酔人日月抄

東京下町に暮らす写真とPENTAXとスキーと時代小説とお酒とプジョーを愛するある男の日常

N3XT

 代車として原工房さんからお借りしたPEUGEOT 306XTに乗っています。N3後期型でエンジンは2.0Lになったタイプ、3本スポークのステアリングにエアバッグも内蔵。色はプラチナグレーで見る限りドノーマルです。まもなく廃車にする予定の車両とのことで、エアコンが全く効きません。この季節に乗るには厳しいのですが... ちょっと車が必要だったのと、興味もあったので借りてしまいました。窓全開で風を受けながら走るのも気持ちいいものです(やせ我慢)。

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 ちなみに私の306スタイルプレミアムの型式名は"GF-N5XT"。この代車の306XTの型式は"E-N3XT"。そうです、このN3XTは私のスタプレ(=N5XT)の直系の先祖(というほど古くないですが)なのです。マイナーチェンジ前の同じモデルと言っても良いかも。306の中でも比較的豪華装備で安楽指向のセッティング。スポーツ仕様でもなく素の軽快仕様でもなく、その中間。ATでまったり走るための306。N3XTも全く知らない車ではないのですが、じっくり自分で運転するのは初めてです。

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 同じ306でもN3とN5では外装内装はじめ色々な点が大きく変わっています。特にフロントマスクは大きく違っているし、そのためか全長もN3のほうがやや短くて4mを切っています。というのは306乗りには有名な話。今で言えば207のハッチバックよりも外寸は小さいことになります。でもやはり306が306である由縁の重要な部分は完全に共通。4mそこそこの全長に対し、2.5mを超える長いホイールベースから来る基本的なフォルムは、ほとんど同じです。フロントフェンダーからドアサイドを通ってリアフェンダーまでつながるプレスラインと、微妙なコークボトル形状とか。美しいながらも合理的でとても端正なデザイン。そこから来るユーティリティの良さは全く変わりません。

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 エンジンはXU10のSOHCタイプで出力は120PS/5750rpm, 18.3kg・m/2750rpm。私のN5XTもXU10なので、ブロックは同じですがヘッドがDOHC化されています。出力のスペックはわずかな変化しかありませんが、ボンネットを開けたエンジンルームの様子は大きく違っていたりします。
 数年前に205CTiを借りて運転したときも感じたのですが、この時代のSOHCエンジンの低域トルクの豊かなことと言ったらありません。205はともかく同じ306のATでもN3になるとこんなにアクセルの感覚って違うんだなぁ、と今更発見しました。そして、エアコンが効かないので窓を全開にしているためか、エンジン音や排気音もやや勇ましいように感じます。

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 また、エンジンのせいかどうか分からないのですが、アクセルの戻りがとても早いと感じました。306のAT仕様はスムーズに走らせるのに、ある程度の"技術"が要りますが、このN3XTはよりいっそうその傾向が強いように思います。同時にステアリングも重さは同じだと思うのですが、中立位置に戻ろうとするバネ感が、私のN5XTよりも強く感じます。この辺りから「全体的に306なんだけど、どことなく205みたいな感覚もするなぁ」とう感想につながります。

 走りに関してもう一つ大きく違う点はAT。N3XTはZF製の4速AT、N5XTはPSA/ルノー製のAL4と呼ばれるある意味有名な4速AT。しかし変速パターンなどのセッティングはどちらも似ていて、ロックアップ領域が広くダイレクト感があって、エンブレもよく効くあたりからしてそっくりです。AL4は中途半端な学習をするために、時々びっくりするようなタイミングで変速したりしますが、非常にプレーンなZFのATではそういうことはありません。と言っても、長く乗ってるといろいろあるのかもしれませんが。

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 この写真に写っているのは306のカタログ。上はN3前期型のもので、今回乗ったN3XTよりもさらに古いタイプ。この時代XTに搭載されるエンジンは1.8Lでした。下は私が乗っているN5後期型のもの。306は8年に及ぶモデルサイクルの間にマイナーチェンジを繰り返してかなり進化していきました。プジョーは公式にはイヤーモデル制を取っていませんが、毎年少しずつ改善していくあたりはヨーロッパ車らしいやりかたです。

 閑話休題。ちなみに「止まる」に関してですが、ブレーキのストロークが深くて、踏み初めから中間くらいまでは頼りなく感じるのに、最後ぎゅっと踏むとカチッと止まるのは、私のN5XTと全く同じ感覚。いや、このN3XTのほうが踏み込み初期のブレーキ力は弱く感じる一方で、全体的な節度感があるように思えます。さらにこのN3XT、盛大にリアブレーキが鳴きます。あの音を聞いたのは久しぶりです(A^^;
 そして、最近の車では滅多に見ないトレーリングアーム+トーションバー式のリアサスがもたらす、コーナリング時の独特の操縦"感"とか「あぁ、やっぱりこういうのはN3時代からの306らしさなんだな」と安心してしまいます。

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 内装に関して、ドア内張の形状やシート生地などなど変化があるものの、当たり前のように全体的な構成は同じ。ダッシュボードも然り。センターパネルはつや消しで真っ黒。なかなか渋いです。90年代の車らしく、着座位置が比較的低く、窓の縁も低く、それでいて天井はそこそこの高さがあり、全体的に広くはないですがなぜか開放感があります。最近の車のようにバスタブの底に座って縁から外を見てるような窮屈さがないのです。
 そしてよく言われていたように、やはりシートはN3のほうがずっと良いと思います。特に座面の柔らかさと硬さの絶妙なバランスは、N5にはありません。このN3XTのシートは歴代306の中ではもっとも座り心地が良いのでは無いかと思います。

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 ちなみにこの個体の走行距離は83,000kmほど。車齢を考えると少ない方かと思われます。外装はそれなりにやれており、プラスチックモールも白濁しています。内装も所々プラスチックが割れていたりしますが、全体的にはまだ綺麗な方かと思います。でもこの車、私が返却したら部品取り車になってしまうらしいです。何年式なのかわかりませんが車齢を考えたら仕方ないのかも。こうして少しずつ見知らぬところでも306はリタイアしていくわけです。

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 ちなみに私の306は5回目の車検に出したところです。上の写真で奥のガレージ内にいるのが代車のN3XTです。前回の車検から2年間、まったくトラブルらしいトラブルはありませんでした。変な兆候も感じられません。健康体そのもの。
 車検整備に当たって気になる点として、運転席のドアがギコギコいうこと、ワイパーが激しくびびること、この二点だけお願いしあとは全てお任せです。11年目のボロ車にしてはとても良好な状態かと思います。

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 あ、あとタイヤの交換をお願いしました。見た目に問題はないのですが、今のミシュランENERGY3はもう5年経過しますので。新しいタイヤは特に銘柄指定していないのですが、恐らく同じミシュランのENERGYセイバーになると思います。
 さてさて、その他に見えなかった部分でいったいどんな交換部品が出てくることやら。車検通ったらまた整備内容についてエントリーします。

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 おまけです。先週のことですが、赤い306XSiに乗っていた友人が308SWに乗り換えました。こうして周囲が急激に新車に乗り換えてしまうと、うっかり釣られて私も乗換を考えてしまいがちです。ここ1年くらいの間に乗り換えるとしたら... と色々想像した場合、問題はサイズ。色々気になる車もあるし、自分の用途にピッタリなモデルは実は見つかっています。

 でも、上に書いたとおり、現状私の306は全く問題なく、新車当時と同じ信頼性、快適さを保っています(ちょっと言いすぎかも)。やせ我慢して古くて飽きが来た車を乗り続けるのではなく、本当に私は306が好きなのだから仕方ありません。だから今回もタイヤみたいな大物消耗品もしっかりと交換することにしました。次の冬がスタッドレスの交換期なので、それはそれで悩みどころですが、恐らく何もなければやはり306用に新調することでしょう。
 でも、どうなりますかね。カメラもそうですが、コロッと前言翻すのは得意中の得意ですし(A^^;