ヒナゲシとヤグルマギク

投稿者: | 2011年5月21日

 都立木場公園の葛西橋通り沿い北側に、春になると花が咲き乱れる大きな花壇があります。先月の桜の季節には一面菜の花だらけでしたが、今月になってまたすごいことになってるという噂を聞いて、散歩がてらカメラもって出かけてみると、タイトルにあるとおり、ヒナゲシ(ポピー)とヤグルマギクがごちゃ混ぜになって咲き乱れていました。

IMGP3818.jpg
PENTAX K-5, FA31mmF1.8AL, F1.8 AUTO (1/3200sec, ISO100, AWB), 鮮やか

 公園内でありながらすぐ横は大きな幹線道路になっています。過去には、ここで花壇に見とれたらしいバイクが事故を起こしてるシーンまで見たことがあります。最盛期にはそれくらい見事な風景になります。

 ヒナゲシの細くて長い茎の先に開いた大きな花は、風に揺られてアップで写真を撮るのもままなりません。天気は良くて真っ赤な花がまぶしいくらいです。花ってプラス補正した方が見栄えが良いよね、と独りごちてプラス補正したりしつつ、普通にJPEGで撮っていたのですが… 家に帰ってきて写真をPCに取り込んでから、あまりにも濃くてどぎつい”赤”に愕然としました。

IMGP3788.jpg
PENTAX K-5, FA31mmF1.8AL, F2.0 AUTO (1/1600sec, ISO100, AWB), 鮮やか

 いわゆる色飽和一歩手前という感じです。赤や紫は飽和しやすいとは聞いていましたが、なるほどこういうことなのかと納得。カスタムイメージ設定のデフォルトである「鮮やか」は、その名の通り少し彩度が高めに調整されていますし、プラス補正も逆効果に働いてることでしょう。RAWで撮ればまだ調整代はあったはずですが。
 っていうような、ちょうどタイムリーな話が20日発売のカメラ・写真雑誌に載っていました。先に読んでおけば良かった…。

IMGP3795.jpg
PENTAX K-5, FA31mmF1.8AL, F1.8 AUTO (1/2000sec, ISO100, AWB), 鮮やか

 なので、プラス補正していないカットを選んで、Lightroomで彩度をかなり落としてみました。それで大分色の階調が戻ってきたので、撮影時点で完全に潰れていたわけではないようです。あとはモニターの色域とキャリブレーションの問題かも。
 ですので、これらの写真が皆さんの環境ではどう見えてるか自信がありませんが、私のPCとモニターではかろうじてべた塗りは避けられてます。が、ダメなところはダメで潰れてしまっています。これは失敗した… と反省中。

IMGP3808.jpg
PENTAX K-5, FA31mmF1.8AL, F1.8 AUTO (1/2000sec, ISO100, AWB), 鮮やか

 それはともかく、ヒナゲシの花びらって、何だか造花のような質感ですね。しかし見た目よりはずっと柔らかくてヒラヒラしてます。大きく開くと自重でひっくり返ってしまいそうなくらい。そして嘘みたいに真っ赤なのです。(個人的には)可憐とグロの絶妙なバランス、といった感じ。

IMGP3830.jpg
PENTAX K-5, FA31mmF1.8AL, F2.0 AUTO (1/1600sec, ISO100, AWB), 鮮やか

 赤い大ざっぱな花がヒナゲシ、紫色の細かい花びらの花がヤグルマギク。こうして混栽されています。ポピーはケシはケシでも栽培が禁止されているイケないケシではありません、当たり前ですが。
 ちなみに、4月に咲いていた菜の花もそのままになってるらしく、菜種のついた薄黄色い草となって残っていました。妙に人工的な手入れがされておらず、ワイルドでなかなか良い花壇です。どこかの団体がボランティアで管理しているようです。

DSCF0470.jpg
FinePix F550EXR, プレミアムEXRオート(HRモード, マクロ, ISO100, DR100%, 1/320sec, F5.9, 314mm相当)

 ヤグルマギクに蜂がとまっています。この蜂はどこで何して暮らしてるのでしょうか? 東京にもこういう普通の自然の世界はあります。K-5用に望遠レンズは持って行かなかったので、少し遠いところにある花はFinePix F550EXRで撮ってみました。望遠マクロはとても便利です。

DSCF0473.jpg
FinePix F550EXR, プレミアムEXRオート(DRモード, マクロ, ISO100, DR200%, 1/300sec, F5.3, 360mm相当)

 これなど一瞬K-5で撮ったものと間違えそうになりました。ダイナミックレンジ優先モードになってますが、背景のぼけた真っ赤な花はべったりしてしまってますね。EXR CMOSでも赤の再現性はなかなか難しいようです。

 ということで、1週間後にもう一度挑戦。今度はRAW撮影してみました。Lightroom3.4はPENTAXのカスタムイメージの設定が反映されませんが、一応「ナチュラル」に設定しています。それでもやっぱりかなり色は結構濃く出ます。

IMGP3885.jpg
PENTAX K-5, FA50mmF1.4, F2.0 AUTO (1/4000sec, ISO160, AWB), ナチュラル

 うーん、現像が下手くそなのかな…?
 ヒナゲシは真っ赤な花ばかりでなく、淡いピンク色や白っぽい花などもありました。特にこういうピンク色の花はとても綺麗です。真っ赤なものよりも撮りやすいですし。前ボケの葱坊主みたいなものはヒナゲシのつぼみと思われます。産毛みたいなのが生えていました。

IMGP1164.jpg
PENTAX K-x, FA50mmF1.4, F1.8 AUTO (1/3200sec, ISO100, AWB), ナチュラル

 ここの花壇ではこんな感じでザワザワと色々な花が咲いています。もう枯れてしまった花、今まさに見頃の花、そしてこれから咲く蕾など混在です。
 このカットはK-xで撮ったものです。先日飛行機を撮ったときは発色の違いを感じましたが、こういう場合はK-5とK-xでは全く違いを感じません。もちろんK-xもカスタムイメージはナチュラルにしました。というか、RAW撮りですけど。

IMGP3864.jpg
PENTAX K-x, FA31mmF1.8AL, F3.5 AUTO (1/1000sec, ISO160, AWB), ナチュラル

 ヤグルマギクもいろんな色がありましたが、この紫色が一番多かったです。先月の藤に続き、紫色の花も写真に撮るのは難しいですね。それに、絞りを開けるばかりではいけないと思い、私にしては思い切って絞ってみましたが、なんだかやっぱり中途半端ですねぇ。
 写真は本当に難しいです。だから面白いのですが。