酔人日月抄

東京下町に暮らす写真とPENTAXとスキーと時代小説とお酒とプジョーを愛するある男の日常

日光社参

 連休最終日に日帰りで日光まで行ってきました。日光と言えば、古いお寺や神社、壮大な自然、美味しい食べ物や温泉と、たくさんのアトラクションが詰まった関東地方を代表する観光地。東京の下町で育った私にとっては、小学校6年生で行った林間学校で初めて訪れた思い出の地。その後大人になってからも何度も訪れた記憶があります。

 東京からは車で行くには便利な場所なのですが、この日はなんと言っても連休最終日。高速道路はもちろん、現地の道路状況も全く読めません。なので今回はゆったりのんびりと電車で行くことにしました。東武鉄道の特急スペーシアの個室でぐうたらしながらの旅です。とっても楽ちんです。

画像
浅草から特急スペーシアで1時間半。東武日光駅に到着です。

画像
霧降の滝でマイナスイオン浴びまくり。展望台から滝まではかなり距離があります。

 ほとんど何も計画を立てていない行き当たりばったりの旅。日光に着いてから、まずは霧降の滝へ行ってみることに。バスに乗って10分ちょっと。バスを降りてから徒歩15分くらいで展望台に到着。日光の主な観光スポットには一度は行ったことがあるはず、と思っていたのですが、展望台にたどり着いてみて、ここへ来たのは今回が初めてな事に気がつきました。日光経験値がまた一つ上がりました。

画像
ステーキハウス みはしのビーフステーキ。

 生憎の小雨模様ですが、雨はこの季節の新緑の色と艶をいっそう美しく際だたせます。霧降の滝でたっぷりマイナスイオンを浴びた後は、再びバスを乗り継いで日光山の表参道にやってきました。東照宮等を見て回るのは相当時間がかかるので、まずは早めの昼食を取ることに。散歩がてら金谷ホテルそばの、ステーキハウス みはしまで行き、ここでミックスグリルを頂きました。お値段なりに大変美味しかったです。これで、午後一杯歩き回るエネルギー充電完了。

画像
日光山入り口にかかる神橋。世界遺産の一部です。

 日光山に入る前に神橋を見学。その昔は将軍様ご一行しか渡ることのできなかった橋。ですが、日光山側はいいとしても、反対側はなぜこんな断崖絶壁に向けて架けられているのでしょう? 昔からの疑問をふと口にしたら、同行友人に笑われました。笑うだけで理由は誰も教えてくれませんでした。

 さていよいよ世界遺産 日光の社寺の見学です。最初の輪王寺ではお寺のガイドさんに呼び集められます。無料でお寺の説明をしてもらえるのはありがたいですが、長時間拘束されて自由に拝観できず、挙げ句の果てにお札やお守りや数珠やらを売りつけようとするのには辟易。途中で逃げ出してしまいました。でも本堂前の宝物殿は一見の価値あり。五代将軍、徳川綱吉直筆の書と絵があります。いろんな意味で衝撃的な作品です。

画像
いよいよ東照宮へ。入り口にある五重塔。

画像
東照宮の代表的な建築物、陽明門。何度見ても荘厳です。

 輪王寺を脱出したら、いよいよ東照宮へ。ここは本当にすごいです。小学生の頃は何も知らずに、ただ陽明門や三猿、眠り猫など有名な建物や彫り物を見ただけでしたが、時代小説を読むようになり、歴史を少し意識するようになって訪れてみると、この東照宮の本当の凄さが分かってきました。その歴史の重みをひしひしと感じます。

 有名な建物や彫刻だけでなく、たくさん並んだ灯籠、柱や梁や屋根の彫り物、鳥居、石垣、門を守る仁王像などの彫像、狛犬などなどの一つ一つ。どれもこれも重要文化財であり世界遺産級のすばらしい遺物、遺跡ばかり。それらが無防備に思えるほどすぐそこに並んでいます。手を触れようと思えば触れられるほどに。

画像
家康公の墓所入り口を守る眠り猫。左甚五郎作と伝えられています。

画像
東照宮の一番奥にある家康公の墓所。40年前までは入ることのできなかった神域です。

 東照宮は江戸幕府初代将軍、家康公を祀る神社です。その神枢を納めた墓所が東照宮一番奥の山の上にあります。昭和四十年までは一般公開されていなかった場所。江戸時代は二百年以上にわたって誰も入ることのできなかった神域です。徳川家康の天下人としての評価は別にして、かの権現様がすぐそこに眠ってると思えば歴史のロマンを感じずにはいられません。

画像
三代将軍家光公の墓所、大猷院。静かで雰囲気があります。

画像
たくさんあった獅子の木鼻。この一頭だけ笑ってました。

 東照宮を堪能した後は、二荒山神社を経て家光廟大猷院へ。東照宮は徳川家康の遺言によって徳川家光の時代に造営されましたが、その家光公も自らの霊廟を創建しました。家光公の時代には徳川幕府は莫大な財産を持っていたそうです。もちろんその後は、将軍が社参することもできないくらいに困窮していくのですが。

 家光霊大猷院は立ち寄る人が少ないためか、ひっそりとしていて趣があります。ここでは墓所までは入れないのですが、拝殿の中で家光公の位牌(本物)を前にお参りすることができます。ここも江戸時代なら将軍クラスしかお参りすることができなかった場所に違いありません。家光公も近頃は町人どもが毎日ぞろぞろやってきてお参りしていくので、びっくりしていることでしょう。

画像
日光名物、湯葉のお刺身を電車を待つ間、駅前で地ビールとともに頂きました。

 さて、はっと気づけばもう夕方。帰りの電車の時間です。二社一寺の見学でほとんど半日を使い果たしてしまいました。こんなにじっくり、ゆっくりとあちこち見て回ったのは初めてかも。歩き回って運動にもなったし、写真も一杯撮ったし、歴史のロマンも存分に感じられて、とても充実した大人の遠足でした。

 帰りのスペーシアももちろん個室。疲れた体をぐったりと休めつつ一路浅草へ。浅草で夕飯を食べて、翌日の社会復帰のために早めに帰宅。浅草に足を踏み入れて無事に帰ってこられたのは初めてだったかも(A^^;;
 こちらこちらにも綺麗な写真が貼ってありますのでご覧ください。


---おまけ

画像
20数年前の思い出。東照宮は今も昔も変わりませんが、人間は大きく変わります。