酔人日月抄

東京下町に暮らす写真とPENTAXとスキーと時代小説とお酒とプジョーを愛するある男の日常

F1日本GP2011 決勝

 先週からしつこくF1日本GPの模様をエントリーしてきましたが、いよいよこれが最後です。もう1週間以上前のことになってしまいましたが、10月9日の日曜日午後3時に2011年のF1日本GP決勝レースがスタートしました。1時間半のレースが終了するとほとんど日没直前になります。秋の夕日の中を走るF1は、真夏日中のヨーロッパとも夜のシンガポールとも違い、日本GPならではの独特の風情があります。

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小林可夢偉/ザウバー C30 Ferrari
PENTAX K-5, SIGMA 50-500mmF4.5-6.3, 1/125sec AUTO (F16, ISO200, -1.0EV, WB:AUTO, 500mm)

 決勝の観戦&撮影場所は引き続きEスタンドの頂上。1コーナーからダンロップコーナーが見通せるとともに、130Rを駆け抜けるF1マシンの音が背後に響き、シケインの飛び込み直前と最終コーナーの立ち上がり、ピットロードがチラッと見える観戦にはもってこいのポイントです。

 決勝に先立って、スターティング・グリッドにつくためのインストレーションラップが30分くらい前から始まりました。そして全車がグリッドについたところで国歌斉唱が行われます。今回は福島県の少女合唱団による君が代斉唱でした。


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 そうして午後3時。フォーメーションラップがスタートしました。先頭は昨日の予選でスーパーラップを叩き出したセバスチャン・ベッテル。今回のレースで10位以内に入れば、チャンピオン決定です。2番手はベッテル以外で唯一、いまだチャンピオン獲得の可能性を残しているジェンソン・バトン。そして小林可夢偉は自己最高の7番グリッドからのスタートです。

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フェルナンド・アロンソ/フェラーリ 150°Itaria Ferrari
PENTAX K-5, SIGMA 50-500mmF4.5-6.3, 1/125sec AUTO (F10, ISO100, -0.7EV, WB:AUTO, 500mm)


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ニコ・ロズベルグ/メルセデス W02 Mercedes
PENTAX K-5, SIGMA 50-500mmF4.5-6.3, 1/125sec AUTO (F14, ISO100, -0.7EV, WB:AUTO, 500mm)


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PENTAX K-5, SIGMA 50-500mmF4.5-6.3, 1/400sec AUTO (F5.6, ISO200, -0.7EV, WB:AUTO, 200mm)

 レースの経緯は、テレビ放送をご覧になった方ならご存知のとおり。と言いますか、現地観戦はやはりレース全体の流れがイマイチつかめません。が、今年はカメラの小さなファインダーをひたすら覗くばかりではなく、時折レースをじっくり観戦し、大型スクリーンの小さな文字情報を気にするように心がけました。
 その結果、スタートでのベッテルの幅寄せが審議になってるとか、バトンがいつの間にかトップに出てるとか、一瞬だけどシューマッハがラップリーダーになったとか、いくつかの重要なポイントはしっかり抑えながら写真を撮っていました。

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小林可夢偉/ザウバー C30 Ferrari、ルイス・ハミルトン/マクラーレン MP4-26 Mercedes
PENTAX K-5, SIGMA 50-500mmF4.5-6.3, 1/125sec AUTO (F11, ISO100, -1.0EV, WB:AUTO, 500mm)

 早々に1回目のタイヤ交換をしたハミルトンがステイアウトしていた小林可夢偉をつつきまわすの図。逆バンクでテールにくっついてもすぐには抜きどころはないのに。

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ミハエル・シューマッハ/メルセデス W02 Mercedes、マーク・ウェバー/レッドブル RB7 Renault
PENTAX K-5, SIGMA 50-500mmF4.5-6.3, 1/125sec AUTO (F20, ISO200, -1.0EV, WB:AUTO, 290mm)

 S字で失敗したのか失速気味で逆バンクにやってきたシューマッハ。その隙にウェバーが鼻先を突っ込もうとしています。しかし鈴鹿のこのあたりはよほどの事がないと、並びかかることも難しいでしょう。ダンロップの入り口で結局子の2台は接触し、翼端板か何かが飛んでました。

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ジェンソン・バトン/マクラーレン MP4-26 Mercedes、セバスチャン・ベッテル/レッドブル RB7 Renault
PENTAX K-5, SIGMA 50-500mmF4.5-6.3, 1/40sec AUTO (F29, ISO200, -0.7EV, WB:AUTO, 65mm)

 セーフティーカー明けの周回。バトンにベッテルが迫ってるように見えますが、この後ベッテルはバトンについて行けなくなります。コースまでは距離があるのですが、ワイド側(と言っても65mm)でシャッター速度をかなり落としてみました。しかし感度の調整を忘れて絞り込み過ぎです。

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ヴィタリー・ペトロフ/ルノー R33 Renault
PENTAX K-5, SIGMA 50-500mmF4.5-6.3, 1/125sec AUTO (F11, ISO200, -1.0EV, WB:AUTO, 500mm)


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セーフティカー先導中の隊列
PENTAX K-5, SIGMA 50-500mmF4.5-6.3, 1/250sec AUTO (F8.0, ISO200, -1.07EV, WB:AUTO, 93mm)


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マーク・ウェバー/レッドブル RB7 Renault
PENTAX K-5, SIGMA 50-500mmF4.5-6.3, 1/125sec AUTO (F10, ISO200, -1.0EV, WB:AUTO, 290mm)

 レースが始まって1時間近く経つと、太陽もだいぶ傾き、あたりはすっかり日暮れの景色になってきます。スタンドも日陰に入るところが多くなり、コース上にスタンドなどの影がさして、明暗のコントラストが増してきました。マシン自体が路面に作る影も長く伸びています。ウェバーのマシンに影を作っているのは、Eスタンド上にいる私たち自身の影です。
 それにしても去年も含め、綺麗に晴れているから風情があっていいですが、雨やどんよりとした曇りの日だと、この時間は相当に薄暗いことでしょう。写真を撮るのも一苦労かもしれません。

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小林可夢偉/ザウバー C30 Ferrari
PENTAX K-5, SIGMA 50-500mmF4.5-6.3, 1/125sec AUTO (F18, ISO200, -0.7EV, WB:AUTO, 330mm)

 さて、小林可夢偉。予選までは大活躍でしたが、スタートに失敗したのをはじめとして、結果は散々なものとなってしまいました。セーフティカー中に仕方なく変えたハードタイヤにてこずってる様子は現地で見ていても良くわかりました。ポジションを守りきるのは難しそうだなぁ...と。スタートも問題でしたが今回はやはりタイヤ戦略が良くなかったことと、最悪のタイミングでセーフティーカーが導入されてしまった不運といえそうです。残念なレースでした。
 白いマシンに白いヘルメットは、アスファルトとのコントラスト差が大きく、なかなか撮影が難しいマシンでした。でも、どことなく日本のナショナルカラーを纏っていた大昔のホンダを思い起こしてしまうのは、日本人だからなのでしょう。

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セバスチャン・ベッテル/レッドブル RB7 Renault
PENTAX K-5, SIGMA 50-500mmF4.5-6.3, 1/125sec AUTO (F11, ISO200, -0.7EV, WB:AUTO, 500mm)

 ポールからスタートし辛うじてトップを守ったままレースを開始したベッテル。しかしいつものような逃げきり体勢に入ることができず、それどころか2回目のピットイン以降、ズルズルとポジションを下げていってしまいました。「1ポイントだけを狙うようなレースはしない」と言っていましたが、結果的にチームも本人も「表彰台にあがれたら上出来」程度には守りに入っていたのではないかと想像します。これで文句なくチャンピオン獲得。彼にとって良いレースではなかったはずですが、レース後はとてもうれしそうでした。
 濃いブルーのレッドブルのマシンに、濃いブルーのヘルメット。カラーリングはもちろんですが、とにかく速いマシンは美しいです。常にスムーズで鋭い動きを見せるのも見ていて良くわかりました。それだけにファインダーで追いかけるのが大変でしたけど。

IMGP2045.jpg
ジェンソン・バトン/マクラーレン MP4-26 Mercedes
PENTAX K-5, SIGMA 50-500mmF4.5-6.3, 1/100sec AUTO (F18, ISO200, -1.0EV, WB:AUTO, 290mm)

 そして今回の優勝者は最近好調のジェンソン・バトンでした。スタートでは失敗したものの、しぶとく追い上げて気がつけばトップに。終盤燃費がきつくなり、アロンソやベッテルや追いつかれてきて苦しそうでしたが、何とかトップチェッカーを受けました。ゴール後すぐに車を止めてしまい、パレードランもありませんでした。
 マクラーレンの銀色のマシンは太陽の光を浴びるとキラキラ光ってとても美しいです。レース中の多くの時間、トップを走っていたためか、タイヤカスによる汚れも他のマシンと比べると少ないようです。

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セバスチャン・ベッテル/レッドブル RB7 Renault
PENTAX K-5, SIGMA 50-500mmF4.5-6.3, 1/100sec AUTO (F18, ISO200, -1.0EV, WB:AUTO, 290mm)

 午後4時半すぎ、とうとう53周のレースを終えてチェッカーフラッグが振られました。パレードランでは観客だけでなく、コースマーシャルたちも走り終えた選手達に拍手を送ります。チャンピオンを獲得したばかりのベッテルは2コーナー付近のコース外でスピンターンをしたそうですが(これって禁止されてなかったでしたっけ?)逆バンクに来るころはすっかり落ち着いていました。

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 このフェラーリの旗、Eスタンド頂上にある金網にくくりつけて立ててありました。どこか別の席にいる子供が持っていたもので、自分の席の周囲にちょうどいい場所が無かったので、決勝の前にスタッフと一緒にやってきてここに立てて行ったたものです。風になびいてとても綺麗でした。同じように旗や横断幕はあちこちに掲げられていました。こういう細かいことに対する鈴鹿サーキットの対応はとても柔軟で行き届いてます。

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 帰り道の渋滞。コースをくぐるトンネルは一方通行で混雑していました。と言っても身動き撮れなくなるほどではなく10分もあれば通過できます。しかしこの辺にはまだ改善点があるような気がします。
 昨年から日差しを(雨が降った場合は雨を)防げるテントが増えていたり、カメラマンチケットも席無しに変更されたりして、細かい改善点がありました。駐車場や道路状況は利用していないので分かりませんが、少なくとも白子駅とつなぐシャトルバスの運営は完璧です。近鉄もチケットレスサービスを利用すれば、特急券を買うのに並ぶ必要もありません。日曜日は臨時列車も運行されていました。観戦をサポートする態勢は隅々まで行き届いています。これも地元の皆さんの理解と協力があってのことと思います。
 天候が良かったこともあって、これまでで一番楽しめた日本GPでした。また来年も楽しみにしています!

※他の写真も含めFlickrにまとめてアップロードしてあります
 F1日本GP 2011 -a set on Flickr