酔人日月抄

東京下町に暮らす写真とPENTAXとスキーと時代小説とお酒とプジョーを愛するある男の日常

2012年F1第14戦 シンガポールGP

 F1は再びアジアへ戻ってきました。秋のアジアラウンドは南国のシンガポールから。5年目にしてすっかり名物レースとなった、F1カレンダー中唯一のナイトレースです。世界的に見ても有数の大都市、シンガポールのど真ん中に設置されたストリートコースを、煌々と灯りで照らして行われるF1のレース。その風景は何とも言えない美しい非日常の世界です。
 レーシングコースとして見てみれば、市街地サーキットの常として、グリップは悪く凸凹で、直角コーナーが多くて狭いコース幅にすぐ迫り来る壁、という悪条件が重なっています。当然のように平均速度が遅く、レース時間が長いことでも有名です。

2時間耐久レース

 今回のレースでは2回のセーフティーカーの影響もあって、ドライコンディションにもかかわらず2時間制限ルールにより59周のレースとなりました。中断なしの2時間レースというのは、テレビでのんびり見ているだけでも相当に長く感じるのですから、まるで「永遠に続く」かのように感じられると言うドライバー達の言葉にも頷けます。いえ、もちろん実感もなく想像できないことなのですが。
 F1のレースは概ね走行距離が300kmになるように周回数が定められていますが、そうなると当然タイトなコーナーが多く平均速度が遅いコースではレース時間が延びていきます。そのためモナコGPは特例でレース距離が260kmとなってレース時間を調整している例があるわけで、シンガポールも毎年レース距離短縮が話題に上っているそうです。
 ですので来年あたりは50周くらいになっているかも知れません。そうするとタイヤ作戦もだいぶ余裕と幅が出てくるわけで、その方がよりF1らしい面白いレースになるのではないかと思います。

復活

 その耐久レースを制したのはセバスチャン・ベッテル。久々の優勝で、彼にとっては今季二勝目。ハミルトンが消えたことはかなりラッキーだったと言わざるを得ませんが、決して楽なレースではありませんでした。特に序盤、誰よりも早く一回目のピットインをせざるを得なくなり、この抜けないコースの中で、トップ10内を争う激しい渋滞の中を追い上げて優勝争いに残った走りは見事だったと思います。それがあったからこそ、ハミルトンがリタイアした恩恵を最大限に手に入れることが出来たのですから。
 これでポイントランキングでは単独2位と言える位置に返り咲きました。トップのアロンソからは29ポイント差。残り6レースあることを考えれば、まだまだ逆転の可能性は大いにあります。

不安

 前回のイタリアGPでは、3位に甘んじながらも笑顔で機嫌良くしていたアロンソですが、今回のレースでは同じく3位に滑り込みながらも、表彰台の上ではどことなく浮かない様子でした。それはベッテルとの関係が一番大きく影響していると思われます。前回突き放した得点の多くを今回取り返されてしまいました。依然としてアロンソはレッドブル、特にベッテルを一番警戒しているようです。
 それに加え、マシン的にフェラーリの好調にやや陰りが見えてきて、はっきりとマクラーレンには差を付けられ、そしてレッドブルにも今回は惨敗。戦えるだけの力がなかったと言うことが、今後6戦の行方に不安を覚えさせているはずです。アロンソにとってはこれからが正念場です。

不足

 無残と言えばザウバー... トップ4に割って入るだけの速さを時々見せながらも、今回は逆に手の施しようがないペース不足に苦しみました。このムラの大きさがやはりマシン的にもチーム力的にも、中段以下の実力しかないことを証明していると思います。
 予選前から小林可夢偉は「今シーズン最悪の状態」だとコメントしていました。その言葉通り、今シーズン初のQ1落ち。レースでもパッとせず、常に15位あたりをウロウロしているようでは、ポイント取るのも無理な話です。
 絶好調のペレスをもってしても、奇跡のような速さは見られず。しかし可夢偉よりは常に上回っていたと思います。そして最終的に棚ぼたとは言え1ポイントを取ってしまいました。こういう役目は昨年までは可夢偉が果たしていたんですけどねぇ... そういう点では今回も可夢偉ファンにはモヤモヤが残るレースでした。

いよいよ!

 ということで、シンガポールGPは終了。と言うことは次は2週間後に第15戦です。その舞台は日本、もちろん鈴鹿サーキット。今年も現地観戦してきます!