酔人日月抄

東京下町に暮らす写真とPENTAXとスキーと時代小説とお酒とプジョーを愛するある男の日常

2012年F1第13戦 イタリアGP

 先週のベルギーGPに引き続き、夏休み明けのF1は2連戦となりました。今回は伝統のクラシックレースの一つ、イタリアGPです。その舞台はもちろんモンツァサーキット。言わずと知れたフェラーリのホームレースです。このレースを持って夏のヨーロッパラウンドは終了となり、いよいよチャンピオンシップも大詰めとなります。いかに混戦の今シーズンと言えども、そろそろ方向性が決まってくる頃です。
 天候は快晴で完全なドライコンディション。他にはない超高速サーキットは、エンジンにもブレーキにもドライバーにも辛いコンディションですが、意外にもタイヤ戦略の差は大きくなかったようです。勝敗を分けたのは、セッティングなのか腕なのか、あるいは運なのか? 見た目以上に結果は波乱のレースとなりました。

チャンピオン争い

 今年のモンツァでは最速のマシンと言われたフェラーリでしたが、予選からアロンソはトラブルに見舞われて、完璧な結果が残せませんでした。レースでもライバルの自滅や、マッサのアシストを受けてようやく3位表彰台。期待値を考えれば決して望んだとおりの結果ではないはずでしたが、イタリアのフェラーリファン達は大いに盛り上がり、アロンソ本人もまんざらでもない様子。それはチャンピオンシップでの立場をより強固に出来たためと思われます。
 ハミルトンが完璧な予選とレースをして完全勝利したのはやや気になるものの、目下の気がかりだったベッテルとは差を大きく広げられ、ウェバーはもはや敵ではなくなり、2位以下のライバル達が団子状態なのに対して、35ポイント以上の差を付けて一人抜け出た形になっています。
 とは言え、残り7レースあればちょっとしたことでひっくり返る可能性もあります。ハミルトンにはこの3戦で差を詰められていますし、レッドブル勢も未だ油断できない脅威であるはず。でも一時の不調を脱し、コンスタントに表彰台争い、あるいは優勝争いが出来るマシンを手に入れた今、アロンソの胸の中にはチャンピオンになるだけの勝算が芽生えているのは確かなようです。

ペナルティ

 今回のレースで唯一出されたペナルティについては、誰のファンかによってその見方は変わるかも知れません。どちらかというとベッテル贔屓な私からすると、昨年同じところで同じことをアロンソがベッテルに対してしたことを思い出すわけで、これって「イタリアの笛」じゃないのか?と、愚痴の一つも言いたくなります。
 ですが冷静に考えてみれば、ポジション争いに関するレギュレーションは年々守る側にとってより厳しくなっているのは事実。実際に今回のバトルは一歩間違えると大クラッシュを引き起こしかねなかったわけで、今年の基準で考えればペナルティは当然なのでしょう。
 アロンソにポジションを奪われたばかりか、ペナルティで6位まで落ちてしまい、ベッテルのレースは散々なものとなりました。が、それでも走りきってポイントをいくらか取れたらなら、まだ幸せだったはずです。

マシントラブル

 6位から追い上げようとしていたベッテルに、ピットから「すぐにエンジンを切ってマシンを止めろ!」と非常な叫びが無線を通じて伝えられます。前兆はあったようで、ベッテルはすぐにブレーキを踏んでマシンをコース脇に止めてしまいます。オルタネータの故障だそうですが、同様の故障は今シーズンのルノーエンジンにしばしば発生していて、ベッテルにとっては2度目。1度目はヨーロッパGPで優勝を失い、今回はチャンピオンシップで生き残るための貴重なポイントを失ってしまいました。
 そしてマクラーレンのワンツーを目指して2位を快走していたバトンもまた、レース中盤に燃料系のトラブルで止まってしまいました。奇しくも先週のベルギーGPで良い結果を残した二人をマシントラブルが襲ったことになります。
 昔にくらべて最近のF1はマシントラブルを理由にリタイアすることは少なくなり、完走率が高くなっています。テレメトリーなど技術が進歩したおかげもあるでしょうし、レギュレーションによりエンジンライフが伸びたことも一因と思います。特にチャンピオンを争っているようなトップチームなら、トラブルに対するリスク管理もチーム力のうちと言えるでしょう。
 2台とも不運で片付けるには痛すぎるノーポイントレースとなってしまいました。バトンは自力優勝の可能性は消え、ほぼチャンピオン争いから脱落したと言わざるを得ません。ベッテルはランキングでライコネンにも抜かれてしまい4位転落。クビの皮一枚と言ったところです。

良いのか悪いのか分からない

 フリー走行からトラブル続きで苦しんでいた小林可夢偉。予選では奇跡的なラップを叩き出してQ3に進んだものの、ロングランに対するセッティングはゼロで、ぶっつけ本番のレースは、予想通り序盤から苦しい展開が続きます。ポイント争いすれすれと思われましたが、上位2台が消えたことも幸いして何とか9位に滑り込みました。ラップタイムも悪くなく、上位とのタイムギャップも思ったよりも小さく済み、状況を考えれば上出来のレースだったはず。
 なのに本人はもちろん見ていた我々日本人ファンの多くがモヤモヤとした気持ちがぬぐい去れないのは、同じマシンに乗るチームメイトのペレスが素晴らしいレースをして2位に入ったから。喜ぶべき結果なのかどうなのかがどうにも割り切れません。
 以下、小林可夢偉贔屓なことを書きますが、今シーズンの小林vsペレスのレース結果の勝ち負けを言えば、4勝4敗5分です。ただしペレスは3階の表彰台があり、ポイント差はダブルスコアに近いという状態。しかし私の記憶が確かなら、ペレスが勝ったときはタイヤ作戦が分かれた時で、同一作戦なら小林が勝っているのではないかと思います(ちゃんと調べていません)。いえ、小林のレースディレクターが悪いなんて言ってるわけではありませんが(^^;
 もはやフェラーリに行きそうなペレスは置いておくにしても、小林可夢偉にとってはザウバーに残留するにも、競争力のある他チームに移籍するにも、今シーズン中の表彰台は必須ではないかと思います。出来れば優勝して欲しいです。いや、もう優勝するしかありません。いやいや、是非して下さい。なんなら日本GPで!

再びアジア連戦へ

 次のレースはいよいよアジア連戦。まずは2週間後にシンガポールのナイトレースです。その次はいよいよ鈴鹿の日本GP! いろいろ準備しなくては(^^v