに手を焼いていいる様子が特に予選から覗えました。それはレースになっても基本的に同様です。
 その辺を完璧にこなしたのはベッテル。マシンの素性もあるのでしょうが、やはりドライバーとしてタイヤ管理がとても上手いのだと思います。アロンソも予選のミスで思いがけず古いタイヤでスタートせざるを得なくなりましたが、結果的に第1スティントを予定通りのスピードで予定通りの周回走りきり、そのハンディを感じさせないレースをしてのけました。やっぱりこの二人は特別です。
 それにしても、今回は接触によるパンクが目立ちました。シューマッハ然り、マルドナド然り、ペレスもそうでしたっけ。繊細なのは分かりますが、あんなに簡単に切れてしまうタイヤで大丈夫なのでしょうか?

ナンバー2

 自身のチャンピオンの可能性も消えたところで、ベッテルのチームメイトとして、1コーナーで無理な争いをせずに引いたあたりまでは良かったのですが、レース終盤になってからタイヤに苦しみだし、最後はKARSも失って満身創痍。2位を死守しアロンソから少しでもポイントを奪うことがチームから期待された使命だったはずですが、あっさりとアロンソに前に行かれてしまいます。まぁ、KARSがなくなったのであれば仕方ないですし、それは半分はチームのせいなのかも。
 それでも表彰台には上ったために、インタビューで無視されてしまったのは可哀想なシーンでした。「昔のようにあそこでアロンソに当てなかったのはなぜですか?」くらい意地悪な質問が出た方がまだ良かったのでしょうか? 空気に耐えきれなくなって退席したあたりは、本当にウェバーはベッテルが嫌いなんだな、と再確認できた瞬間です。
 まぁ、その緊張感がベッテルにもチームにとっても良いのかも知れません。フェラーリのような絶対的な上限関係よりも、仲良しこよしの関係よりもずっとプロらしくて健全だとは思います。

ノーポイント

 さて、小林可夢偉。珍しく予選でペレスに完敗。テレメトリーの故障でKARSの回生システムが上手く働かなくなってしまったそうです。そう言う意味ではチーム責でもあるのでしょう。しかし今回はだれもが1ストップとあっては、タイヤ戦略で奇襲をかけることも叶わず、完走はしましたがノーポイント。日本GPが最後の花道にならないように頑張って欲しいと思います。

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 残りはあと3戦を残すのみ。またまた連戦で今週末はアブダビGPです。