酔人日月抄

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SIGMA 18-250mmF3.5-6.3 DC OS HSM

 ということで、色々あった末に手に入れたSIGMA製の14倍ズームレンズ、18-250mmF3.5-6.3 DC OS HSMのインプレッションです。このレンズの特徴は何と言っても、広角から望遠までカバーする高倍率なお手軽ズームであることですが、その上でさらに、超音波モーター(HSM)によるAF駆動と、光学手ぶれ補正(OS)が内蔵されていることも大きなポイントです。特にPENTAXボディに使用する場合、純正レンズでは超音波モーター駆動のレンズは一部の高級レンズに限られますし、光学手ぶれ補正を搭載したレンズはありません(PENTAXはボディ側に手ぶれ補正を積んでいる)。焦点域含め純正にはない機能、性能を持ったレンズと言うことになります。

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サイズは大きめで重さもあります。K-7でもそこそこバランスは取れます。

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望遠側にズームするとかなり鏡胴が伸びます。

○大きさと重さ
 まず目につくのはその大きさと重さ。全長は101mm、フィルター径は72mm、重さは630gで、14倍クラスの高倍率ズームレンズの中でもかなり大きくて重たいほうと言えます。当初はこの大きさが気になって敬遠したのですが、実際K-7に取り付けてみると、バランスは思ったほど悪くありません。が、コレ1本きり付けっぱなしで常用するとなると、ちょっと考えてしまいます。私的基準では、カバンに入れたり、肩からかけておくにはギリギリ許容範囲外。その代わり、望遠時にしたときのホールディングの安定感はわりと優れています。

○操作性
 ズームリングはかなり重め。おかげで自重で勝手にズームリングが動いてしまうようなことは(今のところ)ありません。一応、ズームリングを広角端で固定しておくストッパーもあります。ズームのトルク感には途中に一カ所段差が感じられます。新品開封当初は特に気になったのですが、だんだん馴染んできました。使っているうちに馴染んでくると言うことは、そのうちストッパーが必要になるのかも。

 ホールディングは上に書いたように、大柄なこともあって望遠端にズームしても悪くはありません。レンズ内のAF駆動モーターと手ぶれ補正を内蔵するため、それぞれON/OFFスイッチがついています。この辺はまるでニコンやキヤノンのレンズのよう。

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250mm, 1/250s, F6.3, ISO400, AWB 蓮の花。午後でしたが日陰ではまだ若干花が開いてました。

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32mm, 1/200s, F6.3, ISO100, -0.7EV, AWB 不忍池の弁天堂と蓮の花。

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18mm, 1/125s, F9.0, ISO100, -0.7EV, AWB ワイド端パンフォーカスで不忍池と蓮の花と雲とビル。

 なお、光学手ぶれ補正を使う場合は、ボディ内手ぶれ補正をOFFにしないといけないのですが、コレが結構面倒です。レンズ付け替え時に切り忘れ、入れ忘れが時々発生します。自動でOFFになればいいのに(って、それはボディ側の対応が必要なので、SIGMAに言っても仕方ありませんが)。

 あと、前回も書きましたが、ズームリングとピントリングの回転方向がPENTAX純正と逆です。ズームはコレ一本だけならいいですが、他に純正のズームと合わせて使うときはちょっと戸惑いそうです。

○オートフォーカス
 AFの駆動はさすがにレンズ内のHSM駆動だけあって、非常に静かで高速でスムーズです。望遠側でもストレスなくAFします。やはりコレはこのレンズの非常に大きな利点です。AFの精度という点では広角端付近の遠景がやや怪しい感じ。色々テストして、結局K-7側で少し後ピン寄りに補正をかけました。

 残念なのは、超音波モーター駆動でありながら、いわゆるフルタイムMFに対応していないこと。AFスイッチをONすると、ピントリングはカチッとギアに噛んで、ピントリングは手動では回せなくなります。噂によるとこのレンズのHSMは、いわゆる円環状の超音波モーターではなく、円筒型の小型モーターを使用しているとのこと。駆動方式がDCではないにしても、結局ギアでレンズ駆動しているのでしょうか?その割り動作音は非常に静かなのですが。

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250mm, 1/320s, F6.3, ISO640, AWB カルガモのどアップ。250mmあれば多少遠くても余裕です。

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250mm, 1/320s, F6.3, ISO800, AWB 亀さんたちの会議。

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250mm, 1/320s, F6.3, ISO400, +0.7EV, AWB 閉じた蓮の花。

○光学手ぶれ補正(OS)
 PENTAX機に使うに当たって、このレンズの一番の価値はHSMよりもむしろOS機能だと思います。もちろんK-7はそれなりに強力な手ぶれ補正機能をボディ側に積んでいます。なのにわざわざ光学手ぶれ補正を敢えて使う理由は、何と言ってもファインダー像がピタリと安定すること。特に望遠端でのその恩恵は量り知れません。というのは、まともにホールディングする技量もない私にとっては、という前提条件がつきますが。

 ファインダー像が安定すると、手に力が入らず却って手ぶれは減るのではないかと思いますし、AFポイントも安定するのでピント合わせにも有利です。もちろんフレーミングもしやすくなり、ファインダーの隅まで気を配る余裕が出てきます。高倍率ズームを生かす上でも、この光学手ぶれ補正はとても重要であることを再認識しました。

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18mm, 1/50s, F5.6, ISO160, AWB 弁天堂の手水舎。

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53mm, 1/30s, F4.5, ISO100, AWB, モノトーン とある古い民家。ベタに白黒で。

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28mm, 1/4s, F4.0, ISO1600, AWB 上野の山から眺める夜景。三日月が出てました。

○画質
 画質についてはあまり語るべき所がありません。というのも私がそこまで細かくコメントできるだけの目がないからなのですが。それでも広角側はちょっと甘いなぁ、と思います。開放付近では周辺はかなり流れていますし、中心付近も解像度も、等倍で見るにはちょっと厳しいレベルです。やっぱりピントが合ってないのかと思うくらい。

 ただし、50mmよりも望遠側になるとそこそこ良いのではと感じました。少なくとも実用上十分。この手の高倍率ズームは、望遠側でも周辺光量落ちが目立つと言われていますが、それほどでもありません。それよりもやはり暗いF値が気になります。ファインダー像は心配したほど暗くありませんが、ちょっと日陰になったり、曇ったりすると、とたんに感度を上げないと絞れなくなります。結局今回のテスト撮影でも、望遠端はほとんど開放しか使ってませんでした。ちなみに全域に渡って意外なほどに歪曲は感じません。これは予定外に良かった部分です。

 なお、K-7内蔵の歪曲補正と倍率色収差補正ですが、これらは対応していないことを分かっていて、わざと試してみましたが、やはり効きませんでした。補正できない旨のメッセージが出るわけでなく、補正前と補正後の画像には何も差がありませんでした。

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PENTAX用も超音波モーター駆動と光学手ぶれ補正が使えます。

○まとめ
 このレンズ、本来は選外にしたわけで、消極的な理由で手に入れたわけですが、逆に期待していなかったためか、使ってみるとなかなか気に入ってしまいました。ネガティブな要素として捉えていた、大きさ重さもむしろホールディングを安定させるための必然に思えてきます。持ち運びを考えなければ。

 それよりもやはりこのレンズの大きな武器は、OSとHSMに尽きます。これらの恩恵はやはり絶大。今回貼った写真もやはり望遠端が多いわけですが、実際の所物珍しさもあって、このレンズを付けると望遠端を多用しがちです。そんなときHSMとOSは非常に有効です。

 この手の便利ズームがあると、結局コレばかり多用しそうですが、重たいこともあって多分そうはなりません。当初の目的通り、基本的には望遠端が必要と思われる時だけ使うことになりそう。いや、意識してそうしたいと思います。

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