酔人日月抄

東京下町に暮らす写真とPENTAXとスキーと時代小説とお酒とプジョーを愛するある男の日常

PENTAX Q体験イベント:実写編

 開発秘話編に続いていよいよ実写体験です。涼しい会議室を出て、燦々と日光が降り注ぐ灼熱の屋上へ。そこにはモデルさんが二人もいらっしゃいました。しかし今回手にしているのはPENTAX Qと5本の交換レンズ。いくら"一眼"を名乗るレンズ交換式カメラとはいえ、小さなセンサーサイズから来る基本的な素性はコンパクト機に近いはず。しかもレンズも基本的に標準系のみ。望遠で目にピント合わせて背景ぼかして... というステレオタイプなポートレイトのイメージ写真を撮るのは難しそうです。どうやってこのカメラでモデルさんを撮るの?とあたふたしながら撮影開始です。

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PENTAX Q試作機, STANDARD ZOOM, 14.9mm, プログラムAUTO (1/1000sec, F5.0, ISO250, +0.3EV)

 お借りしたPENTAX Qは開発段階の試作機で、特にソフトウェアはまだまだ未完成なものです。Exifに記録された情報を見るとF/WバージョンはVer 0.3となっています。オートフォーカスやホワイトバランスや各種画像処理などなど、今後発売ギリギリまでいっそう煮詰められていくとのことです。
 そして、ここに貼った写真はアップロード先のFlickrにリンクしてありますが、撮って出しそのままのオリジナルではなく、イベント主催者の方でサイズが80%に縮小され、再サンプリングされていますので、その点はご注意ください。



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ポートレイト、ボケコントロール、風景

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PENTAX Q試作機, STANDARD ZOOM, 14.9mm, プログラムAUTO (1/1000sec, F4.5, ISO250, +0.3EV)

 標準ズームのほぼテレ端です。超快晴の太陽光の下なので色鮮やかで綺麗に写るのは当然と言えば当然でしょうか。さすがに背景の国会議事堂はうっすらボケているだけです。ISOはオート設定なのですが、これだけ明るいのになぜかISO250になっています。ハイライト側のDレンジ補正が知らないうちにONされているせいかと思いましたが、他のカットを見ているとハイライト補正がONのままISO125まで落ちてるものもあったりしますので、よく分かりません。手ぶれ量を検知したりしているのでしょうか。

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PENTAX Q試作機, STANDARD PRIME, 8.5mm, プログラムAUTO (1/1000sec, F3.2, ISO125, ボケコントロール3)

 よし、ボケが今ひとつならボカしてやろう!ということで、モードダイヤルを"BC"にセット。強度は3段階に選べるので、当然MAXでしょとばかりに一番強い設定に。その結果撮れたものがこれです...。後ボケだけではなく前ボケも作るという触れ込みで、確かにその通りなのですが、ちょっとこれは不自然ですね。Photoshop加工に失敗した感じです。他にはもっとひどいカットもありました。
 このボケコントロール機能は特にまだまだ修正の余地があるとのことですので、発売までにブラッシュアップされていることを期待します。が、やっぱりあんまり期待しない方が良いのかな?というのが正直な感想です。先日試用したFinePix F550EXRはじめ最近のコンパクト機に搭載されている背景ぼかし機能は、効きが穏やかな分とても自然なのですが。

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PENTAX Q試作機, STANDARD PRIME, 8.5mm, プログラムAUTO (1/1000sec, F4.0, ISO125)

 遠景を撮ってみるとどうだろう?ということで、PENTAXビルの屋上から東京の街を写してみました。真ん中辺りにスカイツリーも見えています。遠くのビルの窓格子模様とかビル上のクレーンとか解像感が怪しいですが、手前の皇居の森なんかはなかなか良く写ってる方ではないかと思います。
 ちなみにこのセンサー、ローパスフィルターはついてないとのこと。解像感を追い求めてわざとそうしたと言うよりは、1/2.3インチで1200万画素ともなると、一般的にもはや不要と言うことのようです。

フィッシュアイとトイレンズ・ワイド(でMF失敗)

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PENTAX Q試作機, FISH-EYE, 3.2mm, 絞りF5.6固定 (1/500sec, ISO250, +1.0EV)

 次にユニークシリーズの中からフィッシュアイを装着。フィッシュアイでモデルさんを撮ると言う経験もそうそうできるものではありません。かなりぐっと近寄らないといけないですし。でも私的にはこれが限界。一応テーブルの上まで乗り出してはいるのですが、さすが魚眼です。正確に対角線画角がどのくらいあるのか分かりませんが、180度よりは狭いような気がします。やはりもう少し大きいセンサーに合わせてあるのでしょうか?

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PENTAX Q試作機, FISH-EYE, 3.2mm, 絞りF5.6固定 (1/800sec, ISO250)

 なんだかんだでこのフィッシュアイ、気に入ってしまいました。次はモデルさんの立ち姿も魚眼で撮ってしまいます。せっかくの美しい体型も台無しでスミマセン。でも、なんか良いですね、こういうの。

 で、ユニークレンズシリーズは絞り固定と同時にピント合わせもマニュアルなことに初めて気がつきました。真夏の炎天下の灼熱の下、液晶も見づらいですし、モデルさんを前にドキドキしてますし、あまりの暑さに頭も回りません。ピント合わせなんて細けぇことたぁいいんだよ!とばかりにピントリングは適当に回して撮ってしまいました。撮影結果も確認することなく。なのでこの2枚はピンぼけしています。背景のほうにピントが合ってるような気がします。特に縦位置のほうは明らかに背後の壁にピントが来ているようです。

 超小型センサーの魚眼でF5.6とくれば、当然パンフォーカスだと思っていました。というか、ちゃんと設定すればパンフォーカスになったのだと思いますが、私がピントなどろくに見もせず、変な方向に思い切りピントリング回してしまったのでしょう。失敗した...。

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PENTAX Q試作機, TOY LENS WIDE, 6.3mm, 絞りF7.1固定 (1/200sec, ISO125)

 気を取り直してトイレンズのワイド版です。が、もっと極端な描写を想像していたのですが、このレンズ、わりと普通に写ってしまうような気がします。シーンによってはもっとトイ風味が目立つのかもしれませんが。「トイレンズなのに設計者は勝手に収差を補正してしまう」というお話しが思い出されます。ちなみにこれもMFなのでピント甘いです。本当に下手くそでスミマセン。

静物、高感度特性、トイレンズ・テレ

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PENTAX Q試作機, STANDARD ZOOM, 5.0mm, 絞りF4.0 AUTO (1/50sec, ISO400)

 あまりに暑いので室内に早々に戻り、次は静物コーナーへ。標準ズームのワイド端でパシャッと普通にシャッター切っただけですが。どうでしょう? ちゃんとライティングされていて条件が良いのは確かですが、いやいや、綺麗に写りますね。これでISO400ですし。

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PENTAX Q試作機, STANDARD PRIME, 8.5mm, 絞りF4.0 AUTO (1/400sec, ISO3200, -0.7EV)
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PENTAX Q試作機, STANDARD PRIME, 8.5mm, 絞りF4.0 AUTO (1/800sec, ISO6400, -0.7EV)

 と、ここで思い立って高感度特性のチェック。わざとISO感度を上げてみました。上がISO3200で下が最高感度のISO6400です。ともに-0.7EVしてあるのは意味がなくて設定の戻し忘れと思われます。ISO6400は少し色が濁り気味でシャドー部もつぶれかかっていますが、感度を考えれば十分にノイズは少なく、ディテールも残っている方ではないかと思います。ISO3200に至っては暗いシーンで高感度と割り切れば十分に安心して使えるレベル。これが1/2.3インチの小さなセンサーから得られるという点を考えると、高感度性能はかなり頑張っていると思います。

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PENTAX Q試作機, TOY LENS TELE, 18.0mm, 絞りF8.0固定 (1/125sec, ISO2500)

 ここでトイレンズの望遠側を試してみました。実焦点距離が18mmですので、今回ラインアップされた5本の中では一番望遠寄りのレンズです。が、これもまたシーンが良くないのかも知れませんが、ワイド側と同様にトイ風味はどこへやら?という感じですね。うーん、MFの件もあってユニークシリーズは使いこなしが実は難しいのかも。

近接撮影

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PENTAX Q試作機, STANDARD PRIME, 8.5mm, プログラムAUTO (1/800sec, F2.2, ISO320)

 標準単焦点レンズでマクロ気味にぐっと寄って見ました。これで開放ではなくてF2.2ですが、さすがに最短撮影距離付近になると、いかにセンサーサイズが小さく実焦点距離が短いレンズの組み合わせとはいえ、そこそこ背景はボケます。って当たり前か。

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PENTAX Q試作機, STANDARD PRIME, 8.5mm, 絞りF2.5 AUTO (1/60sec, F2.5, ISO320)

 近接撮影と言えば、標準単焦点でどのくらい近寄れるのかちょっとだけ試してみました。これで多分レンズ前15cmくらいではないかと思います。マクロレンズと言うほどでもないし、コンパクト機ではざらにあるレンズ前数センチまで寄れると言うこともありませんが、思ったよりは近寄れるなぁという印象です。普通にテーブルフォトくらいなら全く問題ないと思います。

スマートエフェクト

 次に、PENTAX Qで新たに搭載された「スマートエフェクト」をいくつか試してみました。

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PENTAX Q試作機, STANDARD ZOOM, 12.2mm, プログラムAUTO (1/100sec, F4.0, ISO1250, ソリッドモノカラー)

 従来のデジタルフィルターのハイコントラスト+色抽出 といった感じです。残す色はもちろん選ぶことができます。なんというか、すごい絵になりますね、これ。

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PENTAX Q試作機, STANDARD ZOOM, 12.2mm, プログラムAUTO (1/100sec, F4.0, ISO2000, 極彩)

 思い切り色の飽和度を上げたような感じで、ベタベタの色乗り。小さな背面液晶で見ても「うお!」と思うほど派手になります。ちなみに、ソリッドモノカラーも極彩もかなり感度が高く設定されていますが、ノイズ感出すためにわざとそう設定されるのでしょうか?

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PENTAX Q試作機, STANDARD ZOOM, 5.4mm, 絞りF3.5 AUTO (1/1250sec, ISO125, ドラマチックアート)

 最近流行のHDR系のエフェクトですね、これは。かなり極端にHDR効果をかけた感じになり、何となく写真と言うよりは絵画っぽくなります。シャープネスも強いのかな?

 スマートエフェクトはフロントのクイックダイヤルで操作するだけで選べるのですが、全部で9種類+USER設定が3種類あるなかで、ダイヤルに割り当てられるのは一度に4つだけ。ダイヤルにエフェクトを割り当てるにはメニューから操作することになります。どれもわりと極端な結果が得られるものばかりですし、常用する4つを選べと言われると困ってしまうかも。

実写しての感想まとめ

 ということで、初めてPENTAX Qで実写してみて、縮小版とはいえ撮影結果をいただけたわけですが、"1/2.3インチセンサー"という先入観を持って見ると、とても綺麗に写るなぁと思います。解像感然り、高感度性能然り。しかしセンサーの性能が良くて画像処理がどんなにうまくても、小さなサイズのセンサー+短い焦点距離のレンズで得られる映像は、APS-Cサイズの一眼レフで撮れる絵とはどうしても違ってきてしまいます。その代表格が"ボケ"。こればかりはどうにもなりません。
 しかし、その辺はボケコントロールみたいな機能に頼るのではなく、小センサー機なりの撮り方をするのが潔くて正しい使い方なのでしょう。そういう意味ではやはりことさら「一眼」を気にするよりは、「レンズ交換ができて高画質なコンパクト機」と考えるのがピッタリなカメラです。あとは、そういうカメラが欲しいか、欲しくないか。それは人それぞれだと思います。

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PENTAX Q試作機, STANDARD PRIME, 8.5mm, 絞りF1.9 AUTO (1/80sec, ISO125)

 実写結果については、本当に下手くそでスミマセン。PENTAX機の操作性や機能に慣れていたつもりでも、あまりに多機能すぎて、レンズ含めいろいろ試したいことが多すぎて、アワアワしているうちにあっという間に撮影時間が過ぎ去ってしまいました。なので、ユニークレンズシリーズでのピント合わせはじめ、ボケコントロールなどなど、撮影結果をじっくりと検討する暇なく、ただシャッター押していたために、数々の失敗作のオンパレード。ちょっとだけ凹みました。でも、一度一通りの失敗を経験して、次はどうすれば良いかはもう掴みました。次回はきっとばっちりです。

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PENTAX Q試作機, STANDARD PRIME, 8.5mm, 絞りF2.5 AUTO (1/60sec, ISO320)

 でも、製品開発秘話でお話しがあったように、一眼レフを買おうかどうか迷って、コンパクト機に流れていたようなユーザーがメインターゲットであれば、とりあえず何も考えずにシャッターを押しても、最初からきちっと結果が出るようなカメラじゃないとまずいのではないかもと思います。ユニークレンズのMFはさておき、AF、露出、ボケコントロール、ホワイトバランス等々、発売までによりいっそう熟成されることを期待します。

 いずれにしても、今回の貴重な実写体験はいろいろと今後に向けて参考になりました(^^; 加工済みとはいえ、まだPENTAX Qの実写サンプルってほとんど出回ってないところですし。
 で、個人的にはこれは買いなカメラではないかと思います。やっぱり今までにない、という意味で。これだけ小さくて、これだけ写って、これだけ遊べるカメラはなかなかありません。

モデルのお二人

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PENTAX K-5, DA70mmF2.4 Limited, F2.4 AUTO (1/1250sec, ISO100, AWB, 鮮やか)

 今回、炎天下の酷暑の中、モデルを勤めて頂いたお二人は、PENTAXさんではなくイベント主催のみんぽすさんが手配された方々です。
 左の方がさささん、右の方が土岐真衣子さんです。お名前はそれぞれのブログにリンクしてあります。

まとめ編に続きます。