酔人日月抄

東京下町に暮らす写真とPENTAXとスキーと時代小説とお酒とプジョーを愛するある男の日常

熱海湯けむり

熱海湯けむり (ハルキ文庫 さ 8-35 時代小説文庫 鎌倉河岸捕物控 18の巻)

熱海湯けむり (ハルキ文庫 さ 8-35 時代小説文庫 鎌倉河岸捕物控 18の巻)

金座裏の宗五郎たちが、湯治旅で熱海峠に差し掛かった頃、江戸鎌倉河岸では、金座裏十代目政次の許へ、蝋燭問屋・三徳の隠居をめぐる騒ぎが持ち込まれていた。一昨日に出かけた隠居が店に戻らないというのだ。やがて政次、亮吉らの探索で、隠居が謎の女から強請られていたことが判明。さらには、金座裏を狙う刺客が現れ、事件は意外な様相を見せ始める。一方、宗五郎は熱海の湯戸屋から強盗事件の真相究明を依頼されるのだが・・・。二代の金座裏が再会するとき、鎌倉河岸に新たな風が吹く。大好評書き下ろし時代長編。

Amazon.co.jp: 熱海湯けむり (ハルキ文庫 さ 8-35 時代小説文庫 鎌倉河岸捕物控 18の巻): 佐伯 泰英: 本

 このエントリー書いてる時点で、アマゾンにはまだ表紙画像が登録されていないようです。なかなか良い表紙なのに。佐伯泰英さんのこのシリーズは大人気だと思っていたので、これはちょっと意外。そのうち登録されるのでしょうか?
 さて、今作はなにやらテレビの2時間ドラマみたいなタイトルがついています。前作「紫房の十手」が発行されたのは昨年の夏。9ヶ月前のことで、どこまで話が進んでいたのか忘れてしまいましたが、最初の10ページくらい読んで思い出しました。そうそう、宗五郎たちは熱海に湯治に出かけたところでした。なので、江戸を舞台にした典型的捕物帖でありながら「熱海湯けむり」というタイトルがついてるわけです。

 でまぁ、内容はなんと言うことはありません。前回は旅先の宗五郎と、江戸に残った十代目政次との間の高度な連係プレーによる捕り物という、とても凝ったストーリーでしたが、今作は江戸と旅先でそれぞれの事件が交互に進んでいくだけ。いえ、「だけ」と言ってもそこはさすが佐伯さん、とても面白いことに変わりはありません。まるで二作同時に読んでいるかのような贅沢を味わえます。

 どちらの事件も片付いて、宗五郎たちも無事旅を終えてめでたしめでたし、かと思えばまた一山。このシリーズは短編集形式ではなく、各巻ごとの長編形式だったはずなのに、このまとまりのない展開は意外です。しかしながらそのまますんなり読めてしまうから、それはそれで面白いところです。

 そして上に引用した紹介文にもあるとおり、新たな風が吹いてくるわけです。九代目宗五郎はいよいよ名実ともにほんかくてきいんきょとなるのでしょうか。それにしても、毎作ごとに感想文に書いてますが、やっぱり私はまだ政次を心の底から好きになれません(A^^; 主人公に対する思いがそんな状態なのに、なぜかいま佐伯さんの小説の中では一番気になるシリーズだったりします。

 そろそろ土曜時代劇で「まっつぐ パート3」でもやってくれないですかね。原作ファンでも納得のドラマだと思います。

 【お気に入り度:★★★☆☆】